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景気動向調査 No.107

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(1〜3月期)における県内経済の状況
昨年4〜6月期の大幅下降から持ち直していた景況BSIは横ばいで推移
持ち直しの動きに一服感

県内景況BSIは、昨年4〜6月期に大きく下降していたが、その後、7〜9月期、10〜12月期と2期連続で上昇し、持ち直しの動きを見せていた。1〜3月期は、世界経済の復調の動きが強まり、国内の企業活動、個人消費がともに改善。県内景況BSIについても、さらなる持ち直しが期待されたが、旅館・ホテル業、飲食業などで景況BSIが下降し、全体では横ばいにとどまった。

3.4〜6月期の国内経済情勢
1〜3月期に続いて、世界景気は復調の動きを見せており
国内景気は持ち直しの動きを維持している

4月は北朝鮮ミサイル開発・発射問題により地政学的リスクが高まったが、その後のフランス大統領選挙では、EU統合強化を主張するマクロン氏が当選し、昨年6月の英国に端を発したEU離脱問題については、ひとまず落ち着きを見せた。経済情勢については、米国、欧州、中国の主要3カ国・地域いずれにおいても、回復・持ち直しの動きを見せている。韓国・台湾、アセアン諸国といった機械・機械部品輸出国やブラジル、ロシア、カナダ、オーストラリアなどの資源輸出国についても、景気は概ね持ち直しており、世界景気は1〜3月期に続いて復調している。

国内経済については、日経平均株価が2万円台を回復。6月の日銀短観調査では大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回から5ポイント改善し、3年3カ月ぶりの高水準となった。消費者のマインド改善には一服感も見られるが、株高を背景とした高額品(宝石、時計等)消費の伸び、インバウンド消費の回復などもあり、小売業の景況感は持ち直している。生産活動についても、海外需要の持ち直しもあり、はん用・生産用・業務用機械を中心に増産基調となっている。

国内経済情勢については、人手不足等の懸念材料はあるものの、世界景気の復調を背景に、1〜3月期に続いて持ち直しの動きが見られた。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「4〜6月期の県内事業者の景況感・業績」、「7〜9月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「直近決算期の業績」、「長時間労働の是正」、「同一労働同一賃金」について報告を行う。

■(特集アンケート)「長時間労働の是正」、「同一労働同一賃金」について

政府は、3月に「働き方改革実行計画」を策定し、「同一労働同一賃金」、「長時間労働の是正」等の実現を目指すとしている。今回の特集アンケートでは、中小事業者への影響が特に大きいと考えられるこれら2つのテーマについて質問を行った。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

県内景況BSIは小幅改善
7〜9月期(見通し)は、一部を除き改善の動きがみられる
業況改善の事業者は増加傾向にあり、今後は緩やかな持ち直しが予想される
○県内景況BSIは前回から小幅改善。サービス業では幅広い業種で景況BSIが改善

4〜6月期における県内景況BSIは前回から1.2ポイントの上昇となった。季節的な要因もあり、建設業で景況BSIが下降する一方で、サービス業を筆頭に、製造業、小売業で景況BSIが改善した。卸売業、小売業については、依然として業況に弱さが見られるものの、製造業の景況BSIは堅調に推移している。さらに、サービス業では運輸業、旅館・ホテル業、医療・福祉など幅広い業種で景況BSIが改善した。

その他の点については、仕入価格の上昇懸念が前回からやや強まった。製造業、卸売業で懸念が強くなっている。ただし、原油価格等の国際商品市況には落ち着きも見られており、7〜9月期(見通し)では、やや懸念が弱まる模様。また、人手不足感については、建設業、製造業等で前回から緩和したものの、サービス業で強まった。

○7〜9月期(見通し)の県内景況BSIは卸売業、小売業で下降するが、その他については改善

7〜9月期(見通し)における県内景況BSIはほぼ横ばいで推移する模様。建設業が3.8ポイントの上昇に転じ、製造業とサービス業が今回に続いて改善する見通しとなった。卸売業、小売業は下降する。

国内経済の回復基調が強まる中で、県内でも業況が改善している業種、事業者は増加傾向にある。卸売業、小売業の業況に弱さは残るものの、今後の県内景気は製造業、サービス業をけん引役として緩やかに持ち直すことが予想される。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は2期連続で上昇。消費増税以降の最高値を更新

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業100社、サービス業29社の計129社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは4期ぶりに下降
再び「広義の建設業を除く全産業」を下回った

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のこと。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が135社、「広義の建設業を除く全産業」は587社の計722社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 68社   景況BSIの推移【 前回 3.5 → 今回 ▲11.9 → 見通し ▲8.1 】

季節要因もあり、景況BSIは下降
7〜9月期(見通し)では改善する模様

県内建設業は、景況BSI(4〜6月期)が3期ぶりに下降。電気工事業、土木工事業など多くの業種で下降となった。4〜6月期は公共工事の出来高が落ち込む傾向にあり、加えて、県内の公共工事額は減少傾向にあることから、土木工事業の景況BSIは大きく下降した。経営上の問題点では「競争の激化」とする回答が8割を占めており、少ない工事量に対して、事業者間の受注競争が激しくなっていると考えられる。その一方で、建築工事業、管工事業については、景況BSIは下降したものの、前回に続いて景況感を「良い」とする事業者が「悪い」とする事業者を上回っており、業況は堅調さを維持した。

7〜9月期(見通し)に関しては、土木工事業を除くいずれの業種についても、景況BSIは改善。前述の建築工事業、管工事業に加えて、電気工事業で業況が改善する模様。

その他の点については、景況BSIの下降もあり、人手不足感は緩和した。人手が「不足」しているとする回答は3割弱(前回は4割強)に減少。また、仕入価格の上昇懸念については、製造業、商業で強まる一方、建設業ではそれ程強まっていない。ただし、金属建具工事業では、多くの事業者が仕入価格が「上昇」していると回答した。

≪製造業≫

回答事業者数: 192社  景況BSIの推移【 前回 ▲4.1 → 今回 ▲1.6 → 見通し ▲0.6 】

景況BSIは改善し、堅調さを維持

県内製造業の景況BSIは3期ぶりに改善。繊維製品、食料品で景況BSIが落ち込むも、機械・機械部品が高水準で推移し、木材・木工、化学製品は改善したことから、全体では2.5ポイントの上昇となった。売上高、収益の各BSIについても、「減少」とする回答が減ったことから改善した。ただし、景況感を「良い」とする回答、売上高・収益が「増加」したとする回答は比較的少なく、設備投資実施比率は下降傾向にあるなど、業況改善ペースはやや鈍い。

7〜9月期(見通し)については、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品で景況BSIが改善することから、全体としても1.0ポイントの上昇となる模様。

その他では、仕入価格の上昇懸念が前回からやや強まる(4割弱が「上昇」と回答)。食料品、鉄鋼・金属製品で特に懸念が強くなっている。人手不足感については、前回に比べてやや緩和するも、木材・木工、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品で強まっている。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 26社
景況BSIの推移【 前回 ▲3.4 → 今回 ▲12.0 → 見通し ▲8.7 】
景況BSIは2期連続で下降 7〜9月期(見通し)は改善

景況BSIは2期連続で下降。梅加工品製造事業者を中心に、景況感を「悪い」とする事業者が多く見られた。仕入価格の上昇懸念は強く、6割近い事業者が仕入価格は「上昇」していると回答した。また、経営上の問題点を「原材料価格の高騰」とする回答が4割近くを占めた。
7〜9月期(見通し)については、売上高・収益の各BSIは下降するものの、景況BSIは改善する。
繊維製品 回答事業者数: 32社
景況BSIの推移【 前回 ▲19.4 → 今回 ▲25.3 → 見通し ▲32.1 】
景況BSIは下降 7〜9月期(見通し)も弱含んでおり、業況は悪化傾向

景況BSIは下降。4割強の事業者(ニット生地製造業等)が景況感を「悪い」と回答。売上高・収益BSIともに「減少」との回答が増えている。7〜9月期(見通し)においても、各BSIは弱含む。繊維製品製造業は昨年7〜9月期にかけて、業況に改善傾向が見られていたが、その後は一転、悪化傾向となっている。
木材・木工製品 回答事業者数: 17社
景況BSIの推移【 前回 ▲15.0 → 今回 0.0 → 見通し 0.0 】
景況BSIは2期連続で改善

景況BSIは2期連続で改善し、0.0まで上昇。平成26年4月の消費増税前の水準を回復。住宅向けの製材事業者で景況感を「良い」とする事業者が多く見られた。仕入価格の上昇懸念はそれほど強まっていないが、業況が好調な事業者を中心に、人手不足感が強まっている。
化学製品 回答事業者数: 20社
景況BSIの推移【 前回 ▲15.3 → 今回 20.0 → 見通し 10.5 】
景況BSIは上昇し、再び高水準 7〜9月期(見通し)でも高水準を維持

前回調査(1〜3月期)では、景況BSIは大きく下降していたが、今回(4〜6月期)は大きく上昇。約3割の事業者が景況感を「良い」と回答した。売上高、収益の各BSIも上昇。経営上の問題点として、「売上不振」を挙げる事業者は1割に満たず、「設備の老朽化」、「人材不足」を挙げる事業者が多く見られた。前回調査で、4割強の事業者が「上昇」と回答した仕入価格について、今回調査では「上昇」との回答は2割程度にとどまった。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは下降するものの、その水準は高い。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 23社
景況BSIの推移【 前回 8.7 → 今回 0.0 → 見通し 9.5 】
景況BSIは2期連続で下降 ただし、7〜9月期(見通し)では上昇する模様

景況BSIは2期連続で下降。景況感を「良い」とする事業者が減少したことが要因。ただし、「悪い」とする回答は減少傾向にあり、売上高、収益においても、「減少」とする回答が減っている。さらに、7〜9月期(見通し)の景況BSIは9.5ポイント上昇することから、鉄鋼・金属製品の業況は底堅く推移しているものと考えられる。
このような業況の中で、人手不足感は製造業の中でも強くなっており、4〜6月期に雇用者数を「増加」させた事業者は3割弱と多く見られた。設備投資実施比率は緩やかながら下降傾向を示している。
機械・機械部品 回答事業者数: 37社
景況BSIの推移【 前回 13.9 → 今回 13.5 → 見通し 20.0 】
景況BSIはほぼ横ばいで推移し、高水準を維持 7〜9月期(見通し)も良好

景況BSIは前回からほぼ横ばいで推移。その水準は13.5と高く、約3割の事業者が景況感を「良い」と回答している。7〜9月期(見通し)の景況BSIは20.0まで上昇する模様。
その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念が強まっている。仕入価格が「上昇」しているとの回答は4割弱。ただし、販売価格については「上昇」との回答は皆無である。また、経営上の問題点として「人材不足」を挙げる回答が4割弱を占めており、人手不足感が強い。
その他の製造業 回答事業者数: 37社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 ▲3.0 → 今回 ▲2.8 → 見通し ▲2.9 】
景況BSIはほぼ横ばいで推移 業況には堅調さが見られる

景況BSIは前回からほぼ横ばいで推移。景況感を「良い」とする事業者数と「悪い」とする事業者数がほぼ同数の状況が続いており、業況は堅調。その他の業種と比べて、仕入価格の上昇懸念、人手不足感は強くない。

≪商業≫

回答事業者数: 203社  景況BSI値の推移【 前回 ▲18.5 → 今回 ▲18.6 → 見通し ▲22.6 】

景況BSIは前回からほぼ横ばい
7〜9月期(見通し)は弱含み、これまでの持ち直しの動きに一服感

県内商業の景況BSI(4〜6月期)は前回からほぼ横ばい。小売業において、景況感を「悪い」とする事業者が減り、景況BSIが改善する一方、卸売業では景況BSIは下降した。商業の景況BSIは昨年7〜9月期以降、持ち直し基調にあったが、ここにきて、一服感が見られる。7〜9月期(見通し)についても、景況BSIは卸売業、小売業ともに下降する模様。

その他の点については、仕入価格について卸売業で約3割の事業者が「上昇」と回答。小売業では、飲食料品小売業で約5割の事業者が「上昇」と回答した。また、人手不足感については、他の産業に比べてそれほど強くない。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 103社
景況BSI値の推移【 前回 ▲7.3 → 今回 ▲13.0 → 見通し ▲16.8 】
景況BSIは下降 売上高、収益等の業績状況が悪化

前回調査までは、景況感を「良い」とする事業者が増加傾向にあり、景況BSIも堅調な推移となっていたが、今回調査では、再び、売上高・収益等の業績状況が悪化し、景況BSIも下降した。建築関連卸、機械器具卸などで景況BSIが下降しており、機械器具卸については、7〜9月期(見通し)でも下降する模様。
経営上の問題点として「売上不振」とする回答が再び40%台まで上昇。売上高、収益が「減少」しているとの回答は4割を超えており、業績状況は悪化している。さらに、仕入価格の上昇懸念も前回からやや強まり、3割強の事業者が仕入価格が「上昇」したと回答した。
小売業 回答事業者数: 100社
景況BSI値の推移【 前回 ▲33.0 → 今回 ▲24.2 → 見通し ▲28.4 】
売上高・収益等の業績状況には依然厳しさが見られるが
景況感を「悪い」とする事業者は減少しており、景況BSIは2期連続で改善


景況BSIは2期連続で改善。景況感を「悪い」とする事業者は減少傾向にあり、景況BSIは消費増税後の最高値を更新。機械器具小売、衣料品小売で「悪い」とする回答が減っている。ただし、売上高・収益等の業績については、前の四半期に比べて「減少」とする回答が5割程度あり、依然厳しさも見られる。
7〜9月期(見通し)については、多くの業種で景況BSIが下降する見通しとなっており、やや弱含む。
その他の点については、資金繰りが「悪化」しているとする回答が3割程度を占めている。経営上の問題点については、「売上不振」とする回答が約5割、「競争の激化」とする回答が約3割と多くを占めた。仕入価格の上昇懸念については、飲食料品小売業で強まっているが、その他の業種ではむしろ弱まっている。

≪サービス業≫

回答事業者数: 259社  景況BSI値の推移【 前回 ▲7.3 → 今回 ▲2.4 → 見通し ▲0.4 】

幅広い業種で業況が改善。サービス業全体の景況BSIも4.9ポイント上昇
消費増税後の最高値を更新

これまでは業種によって業況に差が見られた県内サービス業だが、4〜6月期は幅広い業種で業況が改善した。その結果、県内サービス業の景況BSI(4〜6月期)は前回から4.9ポイント上昇し、消費増税後の最高値を更新した。特に、運輸業、旅館・ホテル業、医療・福祉、飲食業は7〜9月期(見通し)においても景況BSIが上昇する模様で、サービス業全体をけん引した。

このような状況の中で、県内サービス業の設備投資実施比率は他産業に比べて高い水準で推移している。特に、運輸業、旅館・ホテル業、教養・娯楽、生活関連サービス業などで実施比率が高い。その一方で、人手不足感が強まっていることは懸念される。特に、飲食業、対事業所サービス業、医療・福祉などで人手不足感が強い。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 33社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 2.5 → 今回 9.1 → 見通し ▲13.3 】
景況BSIは3期連続で改善 平成25年以降の最高値を更新

景況BSIは3期連続で改善し、平成25年以降の最高値を更新した。不動産取引業を中心に、景況感を「良い」とする事業者が2割強を占めた。経営上の問題点として、「競争の激化」とする回答が4割弱で最多となっており、「設備の老朽化」とする回答が2番目に多い。ただし、設備投資実施比率は直近3年間では最も低い水準となっている。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは下降する模様。
運輸業 回答事業者数: 47社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 ▲12.2 → 今回 ▲10.9 → 見通し 2.3 】
景況BSIは小幅改善 7〜9月期(見通し)でも改善する模様

前回大きく下降していた景況BSIは小幅改善。売上高・収益等の業績についても、「減少」とする回答が減り、各BSIは改善した。このような状況の中、経営上の問題点として「人材不足」とする回答が4割を超えており、人手不足が大きな経営課題となっている。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIならびに売上高・収益の各BSIはさらに改善する模様で、景況BSIは3期ぶりにプラス水準(景況感を「良い」とする回答数が「悪い」とする回答数を上回った状況)となる。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 26社
景況BSI値の推移【 前回 ▲41.7 → 今回 ▲12.0 → 見通し 12.0 】
景況BSIは3期ぶりに改善。7〜9月期(見通し)でも改善する模様 ただし、業績状況には厳しさが残る

景況BSIは3期ぶりに改善。7〜9月期(見通し)においても改善する模様。ただし、売上高では6割超、収益では5割超の事業者が(前の四半期に比べて)「減少」と回答しており、業績状況には厳しさが残る。観光庁「宿泊旅行統計調査」によると、和歌山県における外国人宿泊者数は2〜4月にかけて前年を下回っており、これまでの増加基調に変化が見られる。日本人宿泊者数(4月)は前年よりも1割ほど多く、日本人・外国人合計の宿泊者数(4月)は前年比6.6%増だった。
経営上の問題点について、「設備の老朽化」を挙げる事業者が4割弱となる中で、設備投資実施比率は40.0%と他業種に比べて高い割合となっている。
医療・福祉 回答事業者数: 34社
景況BSI値の推移【 前回 ▲3.2 → 今回 2.9 → 見通し 15.2 】
景況BSIは改善。7〜9月期(見通し)でも改善する模様 業績状況についても改善傾向が見られる

景況BSIは再び改善し、プラス水準を回復。7〜9月期(見通し)では、さらに改善する模様。売上高BSI、収益BSIも改善しており、前年同時期と比べて高い水準にある。このような状況の中で、人手不足感は依然として強く、4割超の事業者が「人手不足」と回答した。
土木建築サービス業 回答事業者数: 23社(※設計・測量業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲4.2 → 今回 ▲18.2 → 見通し ▲20.0 】
景況BSIは再び悪化 7〜9月期(見通し)でも下降する

景況BSIは悪化。売上高では5割、収益では4割の事業者が(前の四半期に比べて)「減少」と回答。
経営上の問題点としては、「競争の激化」、「人材不足」がともに3割弱で最多回答となった。7〜9月期(見通し)についても、景況BSIはさらに下降となる模様。
教養・娯楽、生活関連サービス業 回答事業者数: 29社
(※葬祭業、クリーニング業、学習塾、パチンコ業、理美容業等)
景況BSI値の推移 【 前回 0.0 → 今回 0.0 → 見通し ▲6.9 】
景況BSIは前回から横ばい 7〜9月期(見通し)を含めて概ね堅調に推移している

景況BSIは前回から横ばいで推移。景況感を「良い」とする回答と、「悪い」とする回答が拮抗する状況にある。売上高BSI、収益BSIはともに改善。中でも収益BSIはプラス水準を回復。事業者の約3割は収益が(前の四半期に比べて)「増加」と回答している。経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者は2割弱と少ない。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは下降するものの、売上高・収益等の業績状況はそれほど悪化せず、概ね堅調な推移が予想される。
対事業所サービス業 回答事業者数: 53社
(※金融業、建物サービス業、情報通信業、人材派遣業等)
景況BSI値の推移【 前回 3.1 → 今回 5.8 → 見通し 0.0 】
景況BSIはやや改善 景況BSIは3期連続でプラス水準を維持

景況BSIはやや改善し、プラス水準を維持。景況感を「良い」とする事業者が2割強を占める。労働者派遣業、税理士、コンサルタントや情報通信業で景況感を「良い」とする事業者が複数見られる。このように、業況が堅調に推移する中で、人手不足感が再び強まっている。経営上の問題点についても「人材不足」とする回答が最も多い。
7〜9月期(見通し)については、景況BSI、売上高BSIはともに下降する模様で、先行きは弱含む。
飲食業 回答事業者数: 14社
景況BSI値の推移【 前回 ▲50.0 → 今回 ▲7.1 → 見通し 0.0 】
景況BSIが3期ぶりに大幅上昇、7〜9月期(見通し)も改善 業況改善を受けて、人手不足感は強まっている

景況感を「悪い」とする事業者が大きく減少し、景況BSIは3期ぶりに改善。売上高、収益の各BSIについても改善した。業況改善を受けて、人手不足感は強まっており、8割弱の事業者が「人手が不足している」と回答した。
7〜9月期(見通し)についても、景況BSI、売上高・収益の各BSIはいずれも改善する見通しとなっており、人手不足感がさらに強まることが懸念される。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 68社 34.0% 30社 14社 8社 16社
製 造 業 400社 192社 48.0% 82社 60社 30社 20社
商   業 600社 203社 33.8% 83社 38社 34社 48社
サービス業 800社 259社 32.4% 119社 42社 30社 68社
全 産 業 2000社 722社 36.1% 314社 154社 102社 152社

紀北地域の景況BSIが16.3ポイント上昇
和歌山市の景況BSIは見通しを含めて下降
和歌山市 景況BSIは4期ぶりの下降。見通しでも下降となるが、他地域に比べて高水準
4〜6月期の景況BSIは4期ぶりの下降となった。建設業、製造業、卸売業で景況BSIが下降する一方で、小売業、サービス業では上昇した。特に、サービス業は4期連続での上昇となっている。
7〜9月期(見通し)については、卸売業、小売業、サービス業で景況BSIが下降し、全体でも下降する模様。
紀北地域 景況BSIは大幅に上昇し、県内では和歌山市に次いで2番目の高水準に
4〜6月期の景況BSIは全ての産業で上昇し、全体でも16.3ポイントの大幅上昇となった。売上高、収益の各BSIも改善しており、景況感だけでなく、業績も改善している。
7〜9月期(見通し)については、製造業を除く全ての産業で景況BSIは下降し、全体でも下降する模様。
紀中地域 景況BSIは4期ぶりに下降。見通しでは再び改善
4〜6月期の景況BSIは4期ぶりに下降。小売業、サービス業を除く全ての産業で景況BSIが下降した。7〜9月期(見通し)については、建設業、製造業で景況BSIが改善し、全体でも1.6ポイント上昇する模様。
紀南地域 景況BSIは1.4ポイント上昇。見通しについても改善する模様
4〜6月期の景況BSIは1.4ポイント上昇。建設業で景況BSIが大きく下降するも、製造業、卸売業で上昇となった。7〜9月期(見通し)については、サービス業がけん引し、景況BSIは改善。
3.県内事業者の声(アンケート自由回答欄より)
景況感や今後の見通しについて

【旅館・ホテル業】
「外国人、訪日観光客の堅調な推移に支えられ、現在は好調」

【鉄鋼・金属製品製造業】
「順調に売上高は伸びているが、工場の生産力に課題がある」

【飲食料品小売業】
「売上高は増加傾向にあるが、原材料の仕入価格高騰により、収益性が悪化している」

【運輸業】
「県内受注量は減少しているが、同業他社の数も数年前に比べて減少しており、業況は落ち着きつつある」

【衣料品小売業】
「人口減少が続き、個人消費がますます厳しくなっている。インターネット販売の強化が必要と感じる」

【機械器具小売業】
「年々売上高が減少している。その中で、経費は増加しているので、利益が出ない」

競争激化について

【造園工事業】
「受注量の減少により、競争の激化が進行していることが危惧される」

【土木工事業】
「競争激化による価格競争が激しさを増し、従業員教育に力を注げない」

人材について

【機械・機械部品製造業】
「3カ月以上求人をハローワークに出しているが、応募者が集まらない。賃金条件を引き上げようにも、既存社員の給与も合わせて引き上げる必要があるため、十分に引き上げられない」

【繊維製品製造業】
「縫製業界は全国的に人手不足の状況にあるが、当社では、3〜4年前より人材育成に力をいれた結果、見通しはまだ明るい。」

【運輸業】
「一番の問題は評価制度をきちんと持っているかどうか。持っている企業は離職率も低い」

経営課題について

【飲食業】
「今後、人材の確保や、原材料への高騰に対応するために対策が必要」

【その他のサービス業】
「価格競争の脱却と、品質と適正価格、付加価値による利益の確保が重要課題になる」

4.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

日銀短観DIが2ポイント上昇。県内景況BSIは1ポイント上昇
両者の差は20ポイント(1ポイント拡大)
●全産業 〜短観DIが2ポイント上昇する中、県内景況BSIは1ポイント上昇にとどまる〜

4〜6 月期において、日銀短観DI(以下、短観DI)は2 ポイント上昇。上昇は4 期連続。いずれの規模においても短観DI は改善しており、中小企業の短観DI は消費増税以前(平成26 年1〜3 月期)の水準まで回復した。その一方で、県内景況BSI は上昇したものの、上昇幅は1 ポイントにとどまった。前回(1〜3 月期)においても、短観DIが3ポイント上昇する中、県内景況BSI は横ばいとなっており、今回を含めた2期間で短観DI と県内景況BSI との差は大きく拡大した。

7〜9 月期(見通し)については、短観DI は4 ポイント下落する模様(県内景況BSI は1 ポイント上昇)。建設、不動産、宿泊・飲食サービス、運輸・郵便などの業種で先行きに慎重さが見られる。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜短観DIと県内景況BSIとの差は13ポイント(1ポイント拡大)〜

4〜6 月期の短観DI は3 ポイント上昇。上昇は4 期連続。はん用機械、非鉄金属、造船・重機等、食料品などの業種で短観DI が上昇した。県内景況BSI は2 ポイント上昇。前回(1〜3 月期)は県内景況BSIが2 ポイント下降する中、短観DI は4 ポイント上昇しており、今回と合わせて両者の差は拡大している。

業種別では、食料品、鉄鋼・金属製品などで、両者の差が大きい。7〜9 月期(見通し)に関しては、県内景況BSI が1 ポイント上昇する一方で、短観DI は2 ポイント下降する模様。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI と県内景況BSI の差は23 ポイント(2ポイント拡大)〜

4〜6 月期の短観DI は3 期連続での上昇となった。上昇幅は2 ポイント。県内景況BSI は横ばいであったことから、両者の差は23 ポイントに拡大した。業種別では、建設業、運輸業、旅館・ホテル業などで県内景況BSI が短観DI よりも低い水準となっている。

7〜9 月期(見通し)に関しては、県内景況BSI は横ばいで推移する一方、短観DI は5 ポイントの下降となっており、先行きに慎重さが残る。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

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