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景気動向調査 No.108

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(4〜6月期)における県内経済の状況
4〜6月期の県内景況BSIは小幅改善
サービス業、製造業、小売業で景況BSIが上昇

平成29年に入り、持ち直しの動きに一服感が見られた県内景気だが、4〜6月期の県内景況BSIは1〜3月期に比べて1.2ポイントと小幅ながら上昇した。季節的な要因もあり、建設業で景況BSIが下降する一方で、サービス業を筆頭に、製造業、小売業で景況BSIが改善した。卸売業、小売業については、依然として業況に弱さが見られるものの、製造業の景況BSIは堅調に推移している。さらに、サービス業では運輸業、旅館・ホテル業、医療・福祉など幅広い業種で景況BSIが改善した。

心配された仕入価格の上昇についても、製造業、卸売業で懸念がやや強まったが、原油価格の高騰、急激な円安進行が重なった平成25年に比べると落ち着きが見られる。

3.7〜9月期の国内外経済情勢
世界景気の回復を背景に、国内製造業(大企業)の景況感は10年ぶりの高水準
国内景気は緩やかな回復基調が続いている

7〜9月期の国内外の経済情勢を見ると、北朝鮮によるミサイル発射、水爆実験の実施に加えて、米国に2度にわたり巨大ハリケーンが上陸するなど、世界経済にとって懸念される事象が見られた。ただし、経済への悪影響はさほどなく、4〜6月期に引き続き、世界景気は回復が続いた。

日本国内については、8月の長雨(東日本中心)が個人消費の一部に悪影響をもたらしたものの、世界景気の回復を背景とした輸出増、生産活動の好調さなどから9月の日銀短観調査では、製造業(大企業)の業況判断指数(DI)が10年ぶりの高水準となった。人手不足等を背景にサービス価格(運送費等)が上昇し、企業にとって収益圧迫要因となっている点は懸念されるが、9月下旬には円安株高が進み、個人消費にも上向く兆しが見られるなど、国内景気は緩やかな回復基調が続いている。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「7〜9月期の県内事業者の景況感・業績」、「10〜12月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「平成29年度における県内事業者の賃上げ・設備投資」、「リスクマネジメント」について報告を行う。

■(特集アンケート)

「平成29年度における県内事業者の賃上げ・設備投資」、「リスクマネジメント」について
今回の特集アンケートでは、県内景気に大きな影響を与える県内事業者の賃上げ、設備投資について質問すると同時に、自然災害、風評被害等のリスクに対するマネジメントについて質問を行った。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

県内景況BSIは2.4ポイント上昇
建設業、製造業の景況BSIがともにプラス水準まで上昇
業績改善の動きは乏しいが、見通しを含めて景況BSIは緩やかに持ち直している
○県内景況BSIは前回から2.4ポイント上昇。商業を除く全ての産業で上昇した

7〜9月期における県内景況BSIは前回から2.4ポイントの上昇となった。建設業、製造業の景況BSIがともにプラス水準まで上昇した。製造業は食料品、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品等の多くの業種で景況BSIが上昇し、平成13年に現在と同形式での調査を開始して以降では初めてプラス水準となった。さらに、サービス業では前回に続いて運輸業、旅館・ホテル業、土木建築サービス業など幅広い業種で景況BSIが上昇し、消費増税(平成26年4月)以降の最高値を更新した。商業の景況BSIが低迷している点や、売上高・収益の各BSIの改善の動きが乏しい点、一部の業種(建設業、飲食業、運輸業等)で人手不足感が強まっている点には注意が必要だが、県全体の景況感は緩やかに持ち直している。

○10〜12月期(見通し)の県内景況BSIはさらに改善する模様

10〜12月期(見通し)における県内景況BSIはさらに2.6ポイント上昇する模様。売上高BSI、収益BSIについても上昇する見通し。建設業、小売業で景況BSIが下降する一方で、製造業、卸売業、サービス業では上昇する。製造業は繊維製品、鉄鋼・金属製品において、卸売業は化学製品卸売業、サービス業は運輸業、事業所サービス業において景況BSIが上昇する。小売業など個人消費に関連する分野では依然として弱さが見られるものの、県内景気は見通しにおいても緩やかに持ち直す模様。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は3期ぶりに下降

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の事業者数は小売業95社、サービス業27社の計122社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは再び上昇
「広義の建設業を除く全産業」は前回からほぼ横ばい

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のことで、「非建設業」とは、この広義の建設業以外を意味する。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が147社、「広義の建設業を除く全産業」は621社の計768社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 73社   景況BSIの推移【 前回 ▲11.9 → 今回 11.4 → 見通し 2.9 】

景況BSIは23.3ポイントの大幅上昇
昨年半ば以降、景況BSIは持ち直している

県内建設業は、景況BSI(7〜9月期)は前回から23.3ポイントの大幅上昇となり、11.4となった。景況BSIが10.0を上回るのは2年半ぶり。電気工事業、建築工事業、その他の建設業が全体の景況BSIをけん引している。その一方で、県内公共工事額の減少もあり、一般土木建築業、土木工事業の景況BSIは比較的低い水準にあり、売上高・収益についても「減少」との回答が目立つ。

その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念は一部の事業者(建築工事業、管工事業)を除いて、それほど強くはない。人手不足感を示す雇用現状BSI(値が低いほど人手不足感が強い)は、直近5年間の最低値を更新した。「人手不足」を経営上の問題点として挙げる事業者も増加している。

10〜12月期(見通し)については、電気工事業、その他の建設業では引き続き景況BSIが改善するが、土木工事業は下落する模様。結果として、建設業全体での景況BSIは8.5ポイントの下落となる見通し。

≪製造業≫

回答事業者数: 188社  景況BSIの推移【 前回 ▲1.6 → 今回 3.9 → 見通し 6.4 】

景況BSIは初めて(※)プラス水準まで上昇
持ち直しの動きが鮮明に

県内製造業は、景況BSI(7〜9月期)が5.5ポイント上昇し、プラス水準(3.9)となった。平成13年に現在と同形式での調査を開始して以降では、初めてのプラス水準。食料品製造業、鉄鋼・金属製品製造業、機械・機械部品製造業で景況BSIが改善。経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者が2年3か月ぶりに3割を下回った。仕入価格の上昇懸念は食料品製造業、鉄鋼・金属製品製造業で強いが、全体では幾分緩和された。人手不足感については、2期連続で「不足」とする回答が減少している。ただし、鉄鋼・金属製品製造業、機械・機械部品製造業では人手不足感が強い。

10〜12月期(見通し)については、景況BSIはさらに上昇。鉄鋼・金属製品製造業、繊維製品製造業で景況BSIが上昇する。

(※)平成13年に現在と同形式での調査を開始して以降初めてのプラス水準。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 25社
景況BSIの推移【 前回 ▲12.0 → 今回 8.0 → 見通し 5.0 】
景況BSIは上昇し、再び改善の動き
ただし、梅加工品製造業では景況感を「悪い」とする事業者多い


前回まで2期連続で下降していた景況BSIだが、今回は20.0ポイントの大幅上昇となり、平成26年4月の消費増税後の最高値を更新した。果物加工等の事業者で景況感を「良い」とする回答が多く見られた。ただし、梅加工品製造事業者については、依然として景況感を「悪い」とする事業者が多く、仕入価格の上昇懸念も強い。昨年に続いて、梅が不作となり梅干しの原料となる青梅価格が高騰している。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは3.0ポイント下降するが、プラス水準は維持する模様。
繊維製品 回答事業者数: 32社
景況BSIの推移【 前回 ▲25.8 → 今回 ▲10.0 → 見通し ▲6.5 】
景況BSIは上昇するも、業績改善の動きは乏しい

景況BSIは1年ぶりに上昇。前回に比べて、景況感を「悪い」とする事業者が減少した。
ただし、売上高・収益を見ると半数前後が「減少」と回答していることに加えて、経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者が半数近くを占めるており、景況BSIが上昇している割には、業績改善の動きは乏しいと言える。
木材・木工製品 回答事業者数: 18社
景況BSIの推移【 前回 0.0 → 今回 ▲11.8 → 見通し 5.9 】
景況BSIは3期ぶりに下降するも見通しでは改善し、プラス水準まで上昇する

景況BSIは3期ぶりに下降。売上高については約半数、収益については約7割の事業者が「減少」と回答。ただし、10〜12月期(見通し)については、景況BSIはプラス水準まで上昇。
化学製品 回答事業者数: 16社
景況BSIの推移【 前回 20.0 → 今回 ▲7.1 → 見通し ▲7.1 】
景況BSIは再び下降 一進一退の状況が続いている

前回大きく上昇した景況BSIだが、今回は再び下降となった。売上高、収益に関するBSIも下降。経営上の問題点として「売上不振」とする回答が前回から増加した。仕入価格については、3割弱の事業者が「上昇」していると回答しているが、平成25〜26年頃(「上昇」の回答割合が最高時は9割強)に比べると、回答割合は低い。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは横ばいで推移する模様。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 24社
景況BSIの推移【 前回 0.0 → 今回 20.8 → 見通し 27.3 】
景況BSIは大幅上昇 見通しも良好で、好調な事業者が目立つ

景況BSIは3期ぶりに上昇。景況感を「良い」とする事業者が約3割を占め、売上高・収益についても4割前後の事業者が「増加」と回答しており、業績改善も進んでいる。好調な事業者は、産業機械向けの塗装・部品加工や建築金物製造に多く見られる。また、これらの事業者には、設備投資を予定する事業者も多い。
その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念は強く、半数近くの事業者が「上昇」と回答している。ただし、「上昇」と回答した事業者の収益については、「減少」との回答は少なく、売上高の増加等により収益を確保しているものと考えられる。
10〜12月期(見通し)についても、景況BSIはさらに上昇する模様。
機械・機械部品 回答事業者数: 37社
景況BSIの推移【 前回 13.5 → 今回 18.9 → 見通し 16.7 】
景況BSIは上昇し、高水準で推移 売上高、収益等の業績も改善している

景況BSIは前回から5.4ポイント上昇し、高い水準で推移している。さらに、売上高、収益について「増加」とする回答割合が「減少」との回答割合を上回っており、業績についても改善傾向が強まっている。このような状況の中で、所定外労働時間が増加したり、雇用者数を増やしたりする事業者も複数見られ、経営上の問題点として「人材不足」を挙げる事業者は4割弱と多い。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは2.2ポイント下落するが、高い水準は維持する模様。
その他の製造業 回答事業者数: 36社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 ▲2.8 → 今回 ▲3.0 → 見通し 0.0 】
景況BSIはほぼ横ばい 業況は底堅い

景況BSIは前回からほぼ横ばいでの推移となっている。10〜12月期(見通し)においては、景況BSIは3.0ポイント上昇する模様。その他の業種に比べて、仕入価格の上昇懸念、人手不足感は強くないが、経営上の問題点として「設備の老朽化」を挙げる事業者が2割程度見られる。

≪商業≫

回答事業者数: 238社  景況BSI値の推移【 前回 ▲18.6 → 今回 ▲22.5 → 見通し ▲17.2 】

景況BSIは卸売業、小売業ともに下降
約半数の事業者が売上高、収益が「減少」していると回答

県内商業の景況BSI(7〜9月期)は前回から3.9ポイント下降。卸売業、小売業の景況BSIがともに下降した。売上高、収益についても、約半数の事業者が「減少」と回答しており、業績状況に厳しさが見られる。10〜12月期(見通し)については、歳末を迎え、卸売業で景況BSIが上昇するが、小売業の景況BSIはさらに下降する模様。

その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念が4期連続で強まっている。特に飲食料品小売業、燃料小売業で仕入価格が「上昇」しているとの回答が多い。また、人手不足感については、建築材料卸売業、自動車小売業、燃料小売業等で「不足」とする回答が増加している。

(※)県内の百貨店、スーパーの動向については、「IV 国内の動きと県内の概況」を参照されたい。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 143社
景況BSI値の推移【 前回 ▲13.0 → 今回 ▲18.0 → 見通し ▲7.6 】
景況BSIは3期連続で下降

昨年10〜12月期に大きく上昇した卸売業の景況BSIだが、建築関連卸売業や機械器具卸売業での下降が響き、3期連続の下降となった。地域別では、紀南地域において景況感を「悪い」とする事業者が多くなっている。また、売上高・収益についても、「減少」との回答が約半数を占めており、経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者が多い。
その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念は前回に比べてやや緩和。人手不足感についても、その他の産業に比べて「不足」とする回答割合は低い(建築材料卸売業では「不足」とする回答が増加傾向にある)。
10〜12月期(見通し)については、歳末を迎え、建築関連卸売業、化学製品卸売業などで景況BSIが上昇する模様で、卸売業全体でも10.4ポイントの上昇となる見通し。
小売業 回答事業者数: 95社
景況BSI値の推移【 前回 ▲24.2 → 今回 ▲29.3 → 見通し ▲31.1 】
景況BSIは3期ぶりに下降。持ち直しの動きに一服感
今後の見通しについてはやや弱含む


2期連続で改善していた小売業の景況BSIだが、燃料小売業、衣料品小売業などで景況感を「悪い」とする事業者が増加し、5.1ポイントの下降となった。売上高、収益についても約半数が「減少」と回答しており、業績状況にも厳しさが見られる。10〜12月期(見通し)においても、景況BSIはさらに下降する模様。
その他の点に関しては、仕入価格について、「上昇」とする回答が飲食料品小売業、燃料小売業でやや多く見られる。また、人手不足感については、自動車小売業、燃料小売業、飲食料品小売業で「不足」とする回答が増加している。

≪サービス業≫

回答事業者数: 269社   景況BSIの推移【 前回 ▲2.4 → 今回 ▲0.7 → 見通し 2.3 】

景況BSIは2期連続で上昇し、再び消費増税後の最高値を更新
見通しではさらに上昇する模様

不動産業、飲食業において景況BSIは下降したが、運輸業、旅館・ホテル業、土木建築サービス業では景況BSIが上昇し、サービス業全体では2期連続での上昇となり、前回に続いて消費増税(平成26年4月)以降の最高値を更新した。売上高BSI、収益BSIについても改善傾向が見られており、景況感、業績ともに持ち直している。

このような状況の中で、県内サービス業の人手不足感は3期連続で強まっている。特に飲食業では8割弱、運輸業では5割弱の事業者が「人手不足」と回答しており、大きな経営課題となっている。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 37社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 9.1 → 今回 ▲5.4 → 見通し ▲5.7 】
景況BSIは4期ぶりに下降 ただし、その水準は前年同期に比べると高い

前回まで3期連続で上昇していた景況BSIだが、今回は景況感を「悪い」とする事業者が増加し、景況BSIは下降した。ただし、前年同期と比べてその水準は高い。また、10〜12月期(見通し)については、景況BSIはほぼ横ばいでの推移となる模様。
経営上の問題点としては「売上不振」(25.8%)、「設備の老朽化」(19.4%)、「人材不足」(16.1%)とする回答が多い。
運輸業 回答事業者数: 49社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 ▲10.9 → 今回 ▲4.1 → 見通し 2.2 】
景況BSIは2期連続で改善。見通しも良好
その中で、約半数の事業者が「人手不足」と回答


景況BSIは2期連続で改善し、売上高・収益についても「減少」とする回答が減り、各BSIは上昇した。10〜12月期(見通し)においても、景況BSIはさらに上昇する。このような状況の中で、人手不足感は強まっており、約半数の事業者が「不足」と回答した。
「不足」と回答した事業者は、景況感を「悪い」とする事業者に多く見られた。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 22社
景況BSI値の推移【 前回 ▲12.0 → 今回 0.0 → 見通し ▲25.0 】
繁忙期を迎え、景況BSIは改善したが
前年同期に比べて、その水準は低く、見通しにも弱さが見られる


繁忙期を迎えて、景況BSIは2期連続で上昇。景況BSIがマイナス水準を脱するのは4期ぶりで、景況感を「良い」とする事業者が2割程度まで増加した。ただし、昨年7〜9月期の景況BSIに比べると、その水準は低く、10〜12月期(見通し)では、半数の事業者が景況感を「悪い」と回答するなど、業況には弱さも見られる。
その他の点に関しては、人手不足感が弱まっており、「人手不足」と回答した事業者は2割程度にとどまる。また、経営上の問題点としては「設備の老朽化」を挙げる事業者が約3割を占め、設備投資実施比率は38.1%と他業種に比べて高い割合となっている。
医療・福祉 回答事業者数: 46社
景況BSI値の推移【 前回 2.9 → 今回 2.2 → 見通し 13.6 】
景況BSIは前回からほぼ横ばい 見通しを含めて改善傾向が見られる

景況BSIは前回からほぼ横ばいの2.2。プラス水準での堅調な推移となっている。10〜12月期(見通し)には、さらに景況BSIが上昇する模様で、業況には改善傾向が見られる。売上高・収益についても「減少」と回答する事業者が減っている。
このような状況の中で、約4割の事業者が「人手不足」と回答している。
土木建築サービス業 回答事業者数: 19社(※設計・測量業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲18.2 → 今回 10.5 → 見通し 15.8 】
景況BSIはプラス水準まで上昇 見通しではさらに上昇する模様

景況感を「良い」とする事業者が増え、景況BSIは大きく上昇し、プラス水準となった。
さらに、10〜12月期(見通し)の景況BSIは5.3ポイント上昇する模様。これまで土木建築サービス業の景況BSIは一進一退の状況にあったが、持ち直しの兆しが見られるようになった。ただし、売上高、収益については「減少」とする回答が約半数を占めており、業績状況には弱さが見られる。
教養・娯楽、生活関連サービス業 回答事業者数: 27社
(※葬祭業、クリーニング業、学習塾、パチンコ業、理美容業等)
景況BSI値の推移 【 前回 0.0 → 今回 0.0 → 見通し ▲11.1 】
景況BSIは前回から横ばい 堅調さを維持

景況BSIは前回から横ばいで推移。景況感を「良い」とする回答と、「悪い」とする回答が拮抗する状況にある。売上高BSI、収益BSIはともに下降したが、10〜12月期(見通し)では再び上昇する。資金繰りが「悪化」したとする事業者が約2割まで増加している点には注意が必要だが、業況は堅調さを維持している。
対事業所サービス業 回答事業者数: 55社
(※金融業、建物サービス業、情報通信業、人材派遣業等)
景況BSI値の推移【 前回 5.8 → 今回 5.6 → 見通し 13.2 】
景況BSIはほぼ横ばい 4期連続でプラス水準を維持

景況感を「悪い」とする事業者が減少傾向にあり、10〜12月期(見通し)の景況BSIは13.2まで上昇する模様。建物サービス業、情報通信業、廃棄物処理業で景況感を「良い」とする事業者が多く見られる。
売上高BSI、収益BSIについても、その他の業種に比べて高い水準にある。このような状況の中で、雇用者数を「増加」したとする事業者は2割程度まで増加し、その一方で、人手不足感はやや弱まった。
飲食業 回答事業者数: 14社
景況BSI値の推移【 前回 ▲7.1 → 今回 ▲28.6 → 見通し ▲7.1 】
景況BSIは再び下降し、一進一退の状況 その中で、約8割の事業者が「人手不足」と回答

景況BSIは再び下降。「悪い」とする事業者が4割弱まで増加。売上高では約5割、収益で約6割の事業者が「減少」と回答するなど非常に厳しい状況。ただし、10〜12月期(見通し)での景況BSIは反転上昇する模様で、飲食業の景況感は一進一退の状況。
このような状況の中で、人手不足感については前回と同様強くなっており、約8割の事業者が「人手不足」と回答した。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 73社 36.5% 27社 16社 13社 17社
製 造 業 400社 188社 47.0% 75社 65社 29社 19社
商   業 600社 238社 39.7% 96社 48社 49社 45社
サービス業 800社 269社 33.6% 133社 47社 30社 59社
全 産 業 2000社 768社 38.4% 331社 176社 121社 140社

和歌山市の景況BSIは改善し、再びプラス水準に
紀北地域を除く全ての地域で、景況BSIが見通しを含めて改善した
和歌山市 景況BSIは再び改善し、プラス水準を回復。他地域に比べて高い水準にある
7〜9月期の景況BSIは再び改善し、プラス水準を回復。その水準は他地域と比べて高い。小売業を除く全ての産業で景況BSIが改善した。
10〜12月期(見通し)については、建設業、製造業、卸売業で景況BSIがさらに改善し、全体でも改善する模様。
紀北地域 景況BSIは前回から横ばい。県内では和歌山市に次いで2番目の水準
7〜9月期の景況BSIは前回から横ばい。卸売業、小売業で景況BSIが低迷する一方、製造業、サービス業では景況BSIが改善傾向にある。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは下降する模様。
紀中地域 景況BSIは2.8ポイント上昇。見通しでも改善する模様
7〜9月期の景況BSIは2.8ポイント上昇。建設業、製造業で景況BSIが改善した。
10〜12月期(見通し)については、製造業、サービス業で景況BSIが改善し、全体でも2.2ポイント上昇。
紀南地域 景況BSIは2.9ポイント上昇。ただし、他地域に比べてその水準は低い
7〜9月期の景況BSIは建設業、小売業で景況BSIが改善し、全体では2.9ポイントの上昇となった。ただし、他地域に比べて、製造業、卸売業の景況BSIは低い水準にある。
10〜12月期(見通し)については、製造業、卸売業、サービス業で景況BSIが改善し、全体では2.6ポイントの上昇となる模様。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

5期連続上昇の短観DIに対して、県内景況BSIも上昇傾向続く
両者の差は20ポイントのままで変わらず
●全産業 〜短観DI、県内景況BSIがともに3ポイントの上昇。両者の差は20ポイントのまま〜

7〜9月期において、日銀短観DI(以下、短観DI)は3ポイント上昇。上昇は5期連続。従業員規模、産業に関わらず上昇傾向が見られた。特に、製造業は、業種を問わず、短観DIが上昇しており、直近1年間で14ポイントの上昇となった(非製造業は7ポイントの上昇)。一方の、県内景況BSIも7〜9月期は3ポイント上昇している。建設業、製造業、サービス業で景況BSIが改善しており、商業の景況BSI下降を補った。短観DIと県内景況BSIの上昇幅は3ポイントで等しく、両者の差は前回同様20ポイントとなっている。

10〜12 月期(見通し)については、短観DIが4ポイント下降する中、県内景況BSIは2ポイントの上昇を予想する。短観DIはほぼ全ての業種で下降する一方で、県内景況BSIは建設業を除く全ての産業で上昇する見通し。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜短観DI、県内景況BSIともに改善の動きが続く(両者の差は2ポイント縮小)〜

7〜9 月期の短観DI は4ポイント上昇。上昇は6期連続。食料品、木材・木工、繊維製品などの業種では持ち直しの動きは弱いものの、鉄鋼等の素材製造業種、機械等の加工製造業種など多くの業種で短観DIは上昇傾向にある。外需、内需ともに持ち直しており、このことが短観DIの上昇につながっている。県内景況BSIについては、短観DIを上回る6ポイントの上昇となった。食料品、繊維製品、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品など多くの業種で景況BSIが上昇している。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI と県内景況BSIともに上昇(両者の差は1ポイント縮小)〜

7〜9月期の短観DIは1ポイント上昇し、14ポイント。上昇は4期連続。この間の上昇幅は、製造業に比べると小さく、平成26年10〜12月期以来、11期(2年9か月)ぶりに製造業のDIを下回った。業種別では、建設業で持ち直しの動きが見られ、運輸業、卸売業、サービス業でもDIは上昇している。その一方で、小売業は改善の動きが弱く、宿泊・飲食サービスはDIが下落した。県内景況BSIについては、建設業、運輸業が上昇する一方で、小売業、飲食業は下降。全体では2ポイントの上昇で、短観DIとの差は1ポイント縮小。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

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