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和歌山県における女性の就業状況
 〜 世帯の高齢化・小規模化が進む中、女性の労働参加も進む 〜

研究員  藤本 迪也

1.進む世帯の高齢化・小規模化

平成27年に実施された国勢調査によると、和歌山県内の世帯数は減少に転じた。これまでは、人口は減少しても、核家族化や単独世帯の増加を背景に、世帯数は増加していたが、その状況は変化している。

○ 「夫婦のみの世帯」、「単独世帯」が全体の半数を占める

図表1は、和歌山県内の世帯構成を世帯類型別に見たものである。「夫婦のみの世帯」が全体の23.3%を占めて、最も多い世帯類型となっている。また、「単独世帯(女性)」が16.4%で2番目に多く、4番目に多い「単独世帯(男性)」(12.9%)を合わせた「単独世帯」は全体の約3割(29.3%)を占める。このように、世帯構成人員が2人ないし1人の世帯が全体の半数以上を占めており、「夫婦と子供(20歳未満)」、「三世代世帯」といった構成人員の多い世帯類型は少数にとどまる。

図表1 和歌山県内の世帯構成(世帯類型別)(平成27年)
図表1 和歌山県内の世帯構成(世帯類型別)(平成27年)

(注)「男親または女親と子供」には、父子・母子世帯が含まれるが、高齢の
親とともに子供(年齢20歳以上)が暮らす世帯等も含まれている。
(資料)総務省「国勢調査」(平成27年)

○ 「単独世帯」が5年間で大きく増加。世帯人員の少ない世帯が増加している

図表2は、世帯類型別の世帯数が平成22年からの5年間でどのように変化したかを見たものである。「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」など県内世帯の半数以上を占める世帯類型が増加する一方で、比較的世帯人員の多い「三世代世帯」、「その他の世帯 」は大きく減少している。

図表2 和歌山県内の世帯数の変化(世帯類型別、平成22年から平成27年)
図表2 和歌山県内の世帯数の変化(世帯類型別、平成22年から平成27年)

(資料)総務省「国勢調査」(平成27年、平成22年)

○ 「単独世帯(男性)」、「夫婦のみの世帯」では世帯主年齢60歳以上の世帯が特に増加

世帯数が増加している「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」について、世帯主の年齢階層(2区分)別に世帯数の増減を見ると(図表3)、「単独世帯(男性)」では「60歳以上」が23.2%増となり、「60歳未満」の14.1%増を上回る増加幅となっている。「単独世帯(女性)」については、「60歳未満」が18.1%増で「60歳以上」の7.8%増を上回ったが、「夫婦のみの世帯」については、「60歳未満」が減少する一方で、「60歳以上」は増加している。

図表3 年齢階層別(2区分)に見た「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」の世帯数の変化
(平成22年から平成27年)

図表3 年齢階層別(2区分)に見た「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」の世帯数の変化(平成22年から平成27年)

(注)図中の年齢は世帯主年齢を意味する。
(資料)総務省「国勢調査」(平成27年、平成22年)

○ 世帯の小規模化と高齢化が進んでいる

以上のように、和歌山県では、平成22年以降の5年間で「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」等の世帯人員の少ない世帯が増加した上に、世帯主年齢が60歳以上の世帯が増えている。

2.和歌山県民の就業状況

政府は、3月に「働き方改革実行計画」を策定し、日本経済再生に向けて、生産性の向上、労働参加率の向上を目指すとしている。具体策としては、「子育て・介護等と仕事の両立」、「高齢者の就業促進」を挙げており、女性・高齢者の就業促進を図る。和歌山県においても、人口減少、高齢化は進行しており、県内事業者の人手不足感は強く、女性・高齢者の就業促進(労働参加)が求められている。そこで、本節では和歌山県民の就業状況を確認する。その際、年齢階層に加えて、世帯類型ごとに就業状況を分析し、どのような世帯で労働参加が進んでいるのか確認する。

○ 県内の労働力人口は男性(特に30歳代)が大きく減少

平成22年以降の5年間で、県内の労働力人口 は48.2万人から1.7万人減少(3.6%減)し、46.5万人となっている。年齢階層別・性別にその増減を見ると(図表4)、団塊ジュニア世代(昭和46〜昭和49年生まれ)が40歳代に移行したことで、30歳代の男女がともに大きな減少となっている。他府県への転出、少子化を背景に20歳代の男女も減少した 。このような労働力人口の減少に対して、団塊ジュニア世代の移行に伴う40歳代の男女、50歳〜80歳代の女性で労働力人口が増加しているが、先ほどの減少数を補うには足りず、県内労働力人口は1.7万人の減少となった。

図表4 年齢階層別に見た労働力人口の増減
(平成22年から平成27年)

図表4 年齢階層別に見た労働力人口の増減(平成22年から平成27年)

(資料)総務省「国勢調査」(平成27年、平成22年)

○ 女性の労働参加は「核家族」、「夫婦のみの世帯」、「単独世帯」で進む

前述の通り、40歳〜80歳代の女性の労働力人口が増加しているが、その女性はどのような世帯類型(単独世帯、夫婦のみの世帯など)にあるのだろうか。図表5は、女性の労働力人口の増減を年齢別及び属する世帯の類型別に見たものである。40歳代の女性の労働力人口の増加については、団塊ジュニア世代の移行に伴う増加であるが、50歳代については、「核家族(夫婦のみ除く)」で労働力人口が増加している。60歳代、70歳代についてはともに「夫婦のみの世帯」において労働力人口の増加が目立ち、「核家族(夫婦のみ除く)」、「単独世帯」での増加も見られた。

以上のことから、女性の労働参加は、子育て中の家族を含む「核家族(夫婦のみ除く)」や「夫婦のみの世帯」(年齢は60歳〜70歳代)、「単独世帯」(年齢は40歳〜70歳代)で増加していることがわかる。

図表5 年齢階層別・属する世帯類型別に見た労働力人口の増減
(平成22年から平成27年)

図表5 年齢階層別・属する世帯類型別に見た労働力人口の増減(平成22年から平成27年)

(資料)総務省「国勢調査」(平成27年、平成22年)

○ 女性の労働参加率はさまざまな年齢階層、世帯類型で上昇している

年齢階層別・属する世帯類型別に女性の労働参加率 (図表6)を見ると、「夫婦のみの世帯」、「核家族(夫婦のみ除く)」、「単独世帯」のいずれにおいても、労働参加率の上昇が概ね全ての年齢階層で見られる。例えば、子育て家族を多く含むと考えられる「核家族(夫婦のみ除く)」においては、「30〜34歳」、「35〜39歳」で労働参加率が上昇すると同時に、子育てが一段落したと考えられる「50〜54歳」、「55〜59歳」でも労働参加率の上昇が見られた。

図表6 年齢階層別・属する世帯類型別に見た女性の労働参加率
夫婦のみの世帯

核家族

単独世帯

(資料)総務省「国勢調査」(平成27年、平成22年)

3.女性のさらなる労働参加に向けて

和歌山県内の労働力人口は今後さらなる減少が予想される。本稿で確認した通り、少子化・他府県への転出増を背景とする20歳〜30歳代の労働力減少、退職者の増加が大きな要因だ。このような状況の中で、女性の労働参加は県内でも進んでおり、このことが労働力人口の減少を幾分緩和してはいるものの、全体の減少を補うまでは至っていない。今後、行政及び県内事業者による女性の就業促進に向けた取り組みがますます重要になるが、その際、就業を希望する女性の年齢階層、家族構成など、それぞれの事情に合わせた取り組みが求められる。

(2017.8)
(執筆者の所属、役職等は発表当時のものです)

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