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わかやま移住定住支援センター運営業務の取り組みについて

わかやま移住定住支援センター長  那須 大朗

1.わかやま移住定住支援センターの設立

2022年6月1日、和歌山県の「わかやま移住定住総合戦略」の一つとして、わかやま移住定住支援センター(以下、センター)がリニューアルオープン。これまで、和歌山市内に2拠点、古座川町内に1拠点あった相談窓口を和歌山市内に統合し、わかやま暮らしを希望する方々に、「くらし」「しごと」「すまい」に関する相談をワンストップで支援することを目的としています。

センターの運営は、和歌山県より一般財団法人和歌山社会経済研究所が受託。今回は始まったばかりですが、センターでの業務をご紹介いたします。

(令和4年度、和歌山県新政策からの抜粋)
令和4年度、和歌山県新政策からの抜粋

(和歌山県によるプレスリリース)
和歌山県によるプレスリリース

2.相談業務

まずは、相談業務です。日々、電話やメール、直接来所されるなど、移住に関する様々なご相談を受け付けています。和歌山県の移住ポータルサイト「わかやまLIFE(https://www.wakayamagurashi.jp/)」を見られた方、過去に和歌山県に観光した経験がある方、和歌山で農業や林業への就業を希望される方、Uターンやご親族の縁がある方など、きっかけや検討の度合いは様々ですが、和歌山県への移住に興味を持っていただいた方々から相談をいただいております。

具体的に和歌山県内のどのエリアが良いか決められていない方もたくさんいらっしゃいますが、「どんな生活がしたいのか」というイメージを、相談者と窓口担当者が一緒に考えながら、話を進めていくことが多いです。

窓口では「しごと」に関する相談も多くいただきます。一般的な転職を伴う移住を検討されているケースが中心ですが、和歌山県が進めている農業や林業への就農・就林を希望される方や、田舎での起業(カフェ、ゲストハウス、パン屋さん)を検討される方もあります。また、センターでは和歌山での「くらし」と「しごと」について体験することができる「わかやましごと・暮らし体験」という、地方での短期滞在としごとを通じて地域の方々や先輩移住者との交流を体験できる制度もあります。

センター窓口だけでなく、大阪や東京で開催される「移住フェア」にも出張ブースを構え、相談を受け付けております。

(7月31日、おいでや田舎暮らしフェアでの相談受付)
7月31日、おいでや田舎暮らしフェアでの相談受付

3.現地案内業務

移住に向けて検討を進めていく中で、移住先での実際の「くらし」とはどのようなものか知ることが重要となります。センターでは、相談者の方を、移住を希望・検討されている市町村に案内しています。市町村の移住相談窓口担当者(ワンストップパーソン)と連携し、相談者の希望に応じて案内ルートを作成し、移住先の雰囲気や生活環境について体感していただきます。

現地案内にはお一人でお越しになる相談者の方もいらっしゃいますが、ご家族での移住を検討されている方は、ご家族全員でお越しになることが多いです。生活環境だけでなく、お子様も楽しく安全に暮らせるかどうかも案内するポイントとなります。

今夏は、幼稚園のお子様が小学校に上がるタイミングでの移住を検討されている相談者の現地案内について、希望地の生活圏、小学校、文化施設などを中心にご案内しました。また、別の相談者は小さなお子様がいらっしゃいましたので、海や川など、お子様の遊び場もご案内しました。

(有田川町の小学校周辺を散策)
有田川町の小学校周辺を散策
(古座川町の一枚岩のふもとの河原)
古座川町の一枚岩のふもとの河原

現地案内の行程においては、地域の方々(移住者の受入協議会)や、実際に他府県から移住されている先輩移住者との交流の場も用意しており、地域の良いところ、悪いところなど、実際に住んでいる方々からの生の声を聞くことができる機会となっています。先輩移住者と、相談者の方が同じ出身地だったことから、一気に距離が縮まって盛り上がったこともありました。

また、移住先での「くらし」においては、住まいの確認も必要となります。現地案内の行程には空き家をご覧いただくことも可能です。

(串本町の橋杭岩近くの海水浴場)
串本町の橋杭岩近くの海水浴場
(串本町にて空き家の案内)
串本町にて空き家の案内

4.空き家バンクへの登録・空き家の掘り起こし

和歌山県では、移住・二地域居住希望者等の住まい探し支援や、空き家率全国2位(20.3%)の県内空き家等の利活用を促進するため、空き家バンクへの物件登録、及び空き家の掘り起こしにも取り組んでいます。

センターでは、相談者に対する空き家バンク登録物件の情報提供や、各市町村から申請される空き家バンクへの物件情報の登録や編集業務の他、空き家の所有者等に対してヒアリングを行いながら、空き家の有効活用に向けた取り組みを行っています。

空き家バンク登録物件は、あまり市場に出回らない(一般的な不動産事業者が取り扱わない)物件が多く、居住するには改修が必要な物件もありますが、安価で購入・賃貸できることや、購入後、DIYでリノベーションを希望する移住希望者には人気があります。空き家バンク掲載直後から問い合わせが入るケースもあり、注目度が高くなっています。

(空き家バンクWEBサイト)
空き家バンクWEBサイト

また、空き家の掘り起こしについては、より効果的に空き家を活用することを目的に、まずは所有者に対してハガキ「実家と空き家の問題」を送付し、住まいの状況や、空き家等である場合に今後の意向を確認することから始めています。

2021(令和3)年12月に、海南市と橋本市高野口町で試行的にハガキの配布をスタートし、今年度はより多くの市町村にてハガキを配布し、返信を頂いています。センターでは、返信されたハガキから、相談者に連絡を取り、住まいの状況等を確認します。連絡にあたっては、宅地建物取引士の資格を持つスタッフが行い、専門的知見から適切にアドバイスし、また支援機関と連携し、問題解決できるよう努めております。

物件は空き家(あるいは物置として利用)の状態で、所有権は既に亡くなった親御様のまま、親族の方から「遠方地に住んでいて年に数回、空き家の風通しや草引きのために訪問する程度で、管理するのも面倒、、、」という内容のご相談を度々いただきます。空き家は、そのまま放置すると傷みが進行し、崩落などにより近隣住民の迷惑となる(場合によっては、管理者責任として損害賠償を求められることも)可能性もあることから、早期の対応が必要になります。

ぜひ、お手元にハガキをお持ちの方は、所有する物件についての状況等をお聞かせください。また、ハガキが届いていない、届いていたが破棄してしまったなど、ハガキをお持ちでない場合でも、センターまでお問い合わせいただければと思います。

(空き家掘り起こしハガキ)
空き家掘り起こしハガキ 空き家掘り起こしハガキ

5.最後に

当研究所では、わかやま移住定住支援センター運営業務を通じて、移住相談や空き家相談に関する情報を収集し、データ分析を行い、今後の和歌山県の移住・定住施策の更なる推進に向けて提言していく方針です。

(2022.12)
(執筆者の所属、役職等は発表当時のものです)

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