ホーム | サイトマップ | リンク

ホーム > レポート > 経済 > 消費者物価指数と企業物価指数の推移

消費者物価指数と企業物価指数の推移

主任研究員  松村光一郎

政府は、昨年11月の月例経済報告で「緩やかなデフレ状況にある」との認識を示した。景気は回復傾向にあると一部ではいわれているが、物価の下落は企業収益を悪化させ個人消費の減少につながる。景気低迷の要因ともいわれている「デフレ」だが、実際にどの程度物価が変動しているのか、消費者が日常購入する商品やサービスの価格を指数化した「消費者物価指数(CPI)」と企業間での商品取引価格を指数化した「企業物価指数(CGPI)」の推移をみてみる。

一般的に価格は、原材料、中間製品、小売という順で波及することになる。原材料の値段が上がれば、価格にもコストが反映されることになり、物価の上昇につながるということになる。そのため企業物価指数が上がると消費者物価指数が上昇する目安となる。

消費者物価指数(CPI)は、総務省が毎月発表する小売物価統計調査を元に作成される指標で物価指数の一つで、昭和21年から調査が始まった。全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもので様々な用途に使われている。

現在使われている消費者物価指数は、平成17年当時の物価水準を100としたときに現在の水準がどの程度であるかを数値で表している。100を超えていれば物価は上昇しており、下回っていれば物価は下落していることを意味する。

また、この指数は経済政策の参考として使われるだけでなく、たとえ物価が変動しても実質的な給付水準を維持するため国民年金や厚生年金などの物価スライド制にも利用されている。

企業物価指数(CGPI)は、物資の需給動向を反映するものとして取引段階での価格変動を特定時点での価格水準を基準として指数化したものである。

企業間で取引される財に関する価格の集約を通じて、財の需給動向を把握し、景気動向ひいては金融政策を判断するための材料を提供することになる。日本銀行が調査して、元々「卸売物価指数」として5年ごとに公表していたが、平成14年12月から、「企業物価指数」として公表を始めたものである。

企業物価指数では、国内企業間で取引される物価(国内企業指数)、輸入品の物価(輸入物価指数)、輸出品の物価(輸出物価指数)の3つで構成されている。

◆消費者物価指数は、消費者が小売店で実際に購入している価格を「小売物価統計調査」によって調査したもので、全国167の市町村を抽出して代表的な小売店を調査店舗に指定し価格の調査を実施している。全国で約28000店、和歌山県では、和歌山市の約250店舗が対象になっている。今回使用している指数は値動きが大きく季節的に変わる生鮮食品を除いた総合指数である。

消費者物価指数

消費者物価指数

消費者物価指数と企業物価指数の推移

消費者物価指数と企業物価指数の推移

◆和歌山市の消費者物価指数(総合指数)の最近の動きは、平成10年の104.5をピークとして下落傾向に転じている。平成20年には、灯油・ガソリンなどのエネルギー価格や穀類・菓子類等が大幅に値上がりして、1.7%上昇した。

平成21年は、灯油・ガソリン等の価格が大幅に値下がりしたことなどで0.6%の下落となり、平成17年以来4年ぶりに総合指数が下落した。全国的にもほぼ同様の動きを見せているが、和歌山市の総合指数が平成17年、18年を除いて全国の総合指数よりも高い。この1年間でも平均で1.75%高くなっている。

企業物価指数の全国の推移は、輸出物価指数と輸入物価指数に大きな変動があるものの国内企業物価指数の動きは比較的緩やかで、消費者物価指数と同様の動きとなっている。特に平成10年以降は、同じように推移しているが、平成20年の原油高騰時には国内企業物価指数平均で約7%が高くなっている。

消費者物価指数と企業物価指数の年度別推移

消費者物価指数と企業物価指数の月別推移

【参考】総務省統計局HP・日本銀行HP・和歌山県HP

(2010.7)
(執筆者の所属、役職等は発表当時のものです)

このページのトップへ