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2021年度 講演会 要旨  「どうなる日本の政治と経済」

読売新聞特別編集委員 橋本 五郎 氏

こんにちは、よろしくお願いします。今日は私なりに考えている今の政治状況、これからどうなるのだろうというお話をしたいと思います。

まず、この日曜日には衆議院選挙の投開票日が迫っておりますが、私はいつも選挙の前日の読売新聞に「拝啓、有権者の皆さんへ」という記事を一面に書きます。何を書くかというと、一体私たちは何を基準に投票すればいいのだろうということです。




1つは衆議院選挙というのは政権選択選挙だということです。政権選択選挙というのは、この政党に政権を取ってもらいたいと思って投票する。それは自公の政権なのか、野党の政権なのか、というのがまず1つの選ぶ基準です。

次は実績の評価です。自民党政権に対する評価は、4年前に衆議院選挙、政権選択選挙をやったわけですが、安倍政権で3年、菅政権で1年、この4年間にやってきたことに対する評価です。

一方、野党に対する評価はというと、国会で少数であろうが、その立ち居振る舞いはどうだったのか、野党なりに少ない数の中でどうやってきたのかというのが評価の基準になります。

また、今度の場合非常に大きいのは、共産党と立憲民主党の間での限定的な閣外協力という話があります。閣外協力とは大臣を出さないで外から協力する。政府の方針を決めたり、法案を決めたりする閣議に人を出さないで、それに対して反対する余地を残すということです。協力は協力でも一枚岩の協力ではないのです。野党のそういう限定的な閣外協力をどう考えるのかも、1つの大きな基準になります。




しかし、どっちがいいかといっても、どうやって判断するのだという話になります。

それは、さっき言ったこれまでの実績と、もう1つは出している政策で比べます。

政策を見ると、みんな、あれをやります、これをやりますといいことしか書かない。いいことを書いていると、それをやってほしいと思いますが、一方でこれはきちんと財源の裏づけがあるのかどうかを公約から見なければいけません。ただ受動的に聞くというのではなくて、私たちも考えなくてはいけません。

しっかり自分で考えて政策を見たとしても非常に難しいのは、1つの政党の全ての政策に賛成だということは、まずないでしょう。私はそのときにいつも言っています。そのときは、自分の中で政策に優先順位をつけ、自分の中の大事だと思われるものについて、それぞれの党の政策を比較して、こっちのほうがいいなと思う方に丸をつける。それを順々にやって全体として私はこの党のほうを支持する、という具合に考えたらどうかと言っているのです。

私はいつも、誰かが100%正しくて、誰かが100%間違っているなどということは政治の世界ではあり得ないと言っています。ベストを求めてはならない。求めても無理。ベターもないかもしれない。「政治というのは悪さかげんの選択だ」と。これは福沢諭吉が言っています。




今度の自民党の総裁選では、派閥の論理だとか、いろいろと言われましたが、私はそうではないと思います。基本的に人間が信頼されていなければトップにはなれません。マキャベリは「トップになるには愛されるよりも恐れられなければならない」と言っていますが、私は信用されることも大事な要素だと思います。総理大臣なんか一人でできるものじゃない。チーム力と発信力が必要なのです。

一方、なかなか女性の宰相候補が出てきません。今度の総裁選では女性が2人出て、その色合いが違ってきました。これを突破口に女性宰相を早く実現してほしいと思います。

自民党総裁選の候補者討論のとき、私は「皆さん、私は50年近く政治記者生活を送っていますが、今の国会はいけません。ののしり合い国会になっている。みんなそれぞれが国民の代表として選ばれた人たちです。敬意を持たなければいけない。これは何ですか」と聞きました。

ただ、立場の違いがあるだけで、それなりに人で選ばれているわけですから、そこは十分尊敬し合いながら議論してほしいと思います。




最後に、これから3回目のワクチンとかがありますが、まずこれをきちんと進めていくということが大切です。政治の役割ってすごく大きいのです。それから、私は一律10万円みたいなことにはずっと反対だった。もう一律支給はやめたほうがいい。本当に困っている人に渡る政治というのをやらなければいけない。Go Toトラベルにしたって失敗することを恐れないで、どんどん戻していったほうがいいと思う。そうすると希望が少し出てくるんですよ。そこをどうやって迅速にするか、そのために政治があるのだから、そのリーダーシップを総理大臣にはもっと発揮してもらわないといけません。

そして、それを発揮するためには日頃から入念な準備をしなければならない。それもできるだけ多くの人が関与する形で。それと同時に、なぜこれをやるのかを十分に説明しなければいけない。紙を読む必要はない。気持ちを伝えるだけでいい。とにかく昔のいい日常をみんなで取り戻すために私は命を張ってやっているんだという姿さえ見せればいい。具体的なことはほかの人がやればいいのだから。私はそう思います。

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