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2019年度 講演会 要旨
  「大転換期を迎える日本経済 〜結果を出すためには何が必要か〜」

経済ジャーナリスト 須田 慎一郎 氏

皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました須田慎一郎です。

今日の講演会は「大転換期を迎える日本経済〜結果を出すためには何が必要か〜」という演題をつけさせていただきました。私がもともとつけていたのは「勝ち組になるためには何が必要か」という、かなりえぐいサブタイトルでした。ちょっと下品かなと思うのですが、私の本意としては、そういうところにあると考えていただきたいと思います。

今日の話のポイントはメインタイトル「大転換期を迎えた」というところにもあるのですが、今、私たちの身の回りで大きな変化が起こっています。その変化への対応力をどうつければよいかをじっくりとお話をさせていただきたいと思っております。




早速、講演をスタートさせていきたいと思いますが、ちょっと全く違った話をします。

皆さん、カレーのCoCo壱番屋をご存じですか。私の事務所の近くにもあり、数ヶ月前のこと、その中の1軒がリニューアルオープンしたのです。CoCo壱番屋の看板の色って黄色ですよね、カレー屋さんだから。ところが、そのCoCo壱番屋の看板は緑色、グリーンの地に白抜きで「CoCo壱番屋」と入っている。行ってみて、びっくりしました。我々の知っているCoCo壱番屋とは違うのです。

皆さん、ハラール対応の食事って知っていますか。イスラム教徒の方々向けに食材を調達し、調理をし、そういった料理を提供する。それがハラール対応の飲食店です。

そのCoCo壱番屋はハラール対応になっていたのです。せっかく来たのだから食べて帰ろうと店内へ入ってまたびっくりしました。私以外は、食べている人も働いている人も全員外国人なのです。

隣に座っていたヨドバシカメラで働いているというマレーシア人のお客さんに話を聞いてみると、イスラム教徒の方々が外国で働くときは食事が大変なんですって。イスラム教というのは食材のルールが厳格で、日本で作られた料理はほとんど食べられない。毎日毎食、自分で料理をつくらないといけないので、こういったお店ができて本当によかったと喜んでいました。

昨年の訪日外国人観光客は3,000万の大台を突破しました。観光客だけではありません。ことしの4月1日に改正出入国管理法が施行され、外国人労働者が続々とやってくる状況になりました。この機を捉えたCoCo壱番屋の着眼点はすばらしいと思います。

これから日本はどうなっていくのか、政府はどういった方針で臨んでいるのか、そのあたりを厳格にというか、正確に見通し、国の政策であるとか、今、日本の経済、社会が抱えている問題点であるとか、こういったところを見ていけば、これからどういう変化が起こるかというのが見えてくるはずなのです。




これまで日本の企業というのは、国内マーケットだけで商売を展開でき、利益を出すことができた。あえてリスクを冒して外へ出ていく必要もなかった。

ところが、ここへ来ての人口減少で、国内マーケットだけでは成長に限界があり、国際進出をしなければならなくなっています。中小企業だって国際進出をしていかなければ大きく利益を上げていくことはできない、そういう時代に入ってきているのです。

とは言っても、日本はまだ恵まれています。その理由として1つのエピソードを紹介します。岡山県に清水の白桃という果物があります。数年前、マレーシアからお金持ちが日本観光に来て岡山に立ち寄った際、その白桃を口にしたのです。「自分の生涯でこんなおいしい果物は食べたことがない」と衝撃を受けました。その人は後の予定を全部キャンセルして岡山にとどまり、来る日も来る日も桃を食べ続けたそうです。

これが口コミやSNSで広がって、マレーシアの富裕層が清水の白桃を食べにやってくるようになりました。そして、傷みやすい桃の輸送方法を研究した結果、マレーシアのデパートの店頭に並んだ桃が、1個4,000円です。ところが、その日のうちに完売。今でも即日完売が続いています。

「マレーシアってそんなに豊かな国だったの」と思う人は、ぜひ頭を切りかえていただきたい。近年、中国、台湾、東南アジアからオーストラリアにかけてのアジア・太平洋地域は、世界で一番経済成長率の高いエリアなのです。そこに対して商品・サービスを提供し、経済的な結びつきを持つことが成長につながるのです。




もう一つ違った切り口からこの変化についてお話をさせていただきます。

最近、スーツ、背広を着ている女性をよく見かけるようになったと思いませんか。

近年、セールスレディーと言われる外回り、営業職の女性が激増しているのです。全ての産業において深刻な人手不足がずっと続いていて、このままいったら営業社員の数は減少し、それに伴って売上も減少、利益も減少していく。だから女性の営業職、営業社員が激増しているのです。そうなってくるとやはりスーツ、背広に対するニーズもどんどん広がっていくということになります。

スーツ量販店の折り込みチラシもスペースの半分は女性物になっているというのが今の実態です。そういった変化に皆さんは日々接しているのです。変化に対する気づき。その次は、なぜこんなことが起こっているのだろうか、という変化の本質を知ること。いま起こっている変化をそのまま放っておかないで、その変化に対する対応力をつければ成長していけるチャンスは幾らでもあるはずなのです。

私が思いますに、これからはどんどん女性が現役の男性並みの仕事をし、お金を稼ぎ、稼いだお金を使っていく、こういう時代に突入しつつあるのです。

そして、もう一点、政府の政策も大きく影響しているのです。厚生労働省の中には、内々に女性の就業率に関して「2020年代の半ばをめどに北欧並みの水準に引き上げていく」という目標が設定されております。

スウェーデンの女性の就業率は82%です。日本における女性の就業率は2016年度で約64%です。あと7〜8年もたたないうちに20ポイント程度引き上げていく。これが今の日本政府が全力で取り組んでいることです。

そのために、例えば去年から今年にかけて待機児童問題の解消と幼児教育の無償化に向けて1兆円近い予算を新規につけました。そして、この10月1日から幼児教育の無償化はさらに拡充され、その財源として消費税が充てられることになりました。

新聞社は「かねてから社会問題化していた待機児童問題を解消するために政府はここへ来てようやくその重い腰を上げた」と書いたのですけど、全くの的外れです。

国が責任を持って待機児童を解消して子供を預かるから、どうぞ働きに行ってお金を稼いで、そのお金を使ってくださいねという狙いです。




これからは外国人が日常風景の中で働くことが当たり前の世の中、そして外国人がお金を稼ぎ、その稼いだお金を使うことによって新しいニーズ、需要が掘り起こされ、新しいマーケットが形成されていきます。それに加え、女性が男性並みに働いてお金を稼ぎ、そのお金を使うことによって新たな市場が生まれます。

これから成長していくためには、従来では考えつかなかったような新たな市場、マーケットに入っていく必要があるのです。

ただ、それは何も難しく考える必要はないのです。別に大企業や現在海外で取引している企業だけが成功するということではない。幾らでも私たちの周りには成功するチャンスが転がっているのではないか。出てくるのでないか。それは頭の切りかえ1つでそういった成功のチャンスを手にすることができると思います。

ですから、今日の演題のサブタイトルは「結果を出すためには何が必要か」と言いましたけれども、やはり「勝ち組になるためには」のほうが的確ですよね。タイトルとしては下品ですけどね。

そういうことで結論のほうに至りましたので、話は終わりにさせていただきたいと思います。今日は長時間にわたりまして最後までご清聴いただきまして本当にありがとうございました。

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