ホーム | サイトマップ | リンク

ホーム > レポート > 経済 > 県内企業は経営に関わる情報をどのように集めているか?

県内企業は経営に関わる情報をどのように集めているか?

研究員  藤本 迪也

1.経営に役立つ情報の取得について

○情報収集の場所 〜インターネットが最多〜

事業経営に関する情報について、役立つ情報が得られる入手先を県内企業2,000社に対して質問したところ(2022年9月に調査実施)、図表1に示す通り、「インターネット」との回答が42.4%で最も多く、「テレビ・新聞・雑誌」(38.4%)、「同業・異業種の経営者等」(30.2%)を上回った。

2013年に中小企業基盤整備機構が実施した「中小企業経営者の経営情報の収集・活用に関する実態調査」では、経営者が情報収集する場所としては、「新聞」が82.0%で最も多く、テレビ(62.0%)、雑誌(45.7%)、ホームページ(43.3%)が後に続いている。約10年の間に、インターネットを活用した情報収集が主流となり、また、「役立つ情報」が得られる場所としても定着していることがわかる。

図表1 事業経営について役立つ情報が得られる入手先
図表1 事業経営について役立つ情報が得られる入手先

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

業種別に見た場合、インターネットを通じて経営に関する役立つ情報を得ている企業が多い業種は、図表2に示すように、「飲食業」(61.5%)、「機械器具卸売業」(61.1%)、食料品製造業(57.7%)、医療・福祉(55.0%)、旅館・ホテル業(53.8%)などが挙げられる。

図表2 インターネットから経営に関する役立つ情報を得ている企業割合(上位5業種)

業種名 企業割合(%)
1.飲食業(n=13) 61.5
2.機械器具卸売業(n=18) 61.1
3.食料品製造業(n=26) 57.7
4.医療・福祉(n=40) 55.0
5.旅館・ホテル業(n=26) 53.8

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

○情報提供者 〜同業・異業種の経営者からの情報取得が多い〜

前述のように、インターネットを介した情報取得が主流となる中で、対面での情報収集については、「同業・異業種の経営者」、「税理士等の専門家」といった回答が多くを占めている(図表1)。特に、同業・異業種の経営者から役立つ情報を得ているとする企業は、建設業や製造業で多くなっている(図表3)。

図表3 同業・異業種の経営者から経営に関する役立つ情報を得ている企業割合(上位5業種)

業種名 企業割合(%)
1.木材・木工製造業(n=19) 52.6
2.設備工事業(n=22) 45.5
3.化学製品製造業(n=18) 44.4
4.不動産業(n=31) 41.9
5.機械・部品製造業(n=30) 40.0

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

税理士等の専門家から役立つ情報を得ているとする企業は、クリーニング業や理美容業などの生活サービス業、設備工事業、機械器具卸売業で多い(図表4)。

図表4 税理士等の専門家から経営に関する役立つ情報を得ている企業割合(上位5業種)

業種名 企業割合(%)
1.生活サービス業(n=9) 55.6
2.設備工事業(n=22) 45.5
3.機械器具卸売業(n=18) 44.4
4.医療・福祉(n=40) 35.0
5.職別工事業(n=18) 33.3

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

金融機関の担当者から役立つ情報を得ているとする企業は、建設業で多くなっており(図表5)、商工会議所・商工会から役立つ情報を得ているとする企業は、商業で多い(図表6)。

図表5 金融機関の担当者から経営に関する役立つ情報を得ている企業割合(上位5業種)

業種名 企業割合(%)
1.総合工事業(n=45) 31.1
2.機械器具卸売業(n=18) 27.8
3.運輸業(n=40) 27.5
4.金属製品製造業(n=21) 23.8
5.機械・部品製造業(n=30) 23.3

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

図表6 商議所・商工会から経営に関する役立つ情報を得ている企業割合(上位5業種)

業種名 企業割合(%)
1.飲食料品小売業(n=20) 50.0
2.飲食業(n=13) 46.2
3.旅館・ホテル業(n=26) 42.3
4.生活サービス業(n=9) 33.3
5.衣料品小売業(n=17)(n=30) 29.4

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

○講演会・セミナー・勉強会 〜医療・福祉、運輸業で活用割合が高い〜

講演会やセミナー・勉強会で経営に役立つ情報を得ているとする企業は、医療・福祉、運輸業、飲食料品卸売業などに多い(図表7)。

図表7 講演会・セミナー・勉強会で経営に役立つ情報を得ている企業割合(上位5業種)

業種名 企業割合(%)
1.医療・福祉(n=40) 45.0
2.運輸業(n=40) 37.5
3.飲食料品卸売業(n=22) 27.3
4.食料品製造業(n=26) 26.9
5.機械・部品製造業(n=30) 26.7

(資料)和歌山社会経済研究所「景気動向調査」(2022年9月)

2.県内企業が求める情報 〜補助金、法令・規制変更に関する情報へのニーズが強い〜

今回の調査結果が示唆するように、県内企業は様々な情報提供先から、経営に必要な経済情報を取得している。具体的にどのような情報を収集しているのかを自由記述形式で質問したところ、「補助金の動向」、「法令・規制変更に関する情報」、「販路に関する情報」、「同業他社の動向」といった意見が多くみられた。また、昨今の物価上昇を受けて、仕入材・仕入商品の価格見通しなどへの関心も強まっている。世界情勢など地政学的リスクに関する情報への取得意向も高まっており、弊所としては、このような情報ニーズを踏まえながら、引き続き、情報発信に注力していきたい。

(2022.12)
(執筆者の所属、役職等は発表当時のものです)

このページのトップへ