ホーム | サイトマップ | リンク

ホーム > 講演会 > 講演会一覧 > 創立20周年記念講演会 > シンポジウム

創立20周年記念講演会 【シンポジウム】  「和歌山の活性化について」

【パネリスト】            和歌山県知事   木村 良樹 氏
御坊市長  柏木 征夫 氏
(株)バーチャル和歌山社長  北野 栄三 氏
和歌山大学教授  竹田 眞理子 氏
【司会】     (財)和歌山社会経済研究所理事長  南出 和寛

司会(南出理事長)

「和歌山の活性化」というテーマでのシンポジウムに4人のパネリストの方々にご出席頂いております。テーマは非常に範囲が広いものですから、焦点が絞りにくいと思いますので、まとめというよりはむしろそれぞれパネリストの方々のお考えになっていることを自由に発表して頂き、またそれらのお考えを中心に会場の皆さん方にも考えて頂きたいと思います。とにかく和歌山を良くするために前向きな行動を起こしていくことも含めて、このシンポジウムが皆さん方の今後の取り組みのヒントになれば幸いと思っております。司会が不得手でございまして、円滑に運営進行が出来るかどうか分かりませんが、よろしくお願いします。

基調講演での野口悠紀雄先生のお話でも、ITの地域での起業化についてお話があり、また地方での起業が目立つという新聞報道も最近多くなっております。経済センターでの県のSOHOも大分活発になってきておりますし、ITへの取り組みに向けたそういう芽が少しずつ出てきております。

ただ和歌山の実情からみますと、新しいことへの取り組みが遅れがちになる傾向があります。実はここにインターネットから取り出した出身地域別男性の性格というデータがあります。これによれば、「基本的に和歌山人はのんびりしたお人好しが多い。紀北・和歌山など北部の地域の人は、阪神地区の影響を受けて合理的打算的な面が強い。紀南(田辺・新宮など南部)の地域の人は、粗野で言葉づかいも乱暴だが素朴で付き合い易い人が多い。いずれもよく働き倹約してせっせっと貯金に励む。但し、見栄っ張り」というのがインターネットでの情報です。

このことを申し上げるのは、巷で和歌山は「もうあかん」とか「悪い」というだけで行動に繋がっていなかったことが、いよいよ何かやらなければならない、前向いてやろうではないかという意識と行動が少しずつ出てきているのではないかと感じられるからです。

そういう意味も含めて4人のパネリストの方々に、それぞれの思い入れなり考え方など、自己紹介も兼ねて発表をお願いします。どうかよろしくお願いします。

木村(和歌山県知事)
県勢活性化は地域産業のブラッシュアップと情報発信で

この頃、和歌山県だけでなく全国的に景気が非常に悪い状況です。なかでもアメリカで同時多発テロ事件が起こり、経済・社会動向の先行きが全く見えない現状にあります。しかし、駄目だ、もう駄目だといっていても仕方がありません。私は県知事として色々な施策を打ち出していますが、大変に財布が軽い(財政状況が苦しい)のと色々な難しい問題があるので、まだ(県勢浮揚の)成果を挙げるところまでいってませんが、序々に県勢に活気が出てくる方向で努力をしているところであります。産業振興については、この頃は中国など東アジア諸国がどんどん発展して、日本の産業が空洞化してきています。高速道路は和歌山県内では余り建設されていませんが、高速道路がいち早く完成した東北地方では早々と家電メーカーとかの優良企業が進出して元気が良かったのですが、最近は大変具合が悪くなって、雇用の問題でも大変深刻な状況になっているということを雑誌などの記事で承知しています。

和歌山ではかつてコンビナートが繁栄した後これが衰退し、これに代わる県勢隆盛産業が空白の状態となっています。これが良い悪いは別として、これから新しい発展方策を考えて行く時期が到来しているのではないかと思います。この時、無いものねだりではなく、現在和歌山にある農林水産業や地場産業を大事にし、それらの産業をブラッシュアップし付加価値を付けて有利に販売していくことが必要であり、そのためには内に隠っているだけでなく、県外へ国外へその情報を発信する取り組みをしていかないといけないと思っています。

このことの最近の事例を挙げますと、この前の土曜・日曜日に「和歌山農業まつり」をリゾート島のマリーナで開催しました。昨年出席しましたが、会場の多くのスペースにはトラクターなどの農業機械などが展示されており、「まつり」関係の役員(私も含めて)挨拶が大変長々続くという状況でした。今年はあれでは駄目だ。和歌山の「ほんまもん」を和歌山県内の人に販売するのも大切だが、県外の人々に和歌山の農産物の良さを分かって貰うような努力をする必要があるのではと県農林部の担当に指示し、だいぶん発破もかけましたところ、NHK連続ドラマ「ほんまもん」の料理指導した大阪辻料理士学校の先生も招き、大きな鍋での炊き出しをやったりカレーをつくったり、食べ物に関わる色々なイベントもやりました。その結果、2日間で5万人もの人々が訪れて頂き、会場で販売する色々な農産物を持ち込んだ人たちも販売予測と違って「まつり」終了時間前に全部売り切れてブースを片付けるケースも出たということです。

これもある意味では、和歌山の農産物を多くの人々に知って貰い、そして需要もでてきて購入へとお金が動く。これは小さな話題ですが、そのようにちょっとした知恵を使ったり、外に向かって情報発信したり行動するという発想が、和歌山を元気づけることになるのではないかと思っています。

ベンチャー育成も活性化の原動力

その他、例えば県経済センターを利用して、スタートアップオフィスも和歌山県で開設しています。ここの利用にも沢山の人が応募してくれました。正直言って、ベンチャーで成功する確率は非常に少ない、これは今迄もそうだし、これからもそうだと思います。ただ、新しいことをやってみよう、事務所を借りてやってみようと挑戦する人が沢山出てくることは地域に勢いをつける。仮に、それで成果が挙がらなかったとしても、そのことが和歌山県の元気づけの大きな原動力になって、そこから色々なものが出てくるだろう、と考えています。

後ほど「緑の雇用事業」などについてもお話しますが、今は失敗を恐れず沢山の玉を撃って、その玉の中から何発かでも当たるものが出て、それが和歌山県の活性化につながり、昔の勢いを取り戻すことを目指して、色々行政施策を進めているところです。

柏木(御坊市長)
地域産業振興方策とIT導入への模索

本来は、石田市長会会長が座る予定だったそうですが、石田海南市長が他のシンポジウムにご出席ということで、私が参加しています。

御坊市はご存じの方が多いと思いますが、人口が2万8千人という近畿91市のなかで90番目の市です。全国では671市の614番目です。面積が44km2で、これは全国で540番目の小さな市です。ただあることで威張ることがあります。御坊市は何が威張れるかというと昼間の人口が13%増えることです。これは和歌山県内50市町村では1番で、この会場に南部町長がお見えですが、南部町が2番目になってるかと思います。

御坊市では港湾や関西電力のプロジェクトがあって、1人当たりの預金残高はトップクラスと違うかなと思っていましたが、経済誌「東洋経済」の本を開いて見ますと、ちょっと古いですが、1人当たり御坊市では300万円余であり、和歌山市が420万円程でベスト50の中に46〜47番目で入っており、意外な感じがいたしました。

しかし市長として、今知事からお話あったように、世の中非常に景気が悪いと耳にする話が多く、私どもも火力発電などのプロジェクト推進により色々購入できる経済的なバックボーン、懐の財布の中身は厚いと思うのですが、なかなか商売に繋ってきません。時代の流れを背景に市民の皆さん方には、将来に対して大変な不安を抱いているのかなと思っております。

しかし幸いにも、国道42号沿いの名田地区で、県営・畑総事業として農地の基盤整備をやって頂いております。今迄はパイプハウスがずらっと並んで、しかも器用に地形に沿って曲げて建てられておりました。今回の基盤整備により屋根型の素晴らしいハウスに転換しつつあります。今の時代にこれだけの事業を施行する農産物の産地は日本の中では少ないと思っています。今後これの振興に対し行政としてどのようなことができるか自問自答しております。

本日のテーマであるITについては、デジタルカメラで色々撮影したりしていることもあり、ITで何かして見よう、例えば市内1万世帯にケーブルテレビを敷設して見ようか、大体15億円の事業規模となるのですが、そのケーブルテレビで何ができるか、光ファイバーを幹線から引き込むのが難しいことから、ISDNで64Kb/sか、せいぜいADSL程度のもので我慢するとか、IT・ITで世の中あげての話題となっておりますが、100Mb/s高速大容量の情報基盤は和歌山市周辺地域に限られており、それをこの御坊市迄取り込んで港湾事業の活力なりに繋ぎたいとする時、行政は何をすればよいのかなど、自問している昨今です。

竹田(和歌山大学教授)
教育現場にもIT進展

本当は、私はパネリストとしては場違いの所に出席している感じがしております。私自身の専門分野は心理学で、教育心理学・実験心理学の分野でして、経済関係に通じていたらもう少し大金持ちで、大学では遊びながら研究しているのでしょうが、経済や政治に関しては決して強くありません。ですから普通のオバチャンの立場での報告や発表になるのではと思いますが、そんな視点で何かお伝えできればと思っております。 

和歌山に住むことになった時は、和歌山大学に赴任した1980年で、もう20年以上ここで仕事をさせて頂いております。和歌山に自宅を建てた時は丁度、湾岸戦争の攻撃が始まった日で、代金を支払いのため郵便局に行きましたらテレビで報道されていました。この前も、アメリカの同時多発テロの様子が報道されておりましたが、何か世界の遠くのことを目の当たりに、しかもリアルに、ある意味ではゲームのように見えて非常に奇妙な気がいたしました。

ITには何とか乗り遅れないようにと思っております。大学内も最近は経費予算の請求などはイントラネットで処理しなければならなくなり、企業のホームページにアクセスし、製品番号等入力して発注しなければならなくなりました。また、大学の教授会やその他の会議連絡も全てメールで発信されるようになり、毎日メールを見ないと仕事ができない状況となり、流れに乗り遅れないよう必死で頑張っております。専門分野が違いますが、少し素人っぽい視点からお話に参加できたらと思っております。

北野((株)バーチャル和歌山社長)
和歌山は魅力のある地、自信を持とう

新聞と放送の仕事を大阪と東京でやりまして、平成2年に和歌山放送の社長として和歌山に移ってきました。振り返りますと「失われた10年」の間和歌山に居住していたことになります。日本の経済が低迷してきたこの10年ですが、この動向を比較的客観的に見てきたつもりです。この間、和歌山は決して手をこまねいていたわけではないと思っています。和歌山では色々な事業を展開しました。世界リゾート博、南紀熊野体験博、徳川吉宗博などのイベントを開催したり、この他にも色々なことを実施し懸命に地域の活性化を図ってきたと思います。しかし、和歌山の責任でない理由により、今日和歌山もまた経済不振の風に曝されております。けれども、和歌山の人材・この自然・この歴史文化は大変な財産であり、これを活用すればこれからの明るい和歌山の未来はあると私は感じます。

一昨日、木村知事が関西経済連合会で講演され、その中味は詳しく聞いておりませんが、それを聴いた大阪の友人が、私の会社に電話してきました。一寸考えたことがあるのでそれを話したいという電話でした。木村知事はこれからの和歌山の振興策についての話であったと思いますが、その人もそれなりに振興策を考えてくれています。

電話での話の概要は、数年前にイギリスの小説家ピーター・メイルという人が「プロバンスの12ヶ月」と題した本を出版しました。イギリスの小説家が南フランスの古い伝統のある農村部に移り住み、1年間のことを記録し、世俗の俗事から煩わされない生活をしながら命の洗濯をした色々な体験記が、人々の生活に非常に示唆するものがあるということで、アメリカ、イギリスでベストセラーとなり、日本で翻訳も読まれました。これをご存じの方があるかと思います。

電話してきた友人は、「この南フランスのプロバンスという所は日本では和歌山ではないか。県内でも特定すれば熊野地方であろう。ピーター・メイルを今度日本へ招待して、1年間当地に住ませて、その本を書いて貰い、これを売り出そうではないか。」と、この友人は電通から今は大阪国際会議場の社長です。前にそういうことを考えたことがありますが、その時は都合が悪く、急な約束があって日本に行けないということだったが、今度は来てくれるかも知れない、ピーター・メイルを連れて来るという計画話をしようかということで、一寸お酒を飲む約束をしたのです。

このように他所から見ると、和歌山・紀州は大変な魅力がある。この点を和歌山人は自信を持って頂きたいと思います。そのなかから将来の明るい展望が必ず出てくると私自身は感じております。

司会(南出理事長)

今、各パネリストの方々から触りの部分をお話頂きました。

今朝の新聞で、木村知事が提唱された「緑の雇用事業」が国で補正予算化するという報道がありました。経済対策閣僚会議と経済財政諮問会議で26日に確認して、来月9日の閣議で正式決定するという「緊急雇用対策法(案)」のなかで決定される見通しです。先般NHKの放送の中でも三重県の北川知事が木村知事のお考えを紹介されていましたが、「緑の雇用事業」も含めて和歌山での構想についてお話頂ければと存じます。

木村(和歌山県知事)
「新ふるさとづくり」や「緑の雇用事業」で新しい人口流動を

この「緑の雇用事業」ですが、知事になって最初に、和歌山県は昔は外に向かって開かれた所だったと思いました。ただ海で一寸閉ざされたという感じもあるが。また、もともと非常に豊かな土地柄なので、そうあくせくしなくても楽しく暮らせるという状況であったことから、近年は意識が若干内向きになってきているのではとの客観的な見方をしました。

そこでなんとか外との交流をということで、和歌山の良さを全国へ発信することが必要でないかと1番最初に思いました。何か良い方策がないのか。私は以前大阪府に住んでいましたから隣の大阪に880万人の人口がある、これをうまく和歌山の活性化に向けて気持ちよく活用できるような方法はないのかとの発想が「新ふるさとづくり」という構想です。

この構想の狙いは何か。よく「江戸っこ」といわれますが、これは3代東京に住まないと「江戸っ子」じゃないといわれ、昔はそういう人は少ないということの例とされていました。しかし、今では東京・埼玉・神奈川に住んでいる人の8割以上が「江戸っ子」ではないかと思います。これは昭和30〜40年代を通じて、地方が東京や都会へずっと人を送り出していくという役割を果たしてきて、その結果、地方の過疎化が進んでしまった。今や、地方と都市とを考えた時、地方には新しい若い人を送り出す力すらなくなってきており、都会は都会だけで自己増殖してきているという荒っぽい見方が今の状況ではないか、と思っています。このような状況になると、当然のこととして地方におじいさんもお父さんもいない都会に住んでいる人が、何も関係のない地方のことを色々考えてくれる筈もない訳だし、東京にオピニオンリーダーの95%ぐらいいると思うのですが、どうしても都市中心のものの考え方になってくるのは必然だと思います。

21世紀の日本を考えた時、日本という国は世界地図の中で見ても小さな面積に過ぎないわけです。これが全部が全て活性化したとしても、これからはどんどん勢いを増してきている中国と対抗したり、色々やっていくには小さく足りないぐらいです。そのような状況にも関わらず、東京とかその周辺だけに何もかも集まってしまうような国の政策は、あんまり良くないのではないかと思います。

だから無理にでももう1回、新しい人口の流動を起こす。1つには都市から地方へという形で起こさないといけないのではないか。そこに血縁関係がないのなら、無理にでも小学校時代とかそういう若い頃から、和歌山県内の市町村などと常に交流をすることを通じて「心のふるさと」にしよう、また、人の移動のなかから色々な新しい産業を生み出していけばいいのではないか、との狙いをもって「新ふるさとづくり」という構想を打ち出しました。

小泉首相の構造改革では痛みを伴うといわれ、良い事が出てくる前に痛みの話ばかりになっている。現在45歳以上の有効求人倍率は関西で0.18と、職を求めている人5人に対して1つしか職がないという状況、給与でも何か1つ一寸条件のいい仕事があれば何百人もの人が応募し、どうして私を採用しなかったのか、私は3百万円でも働きますというような電話がどんどんかかってくるということが今日の新聞のコラムに載っていましたが、それ程厳しい状況となってきております。このような状況のもとで、何とかこのリストラされた人や和歌山県内でも景気が悪くて仕事がなくなった人たちが、あまり大きな所得でなくても誇りを持ちながら仕事ができたら。これは新しい人口流動を起こすこともできるし、過疎対策にもなるし、何かできないかと考えていました。

丁度、京都議定書を中心に環境問題でCO2を吸収する森林の効用性がアピールされました。これだこれが使えると。今日では山林の木は大体80年生以上でないと伐採してもお金にならない、というような状況であり、若い木の山林は非常に荒れてきている。ところが、山には木材生産以外に非常に大きな機能を持っていることもあり、いま山林を守っておかないと大変なことになる。しかし、この保林費用の見返りがないため仕事として成り立たない。なんとかこれに公共のお金をつぎ込んで、所得補償をするような形で山林を守ることを仕事として組立てなければ、と考えたわけです。

そこに、小泉改革は都市再生という問題で、都市ばかりに政策の目を向けているとの批判もあり、これに地方からも、環境問題で活性化するように呼び水を出してゆけば動いてくれるだろうと思い、私は考えを新聞に投稿して色々な反響を探り、一方大変仲良くして貰っている隣の三重県北川知事に、このようなことを考えているが一緒に発表しませんかと呼び掛けたところ、北川知事も良いことだとすぐに賛同してくれて、2人でアピールして他の県知事にも賛同を求めた。現在、40近い府県知事が賛成してくれました。国の方にも働きかけ、総理大臣とも会う予定となっていたところにあの同時多発テロ事件が起こり、一寸腰を折られたような形になっています。この意味で、僕は非常にオサマ・ビンラディン氏を憎んでいます。本当にこれは冗談ではなく。

僕の考えは、短期的な失業対策で人を雇い入れるということでなくて、もっと広範に国土のなかで人口の逆流動を起こし、45歳から55歳の人だけでなく、仕事を求める人たちに地方で気持ち良く仕事をしてもらえるような仕組みを考えていたのですが、テロ事件のなかでかなり矮小化されています。役人はなかなか、僕も役人だったからあまり批判できないけれど、何十回も陳情して、彼らが分かりました分かりましたといってくれても、ずっと追って見ていなかったら役人は自分の思った通りのこと以外は絶対してくれません。もし、テロ事件が起こらず、小泉首相がずっとこの「緑の雇用事業」がきちんと出来てるか、進んでいるかを注目していてくれたら、もう一寸は良いものになっていたのではと思いますが、取りあえずは今年度の補正予算で緊急雇用対策の柱の1つになりました。これからももう少し粘り強く要請して、来年度の当初予算に組み込むことに努力を続けるつもりでおります。

一方、和歌山県も人に頼むばかりでは地方の時代にふさわしくありませんから、県としても主体的に取り組み、単に山林を保全することだけではなく、中山間部を振興して過疎化を防ぐという意味を持つ施策になればとのことで取り組んでおります。

紀南地域の活性化にITを

IT関係でも色々なことに取り組みまして、現在田辺に「IT総合センター」をつくっています。「箱もの」を作ることは今まで非常に重要なことでしたが、「箱もの」つくり以外にそこでのソフト機能でどのようなことができるのか一生懸命考えています。ソフトづくりに今日は和歌山大学学長も参席されておりますが、和歌山の誇る和歌山大学と何とかうまくこの田辺の「IT総合センター」と連携してやっていけないだろうかということも一生懸命模索してます。

活性化施策で、今後は土地を開発造成して製造業を連れて来るという方法はもう本当に古くなりました。製造業は中国で何でも作れます。製造業誘致というやり方はもう時代遅れとなっているのです。ただそのなかで唯一誘致可能な企業、例えばIT関係のソフト開発の会社などは地方に転出してきて小さなところでもやっていけると。そういう意味では白浜あたりが非常にいい条件の土地という話がありまして、成果のほどはわかりませんが「ITホットスプリング」という名前をつけ、その周辺にIT関係のソフト開発の人たちがある程度集まってこれるような場所づくり、その中核として田辺の「IT総合センター」を活用していくことも考えています。

新宮方面では、新宮市は大正から昭和初期にかけて非常に繁栄した町でありましたが、林業の不振を背景に、現在は非常に厳しい状況にあります。その上和歌山の端だという感じを持たれていますが、隣の三重県と手を結べば、新宮はエリアの中央のところになるから端だ端だと思う気持ちを持つ必要はない。このような意識のことだけでは解決しません。先程柏木御坊市長のお話にも触れていましたが、CATVです。これは三重県で非常に盛んとなっています。この三重県のCATVを新宮迄引き込む、CATVはブロードバンドに使えますのでIT化を進めていこうと考えています。

しかし、実情からみてIT化ブロードバンドを利用してインターネットということについては、正直いって皆が賛同したり、お金を出したりしてくれるところまで日本はまだ成熟していないのです。CATVだと難視聴地域でもよくテレビが見えることなどで周辺の人たちも心待ちしてくれる状況もあって、三重県と組んで進めてゆくなど、色々なIT関連がらみのことも含めて新しいIT対応に努めてゆこうと考えています。

誇れる「ほんまもん」情報の発信

このような視点で、和歌山の「ほんまもん」である緑、そういうものを売り出してゆく、水だって大変な値うちがあるんです。中国では黄河が涸れてしまい水がありません、砂漠化が進んできているといわれています。僕は以前は雑木林が良い、カブト虫も来るしクワガタ虫も来るし値うちがあると思っていたが、一寸考え方が変わってきまして、やはり檜とか杉とかの美林は和歌山が外に誇れるものだ、バランスの問題もありますが、そういう気持ちを持っております。

このような誇れるものを何とか外へ、全国へ発信してゆけば、和歌山県も非常に元気のある県になれると思っています。他にも色々考えていることがありますが、当面の話題として発表させて頂きます。

司会(南出理事長)
ライフスタイル変化に伴う地域の見直し

人々のライフスタイルが変わる。先日、竹村健一さんが話しておりましたが、ハワイではアフター5(ファイブ)の海の賑わいは、何も観光客だけではなくて地元の企業に勤めている人々が海に出かけ賑わうと。和歌山でもアフター5のライフスタイルの変化を考えて将来には必ずそのような道も開けるのではないかと思います。

東京のクオリティ(株)の浦社長は将来温泉に入って仕事をと、とりあえず田辺市にソフト会社を創るようですが、このような動きに対応した和歌山の見直しということも、当然紀北は紀北で見直しが必要ですが、過疎となっている紀南地方は視点を変えて見直しが必要かという感じがいたします。デジカメを持って海に潜るというか、海を綺麗にしようという事、もちろん、山林・河川が綺麗になれば海も綺麗になるのですが。一方、高速道路が供用され日高港湾が建設中であり、工業団地が開発され、国立の和歌山高専がある。和歌山高専もこれからレベルアップされるようですが、そういった面なども含めて柏木市長さんの方でお話頂ければと思います。よろしくお願いします。

柏木(御坊市長)
活性化は地域フィールド、産業、人材、歴史文化にスポットをあてる

和歌山の活性化ということで、御坊市の果たす役割というような大きな話はありません。知事から色々お話がありましたように、御坊市には第2火力という電源立地あるいは平成10年着工し平成15年供用(暫定供用なのですが)開始ということで県に大変なご努力頂いております日高港湾いわゆる港湾立地、港湾立地の一環とする港湾背後地の企業用地、工業用地ができています。第2工業団地は面積が6万坪で、うち2万坪は企業立地しておりますが、まだ4万坪立地残となっております。このような3つの企業立地が地域の活性化に向けての大きなバックボーンとなっております。

先程、御坊市は小さな町と紹介しました。この小さな町が自分自身で取り組める地域活性化対策ということを中心にお話させて頂きます。この御坊市という地域、フィールドですね、そこに住んでいる人たち、その人たちが持つ技術とか営んでいる業、こういったものにスポットをあててこれを活かしながら、どうして町づくりを進めていくかということに今日迄取り組んできておりますが、こうした一つの基本的な考えの上に立って少しお話を進めさせて頂きます。

南紀熊野体験博では「癒し」というキーワードと熊野古道という大きな一つの歴史的背景がありました。町づくりなりイベントを実施するときはそれのアイデンティティが重要なポイントになります。そのような一つの「錦の御旗」のもとに県民の皆さんが意識結集され、そして周辺の皆さん方に和歌山県から発信した「癒し」ということが大きな話題となり、共感を呼んで南紀熊野体験博が成功したのだと思っております。これらのことから私自身も、物事を実施するときにはどのような「錦の御旗」を立て、どのようなアイデンティティによりこの物事を進めるか、町づくりを展開するときにはこのことが非常に重要なことになると思っております。

そこで御坊市でのアイデンティティ、「錦の御旗」になり得るものはどのようなものがあるか。市民アンケート調査によれば、御坊市民の認識では1番は日高川であります。日高川には約24種類の魚類が生息しています。日高川の河口周辺を中心に約165種の野鳥が飛来し、生息しているウオーターフロントです。また、日高川河口から印南町境界迄の約8kmの海岸線がありますが、ここの海中には61種の魚類の生息が記録されております。このような貴重な自然環境といいますか地域フィールドの上で、農業・漁業それから木材産業、加えて日高別院門前町としての商業が営まれているのです。こういうフィールドの上での農業を考えてみますと、農業は育てるという楽しみがあります。勿論都会の皆さん方には農業生産物の供給という大きな役割を果たしておりますが、生物を育てるフィールドを活用して都会の皆さん方に喜んで頂けるというものがあります。またその育てる地域に大変興味のあるとことがあります。

私は21世紀のイベントなどは人間の五感に訴えるようなことに取り組まなければ、人々の共感は得られないのではなかろうか、特に感性あるいは知性といったものを武器にすればよいのではないかと思っています。

事例としてお話することは、イチゴは通常の栽培状態で採ると1粒10円です。それを加温や電照栽培して自然栽培では採れない時期では、スナックなどには1粒100円位で売れるのです。これを観光とか都市と交流という味付けの中でイチゴを育てる、都会の人に育てさせますと、おそらく1粒100円位の値段で売れることになるのではなかろうか。農産物を作るという農家のフィールドを提供し、その技術を指導することによって、収入が得られる時代になるだろう。漁業にしても同じで、海というフィールドに大変魅力があります。加えて魚を捕るというアクションも魅力あります。都会の人々に魚貝類を捕らせるという手があります。アクアラングを付けて潜り、あわびを幾つでも採っていいですよ。但し、1kgだけ持ち帰れます。その採り賃(体験料)として5,000円頂きます。10kg採った人は9kg漁業組合に巻き上げられることになります。漁業者自身が息の続く限り潜って魚を捕る、貝を採るということをしなくても、先程お話した農業でのイチゴの論法がでてきます。これからはこのような魅力を産業振興策として考えるべきではないかと思います。

それから、御坊市には木材産業があります。夏休みの終わりに木協(木材協同組合)の青年たちが木工教室を開いております。大勢の子供たちが夏休みの宿題を完成して帰って行くのです。木材を自分で加工し、作品を完成する楽しみが満たされるので、これも大きな魅力となっています。これらはその産業そのものの魅力ですし、フィールドも魅力ですし、その場で提供される技術も教える人も魅力があります。このような魅力を利用する方法はなかろうか。これには他所から手を借りなくても教える人、人づくりは私たちの土地にあり、フィールドもあります。これを少し工夫して活用することによって、都会、京阪神の1,000万人〜2,000万人の皆さん方に共感を呼んで頂けることができるのではないかと思っております。

もう1つの「錦の御旗」は、歴史と文化だと思っております。御坊市は道成寺から下流、右岸側に東裏、富安、小松原、堅田などの地名があります。この地域全部に遺跡があります。昔の日高川の堤防がずっと今のオークワ店あたりまで、標高2〜3mの自然堤防の上に集落跡があり、先人たちが生活していた色々な形跡が残されています。遡ってみれば2,300年前の堅田遺跡で環郷集落であり、銅製のヤリガンナの鋳型が出土された、これはこの地の宝物です。それまでは銅製の鋳型は九州にしか出土されていなかったのが、この御坊市で出土されたことで大変な反響を呼びました。

その側の所で1,900年前の奈良時代のお役所施設跡が発掘されております。このことはこの地が1つの交流拠点であり、そして銅という非常に金目のものがあるとなると奈良時代の有力な藤原さんが放っておくわけにはいきません。これが1,900年前の役所が置かれた跡となったのであろうと。さらに時代は下って1,300年前の宮子姫のお話が出て参ります。42代天皇のお后で45代天皇のご生母ということですが、これは道成寺が何故あの地にあるのかと不思議だったのですが、まさか髪の毛1つ燕がくわえて奈良の都まで運んで、そこから姫を探し出したということは信じる者は少ないと思いますが、大変愉快なシンデレラ物語があります。やはり藤原さんがこの地に時々おいでになっておれば美人の娘を奈良へ連れて行ったことでしょう。また天皇がその娘をお召しになるということも可能だろうということから、道成寺が1,300年前にこの地で建立されたということもこうした流れからは頷けます。はっきりした根拠となるのではないかと思っております。さらに、時代は下って400年前に西本願寺の日高別院が建立されて、そして門前町が栄え御坊という地名になったのです。

私どもは、このような歴史の流れを糧として意識を結集し、何をしていいか、これを外に向けて発信していくかということを考える時と思っております。このような御坊の、この土地に住んでいる人、営まれている業あるいは持っている技術、知識、こうしたものを活用して現在町づくりに取り組んでおりますし、今後もこれらの活性化に取り組んで参りたいと思っております。

司会(南出理事長)
地元をよく知ることから

地域資源を活用する、歴史と文化をよく知ることなのですが、和歌山県生まれの者でも自分の周囲のことをあまりよく知っていないケースが多いように思います。私も南紀熊野体験博でボランティアとして参加しましたが、その土地の人でもその土地の詳しいことをあまり知らないということがありました。その意味ではやはり和歌山を誇るということを中心に考える必要があり、御坊市長のお話された地元資源を活用し、歴史と文化を知ることは非常に大事ではないかと思っております。

竹田教授には、教育という問題を通じての、また20年間の和歌山生活を通じて、どうしたらこの和歌山が良くなるかについて色々お考えがあると思いますが、広範囲にわたってお話頂いて結構ですから、経済にあまり拘らずに、どうかよろしくお願いします。

竹田(和歌山大学教授)
活性化とは人々が生き生きしていること

テーマの「活性化」という言葉はよく聞きますが、「活性化する」とは実質的にどういうことを意味するのだろうか。多くの方は経済的な豊かさの向上を挙げられます。私はそれだけではない思っている。活性化するということは、人が活性化すること、そこに住んでいる人が生き生き生活できることだと思うのです。経済的に豊かであっても人々が生き生きしていないところには活性化はないと思います。ある意味ではもっと物質的に貧しかった昔の時代だって、生き生きしていたことはあると思います。後でお話しますが、今日の中学生・高校生、モノはいっぱいあり余り本当に豊かですが、目は死んだ状態で毎日を過ごしていることが少なくありません。これでは活性化とはほど遠いことで、活性化は人が生き生きすることであると考えております。活性化ということを考える場合、短期的にどうか、長期的にどうかの視点から見る必要があると思います。短期的な視点で和歌山の活性化ということを考えると、住み易さの向上と地域のインテリジェント化だと思います。

和歌山へ来て、すごくいい所だと思ったのは、今も忘れませんが、ある町役場職員の方に車に載せて頂いたのですが、役場で停めて下車する時に施錠しないのです。ロックしないのですかと問うと、ロックしなくてもいいんです、それどころか開けておくと町民の方が野菜を入れてくれたり色々いいこともあるんですと答えられた。これは素晴らしい町だと思いました。昨今、世の中全体が不用心となり地域差もなくなってきており、金庫ドロボーが和歌山でも発生していますからそういう訳にもいかなくなってきているかも知れません。当時は和歌山は素晴らしい、お互いが信じ合って生きている、素晴らしい地域社会だと、それがすごく嬉しかった。勿論いいことばかりでなくマイナスのショックもありました。強調すると語弊があるかも知れませんが、「溝掃除」これはショックでした。半強制的な労働というか租・庸・調の伝承か、和歌山に住む前の京都や色んな所の経験ではあんまり縁のなかったことです。ボランティア活動ではありましたが。

私は和歌山のいいところを感じています。短期的視点では先にお話しましたように住み易さの向上や地域のインテリジェント化ということです。そこが良くならないと生き生きしてこないと思います。これだけ活性化、活性化といっても、そう簡単に成果が挙がらないということは難しいということでしょう。

活性化には知恵の集約と次世代を担う若者参加を

活性化には、皆の知恵を集めなければならないと思うのです。「3人寄れば文殊の知恵」ですから、皆で知恵を集めれば。しかも知恵を出そうとすること自体が人を活性化すると思います。先程ベンチャーのお話もありましたが、やはり知恵を出そうとすること、皆で知恵を出そうとすること自体が人を活性化する。それも行政や民間等の立場を超えた視点で色々な発想を引き出していくことが必要ではないかと思っています。私たち人間はなかなか他の視点でものを見ることは口でいう程易しくありません。心理学の実験でも実証できておりますが、自分が持たない視点を他人から示唆してもらうことが大事だと思います。和歌山へ他から引っ越してきた人たちからみた、引っ越してきた人とは日本人だけでなく外国人も含めてですが、その人たちからみた和歌山の良さ、問題点などどんどん出して貰ったらいいのではないかと思います。

それから若い人の考えをもっと吸い上げていく、あるいは若い人に考えて貰う機会を設ける必要があると思います。この会場内には企業の偉い方が多数参加されていますが、実情では無理もないこととは思いますが、若い世代特に20歳台以下の方のお顔は非常に少ないのです。必要なことは10歳代とか20歳代の若い人が和歌山の未来をどう考えているか、このことは日本の未来についても同じですが、若い自分たちの未来はどのようにするのかとの考えを持つように仕向けていかないといけないと思うのです。今の中学生や高校生に和歌山の活性化とか和歌山を元気よくするためにはどのようなことが考えられるかと問いかけても、何も一言も答えられない子が多いと思います。これからは若い人たちの考えを引き出してゆく、あるいは若い人たちに考えて貰うようなチャンスをどんどん与えてゆくことが大事だと思います。また、一般から公募するなどの方法を採用していいのではないかと思います。

交通インフラ整備も重要

もう1つ活性化の方策として、公共交通機関などの利便性をもっと向上させる必要があると思っています。例えば和歌山大学の付近から和歌山市内の中心部に行くだけでも、車の場合、渋滞で1時間近くかかることがあります。名古屋・京都間は新幹線で30数分で移動できます。何故こうなるのか、大変なロスだと思います。先程ITの外側のお話もありましたが、公共交通機関などの利便性を向上させるためのアイデアも必要だと思います。

私が持っている1つのアイデアは、JR和歌山線に2輪車や自転車を載せられる電車を走らせたらいいのではと思っております。JR和歌山線は運転本数があまり多くないですが、通勤・通学時に車や自転車で紀ノ川筋の道路が渋滞する、無駄が多いと思います。外国では採用されている自転車が載せられる電車を走らせれば、渋滞解消にも役立つわけで、放置2輪とか放置自転車の減少にも一役かうことにもなるでしょう。それから駅舎施設も緩いスロープなどつけて、高齢者や障害者にも利用できるユニバーサルデザイン化していけば一石何鳥かになると思っています。せめてJR和歌山線だけでもそのような試みが必要ではないのでしょうか。外国では自転車を載せている例を多くみますと和歌山にはとってもいいのではないかと思います。

ITのことでお話しようと用意しておりましたことを、野口先生に先取りされましたが、和歌山の自然豊かな土地に住みながら、仕事ができる環境整備づくりをもっと進めていけば、もっと魅力的な和歌山になると思います。アクセスポイントなど先程の光ケーブルのお話もありました。和歌山市内や海南市ではCATVなどが普及してきましたが、県内全域に普及できるように。それから、レクリエーション(recreation)ということでは和歌山は有名です。レクリエーションの語源はクリエーション(creation)です。クリエート(create)とレクリエーションができる土地としての和歌山、クリエイティブでありレクリエーションできる場所、クリエーションとレクリエーションができる場所それには和歌山が最適だと思うのです。この魅力をもっともっと活かしていけばいいかと思います。

活性化は子供の自主性育成教育と女性の参加から

短期的視点のお話と併せ、私は長期的な視点というのは絶対必要であると思っています。先程お話しました若い人が一人ひとり生き生きする和歌山ということでは、教育の問題についてです。私が大学教育学部の人間だから特に思うのかも知れませんが、昨今の教育現場には憂いています。生き生きしている子供がこんなにも少ないことは悲しいことだと思っています。荒れている学校ということではなくて、これは和歌山だけではなく日本全国そうなのですが、特に都会地に多い現象です。それは、おとなしくしている子供で、おとなしいだけで体をそこに置いているだけで、死んでいるかにみえる子供がいっぱいおります。もっと自分の力、自分がこんなに素晴らしい子供だと、子供の心に訴えられるような教育をしていかなければと思っています。そのため色々な問題があるとは思います。

1つの方策として、例えば異年齢集団学習など異年齢集団を教育の場に導入するということも考えられます。経済界では異業種間交流とか行われていますが、異種ということは大切だと思います。年齢が違うということは自然なことで、実社会では当たり前のことですが、学校教育では同一年齢で区切られ、それ以外の交流は非常に少ないのです。年齢が上の子供がリーダーシップを発揮するという機会が必ず与えられて、いい格好もできる、そういうことがすごく大切なことだと思いますし、そういう機会をもっとつくっていくべきだと思っています。今年3月まで2年間教育学部付属小学校の校長をしていました。付属小学校の複式学級は異年齢集団の学習です。すごく異年齢集団の良さがあります。それから、画一的な教育の問題とか創造性を育む教育の必要性とかいろいろ感じるところがあります。和歌山には熱心な先生が多いですし、教育委員会も思い切ったことをされてきていますが、もっと大胆な教育、さらに一段と思い切ったことを進めて、人を育て人を活かすことをやっていかないと、長期には元気にならないと思います。皆が知恵を集めることで、この会場に出席している方々一人ひとりがアイデアを出すことで、活性化に向けたすごい力になるかと思います。受け身的でなく自分が発想していくことが大切かと思います。

終わりにもう1つ、和歌山はもっと女性の力を活かして欲しいと思います。この会場に参加の女性は私を含めて10人位でしょうか。非常に変な感じです。国際学会ではすごく女性の参加が多い。日本では女性実業家も少ないですね。インターネットのホームトレーダーで株の売買もやり郵便局から入出金すればいい時代ですが、例えば証券会社によっては信用取引は女性だというだけで取引できないとかの社会だそうですが、これからは女性も実業界にでて、そのノウハウを活かすべきと思います。外資系では女性のファンドマネージャーが活躍しています。その現状を見ると外資系の企業や外資系の金融機関がすごいと思います。人口の半分を占める女性の力を引き出しているという気がします。私がここに出席していること自体が奇異とならない社会、女性の力を活かせる社会が出現していけば和歌山も元気になっていくと思います。

司会(南出理事長)
多重層の意識反映

先般もあるアンケート調査会社から20歳から30歳代の回答が少ないので、もっと増やす方法がないかと電話を頂いたのですが、やはり和歌山でも若い人の意見というのはなかなか求めにくいような状態です。小学校の学級崩壊も近畿では38%、北海道17%という数値もあり、近畿は特に悪いのですが小学校時代、中学校時代からの接点として今お話のあった異年齢集団も大切と感じました。

バーチャル和歌山を立ち上げられ、経済同友会でも提言をされ、また日本一物語も発刊された北野社長さんのご意見を頂きたいと思います。

北野((株)バーチャル和歌山社長)
地域活性化は地域主体の地域設計から

和歌山への提言としては色々ありますが、今日は地方分権の問題・地方分権の考え方を進めて欲しいということ、地域の情報化という情報重視ということを核にした地域づくりをして欲しいこと、この2点に絞ってお話したいと思います。

竹田先生もお話ありましたが、活性化とは考え方であり意識である。野口先生も同じようなお話であったと思います、考え方を変えなければならないと。今年6月に、地方分権推進委員会が最終報告を小泉首相に提出しました。それを見ますと国と地方自治体との関係を見直さなければ、国と地方自治体の財政改革はできないと、それに続いて地方はもっと分権の意識を徹底させて、そして地方の自治能力を示して欲しい、とこう書いています。

僕はこの認識は逆ではないかと思う。地方が意識を持っているが、東京にはその意識がない。意識の温度差があると思っているのです。これには地方にも責任がある。何故ならば地方は東京がいいものだと思っている、中央が大変な能力を持っていると思っている。「大本営」に期待しているということです。大本営は既になくなっているけれど、どこかに大本営がないかと思って考えているのが現在の地方の意識ではないかと。これが間違っている、この考え方を考え直すことが大事だと私は常々考えております。

今、アメリカはスーパーパワーでどこにも負けない。しかし過去1回ベトナムで負けました。何故ベトナムで負けたかというと、ベトナム戦争の末期にピューリッツァ賞(Pulitzer)を貰ったアメリカの新聞記者が「ベスト・アンド・ブライテスト」という本を書いております。「ベスト・アンド・ブライテスト」とは飛びっきりの秀才という英語であります。飛びっきりの秀才を集めたアメリカのケネディ政権。30歳代でフォード社長になったマクナマラが戦争の責任者であり、そのほか数多くの秀才を集めたケネディ政権とそれを引き継いだジョンソン政権が何故負けたのか、何故失敗したのかということを書いております。この本はアメリカでも日本でもよく売れました。結論は、この秀才たちはワシントンのことは知っていたが、世界を知らなかったということであります。この本のなかでハーバード大学の社会学部教授デービッド・リースマンの言葉が引用されています。「彼らは秀才である。頭は切れる。しかし大西洋しか知らない田舎者だ」と書いてあります。今日、アメリカがアフガンのことを知らないかというと、そうではないと思う。ベトナムの失敗で大いに勉強した。アジアを勉強したから、日本はこれだけアメリカにやられているわけだ。

しかし、日本の東京はあまり反省していないと私は考えています。このため多くの間違いをずっとしてきた。我々の記憶の中でいえば、平成8年11月21日に阪和銀行が業務停止の処分を受けた。何故第1番が阪和銀行であり、受け皿を用意しないままそういう処置をとったのか。大蔵省は和歌山のことは何も知らなかったのだ。その結果、後でその失敗を償わなければならないようなことになっているわけです。あの当時のあのタイミングとあの形は間違っていたといっている人がたくさんおります。しかし、当事者はちゃんと責任を認めていない。その結果、その翌年に北海道拓殖銀行、山一証券などそれに続く経済失政が行われた。つまり日本全体のことを知らない東京だけで、知事の古巣のことなので一寸具合が悪いのですが、永田町と霞が関だけで決めるのです。秀才たちが考えていても日本のことが本当に分かっていないから失敗すると思うのです。そういうことを反省しないといけない。これが地方分権だと。野口さんのお話にもあったように考え方を変えないといけないと思います。和歌山もそういうことを踏まえて主体的に分権の考え方を進め、我々が和歌山で新しい国づくりをするつもりで地方の設計をやらなければいけないと思います。

活性化のインパクトは情報発信から

もう1つは、この分権を進める上で情報が如何に大切かという考え方も深めて欲しいと思います。地域の情報がたくさん発信され、行き交い、それを受け入れる。その情報によって人間が動く時には必ず地域は発展する。このために情報が大切だということになります。

昨今、関西は東京に比べて大変低迷しています、経済的にも。しかし、関西が一番明るい顔をできる時期があります。関西発の情報が全国に発信されて皆が関西に注目する時期が、年に2回あります。それは何か、甲子園の野球です。甲子園発の高校野球に全国の人々が注目する、最大のニュースになるのです。甲子園球場は大正13年につくられました。何故甲子園球場がつくられたのか、それは野球が盛んになったからです。何故野球が盛んになったのか、それは新聞を媒体とする情報が野球熱を高めた。その結果、阪神間に大きな球場が必要であるとして甲子園球場がつくられた。甲子園球場ができた大正13年は、当時は新聞しか情報機関がなかった。毎日新聞と朝日新聞がその大正13年正月に、我々は100万部突破したと発表しました。両方の新聞社が100万部突破した。正確な記録によれば東京の新聞社は10万部・20万部の状況であった。ある記録では読売新聞が大正13年は5万部である。つまり関西の情報が東京を凌いで活発であった。こうして甲子園球場ができて地域が活性化してきた。

その頃、新聞以外での情報では大阪の出版社・出版界が非常に活発であった。今日、書籍本の出版といえば全部東京ですが、大正の頃は大阪発の出版物がよく読まれた。立川文庫は湯川秀樹さんも愛読した。立川文庫は大阪の本屋である。その立川文庫から猿飛左助というバーチャルな人物がつくり出されて忍術ブームになり、その忍術映画が京都の撮影所で制作され、尾上松之助というスターが現われ、京都に映画産業が発展したのです。その翌年、大阪市は市域を拡張した結果、東京市を抜いて日本一の人口となった。そして御堂筋の計画と地下鉄の計画と大阪高商を商大にする計画をその頃スタートさせました。

和歌山では、現在のJRきのくに線の和歌山〜箕島間が開通したのも大正13年です。その頃は情報が牽引車になって地域が活性化している。情報はそういう役割を果たしてきているのです。

環境に恵まれた条件を活かしてIT先進県へ

今日我々は新しい情報の時代に直面してきている。今日のお話の主題はIT情報です。和歌山県もIT先進県を目指して色々なことに取り組まなければならない。その1つとして県の主導で設けられたのが「バーチャル和歌山」で、今年7月に誕生しました。この会社の目的はインターネット上に和歌山というコミニュニティをつくること、地域の活性化のために中小企業・零細企業でもIT化を進めることにより企業経営の発展を応援すること、そしてバーチャルな和歌山ワールドをインターネット上に構築すること、この最後の部分がこの情報活動であると私は考えています。それを展開することによって地域の情報化・情報の共有により人間社会が動くことを目指したい。e-コマースも会社の目的であり、「わいわい市場」などインターネット上の商売を拡大していくことも大変大切なこととなります。これらの事業を展開していくための大きな課題は、今日の野口さんのお話にありました、人々の考え方を変える、つまり情報を共有することにより考え方をまとめていく、変えていく、あるいは行動のためのきっかけをつくることだと思います。そういう意味では和歌山は新しい方向に一歩踏みだしたのではと思います。会社のことのPR、我田引水ではありますがご紹介し、皆さんのご協力をお願いします。

バーチャルという言葉が一寸聞き慣れないのですが、「バーチャルステート」という言葉はアメリカでは割合使われておりますバーチャル国家のことです、その「バーチャル国家」と題したアメリカ政治学者の書いた書籍、これも翻訳され出版されております。この本を見ますと、ある見方によればシリコンバレー、バンガロール、高雄(台湾)がITの世界の先進地域だと書いてあります。バンガロールには、30年前に訪問しました。インド人が非常にIT技術に長けているといわれますが、30年前ニューデリーで会議があり、会議終了後インド政府の招待で政府が是非見せたいという所を見学させて貰いました。1ヶ所はボンベイにある原子炉・原子力研究所。その年(1972年)にインドは正式発表はしていませんが、原爆、水爆をつくったのです。もう1ヶ所はバンガロールにあるインドの電信電通信会社その他通信技術のセンターを見学しました。その時は特に興味を持たずに視察してきたのですが、今振り返れば30年前に既にインドが最も誇るものとしてITに国家目標を定めて進めていたのだと今になって感じています。

そのバンガロールという所は、インドの国土の形を紀伊半島に置き換えると、ちょうど和歌山県の熊野あたりになる。バンガロールはデカン高原の真ん中にあり、山の高い所ですが非常に環境の良い所で、これまた和歌山に似ているのだなあとの感じです。和歌山には先程野口さんのお話にありましたが、もう東京にいる必要はない、大阪にいる必要もない、和歌山でも同じ仕事ができる、しかもITの外側でよい環境があるということとなれば鬼に金棒となる。和歌山はそういう環境条件としては大変明るい未来を期待し得る土地的な条件が満たされていると思います。そのIT先進県の方向に向けて我々は一生懸命頑張りたいと思っております。

司会(南出理事長)

パネリストの皆さんから色々発表して頂きましたが、終わりに発表などに対してのご意見やご提言があればお話頂ければと思います。木村知事、何かございませんでしょうか。

木村(和歌山県知事)
観光産業は体験型へ

柏木市長のお話には、私も賛同しており常に話題にしていますが、和歌山の海は非常に綺麗ですが、近くに「サザエ採るな」「アワビ採るな」との看板があるところを降りていくと海に降りて行ける。これは漁業に携わっている人たちの悲痛な声で合理的なものだろうとは思うのですが、これからは一寸考え方を変えて欲しい。魚貝類は自由に採れといってもなかなか採れないのです。まして素人にはアワビなどは絶対採ることないので、反対に「採って下さい、その代わり苦労しても採れなかったのでしたら、帰りにこの場所で販売していますから買って帰って下さい」などと自然を売る、自然体験を売るという志向、海もそうだし、山もそうだし、川もそうですが、そういう形で色々な形の交流の輪を作ってゆけば和歌山の今後の観光産業の振興となるのではと思うのです。今迄型の観光ではもう駄目なのです。土曜日の夕方に来て宴会やって、次の日は流れ解散でゴルフして帰るパターンのやり方は21世紀には流行りません。それをいつまでも追い続けたらこの観光すら駄目になってしまいます。今、県では体験型観光の仕組みを作っています。モデル旅行みたいなものも今年の暮れにできるところまで進めていますが、これからは体験とか体験のなかからの「癒し」、そういうコンセプトで和歌山を売り出す仕組みが大変大切と思います。

地域をよくするためには女性パワーの活用を

それから竹田先生のお話で、女性の参加が非常に少ない、異様だとの指摘がありました。その通りだと思います。同時多発テロ事件あり、イスラム社会の様相が報道されていますが、映像には男の人だけで女の人は1人もでてこないのです。これはイスラムではそうなのかも知れませんが、異様な世界だと思います。

和歌山でもこれからは高齢化時代になってくることは必定のこと、このことからも女性の力は大変大きなものになります。僕は色々な人々と話をしますが、女の人とのお話が一番楽しい、これは何も変な意味ではなく、女の人は真剣に一生懸命考え、地域をよくしていこうと意欲を持った人が多いのです。このような人たちの力が必要なのですが、残念なことに現在和歌山県内に優れた人材のデータが整理されたバンクがないのです。だから現状ではどうしても同じ方に色々お願いすることになっています。今、和歌山県内で色々なことができる女の人をデータバンク化し、その人たちの知恵や知識を行政に活かそうとする方策を進めています。これはその地域で有力者といわれる人だけでなく、普通に穏やかに暮らしている人のなかにも素晴らしい人が沢山いますので、その人たちをピックアップして県政に協力して貰うような方向を考えています。

地方分権は自主・自立の精神で

北野社長の地方分権のお話がありました。地方分権は法律ができただけで、現実には国の考え方はあまり変わっていません。ただ最近よくなってきたのは国の機関委任事務という自治事務と国から委任された事務の2つの仕事が明確になり、仕事は序々に変わってきています。この流れのなかで、私は和歌山県知事をさせて頂いていますが、知事の役割が今までとは違って、オピニオンリーダー的な役割を持ってきております。私の経歴は役人上りであまり冴えないけれど、だからこそ精神的に色々なことをマスコミに発表していく、その発言の反響が廻り回って和歌山へ還ってきて、和歌山の人たちに新しい元気づけを与えることができると。「緑の雇用対策」の取り組みもそのような気持ちで取り上げたことです。以前、鳥取県の片山知事(片山善博)と一緒に「地方財政制度の見直し」についての提言もこの考えで取り組みました。今後はこのような形で意識を変えていかなければならないと思っております。

1つの例は、先般狂牛病の検査結果を、1次段階で発表するか2次結果を待って発表するかが議論されました。国の方は2次結果の発表を待って行えばいいとの方向でしたが、県では色々検討した時、今はどのようなことも隠してうまくいったことは絶対ない。公開したことの中から民主主義の行政が行われるとの気持ちがあり、県行政としては1次で一応発表することを決めました。このように国の指導通りにやるのでなく和歌山県内の食肉業界の人が困るようなことは県としても思いきって色々な助成策を講じるとしました。このことは発表と別の話ですが、結果発表では事の事実は発表しなければと。1週間位経って情勢が収まってきたら、いつまでもいろいろな人を心配させることもないので、2次結果でいいと思っていますが。いろいろな事で、国がいうからと批判精神を持たないまま国に従うのであれば本当の分権はあり得ないのです。自分たちの責任で、自分で決断するのですから後の責任を持たなければならないから、しんどいことなのですが、これが本当の地方自治だと、地方分権だと、その先に日本の21世紀の国の形があるという気持ちで私は仕事をしています。

柏木(御坊市長)
地元資源を活かせる工夫と地元住民が先に楽しむ

先程のお話は御坊市の紹介で、そのような場所はどの所にもあります。ただ、その地域資源をどのように地域活性化へ仕掛けていくかということになります。地域の産業は月曜日から金曜日までは産業振興のために使い、週末は都会の人の体験・交流のために使わせる農業、漁業のフィールドをどのように整備すればいいのか、それが1つの大きな課題です。

1つは先程165種類もの野鳥が飛来・生息していると紹介しました。全部文献があります。しかし、売れない文献図書では活性化に役に立たないのです。その文献を屋外で利用・活用できるようにしたものが我々にないのです。そこで野鳥の会から版権を頂きパンフレットを作りました。パンフレット印刷して販売することは授産施設の仕事で授産事業で十分取り組める仕事です。それを記念品として1枚1,000円で子供たちの大会のある時に市からの記念品として贈ることもできました。そういうようなソフト周辺がないということ。

もう1つ足りないこと。当地には日高川が流れているが、その日高川にカヌーがあまり浮かんでいない。野島の海でサーフィン遊びをしているのは殆ど他所の若者で、地元の人々が楽しんでいない。地域資源は地元の人々が先ず楽しむことに活用するのが第1だ。その延長線上で都会の人をお呼びして楽しんで貰う、そして産業振興に繋がるという新たな展開が可能ではないかと考えます。

先程お話がありましたが、これが私のこの夏の成果でして(魚のパンフ紹介)太い腹にウエットスーツを着せて10kgの重りを付けて尾ノ崎の海に潜り撮った魚類の写真です。魚にはいい迷惑ですが、ここに18種類写っています。こういうパンフを作って、これを見れば魚の生態が分かります。今は海の中で撮影できるフィルムカメラが販売されております。都会の皆さんが、シュノーケルを付けて浅瀬で楽しむ子供たちの写真が撮れることは大きな魅力ですし、そのような魅力はこの地に住んでいる人が楽しむことが大切ではないかと、その成果をこのようなパンフなどにして産業振興に繋げていくことに取り組んで行きたいと考えております。皆さん方にもいろいろなご指導を、よろしくお願いいたします。

竹田(和歌山大学教授)
自主行動で築く地域社会

特にお話はありませんが、私は和歌山が大好きなんです。1つだけ。子供の時から自発的な発想ができて、どんどん自主的に強制ではなく皆、一人ひとりが考えられる、あるいはいろいろなことが提案できる、話し合えるそのような和歌山の社会であって欲しいと思います。それと一人ひとりが子供の時からリーダーシップをとり、一人ひとりがリーダーになれるような社会になってゆけば和歌山はもっと元気になっていくと思っております。

何十年後かに和歌山が教育や周りの社会によって変わって、みんなすごく元気な和歌山人になっていることを夢みています。

北野((株)バーチャル和歌山社長)
ITでの地域活性化は、考え方を新しくすること

阪神大震災の時、国の活動が後手後手に回ったなかで、信頼を得たのは情報機関であったと思います。その震災後、通信システムを拡充しなけばいけないといわれるようになりました。しかし、システムを整備してもそれを動かして活動する者がいなかったら、これは宝の持ち腐れになります。IT時代でも同じことがいえます。システムさえ伸ばせばそれで万事解決ということにはなりません。これを動かし、これをどのように地域活性化に役立たせるかということを考えることがなければ、これはまた宝の持ち腐れになりかねないのです。このため、我々は人間社会がどのような姿が一番あるべき姿か、そのために通信システム、ADSL、ブロードバンドをどのように役立たせるかということの視点で考えなければならないと思います。これはソフトの問題であり、考え方の問題でありますが、考え方を新しくすることが我々に求められているのはと感じております。

司会(南出理事長)

ありがとうございました。時間に余裕があればもっとお話頂きたいのですが、終了予定時間をオーバーしておりますのでこれで終わらせて頂きたいと思います。木村知事が大体まとめて頂いたように思いますし、それぞれのパネリストの皆さん方のご意見も私があえてまとめるよりは会場の皆さんの方でご理解頂き、出来ることから行動を起こして頂ければと存じます。

終わりに一言、自助努力といいますか、自らが行動するということの重要性をご認識頂きたいと思います。県民の多くは和歌山を良くしたいとする願望があるのですから、身近なことから良いことはこれを実行する第一歩が大切ではないかと思います。木村知事が4月2日の県幹部への訓示の中に、チャレンジ精神を持ってやっていかないと大変革の時代には対応できないし、組織の活性化もできないというお話がありましたが、このことは、県職員だけでなく県民全般にも当てはまる非常に大切な事柄だと思います。

まとめ

地域活性化は、

  • (1)地域資源を魅力あるものにコーデイネートする。
  • (2)チャレンジ精神の自主努力で。
  • (3)交流促進の情報発信を促進する。

このためには、「ものの考え方を変える」必要がある。

これをもちまして終了させていただきます。
どうもありがとうございました。

(参加者の所属、役職等は発表当時のものです)

このページのトップへ