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景気動向調査 No.110

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(平成29年10〜12月期)における県内経済の状況
昨年10〜12月期の県内景況BSIは3期連続で上昇し、プラス水準に
売上高・収益に関するBSIも改善の動きが続いた

世界景気、国内景気が回復する中、県内景況BSIは全ての産業で景況BSIが上昇し、全体では平成26年1〜3月期以来、約4年ぶりにプラス水準を回復した。また、売上高・収益に関するBSIについても上昇し、消費増税(平成26年4月)以降の最高値を更新した。依然として、約4割の事業者が売上高・収益が「減少」していると回答している点や、仕入価格の上昇懸念が強まっている点、人手不足感が強まっている点には注意が必要だが、県内景気は総じて持ち直している。

3.平成30年1〜3月期の国内外経済情勢
国内景気の回復の動きにやや足踏み感が見られる
輸出、生産活動は活発だが、消費者心理は低下

平成30年1〜3月期における経済情勢については、世界景気の回復、企業業績の改善を背景に、日経平均株価が26年ぶりに2万4千円台を回復するなど、昨年に続いて、国内景気に持ち直しの動きが見られた。ただし、その後は米国の長期金利の急上昇や米国・中国間の貿易摩擦の激化、大雪や大寒波の影響による野菜価格の高騰などもあり、景気回復の動きにやや足踏み感が見られる。中国等のアジア向け輸出は持ち直しており、製造業の生産活動は高い水準を維持、訪日外国人消費の活況もあり百貨店販売額は増加傾向にあるが、原油価格の上昇を背景に、消費者物価が上昇しており、消費者心理を示す「消費者態度指数」(内閣府調べ)は低下している。回復が続く世界景気についても、米国の金融政策、通商政策の動向次第では、状況が大きく変化する可能性もあり、注意が必要な状況にある。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「平成30年1〜3月期の県内事業者の景況感・業績」、「平成30年4〜6月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「防災対策の実施状況」、「BCPの策定状況」について報告を行う。

■(特集アンケート)
「防災対策の実施状況」、「BCPの策定状況」について
今年1月、政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震の30年以内発生確率が「70〜80%」に高まったと発表した。これまで以上に、和歌山県内における防災対策の重要性が高まっている。熊本地震直後の平成28年6月に、当研究所では、防災対策の実施状況、BCPの策定状況について調査を行った。今回は、その時と比べて、県内事業者の防災・事業継続に関する取り組み姿勢が、どのように変化したかについて、分析を行う。加えて、実施している防災対策の内容やBCP策定後の訓練実施状況についても調査し、県内事業者の取り組み内容についても分析を行う。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

県内景況BSIは建設業を除く全ての産業で下降。全体でも1年ぶりに下降
4〜6月期の見通しについては、ほぼ横ばいで推移する
○県内景況BSIは1年ぶりに下降。建設業を除く全ての産業で景況BSIが下降

1〜3月期における県内景況BSIは前回から2.9ポイントの下降となった。景況BSIが下降するのは1年ぶり。今回の景況BSIの主な下降要因は、3期連続で景況BSIが上昇していた製造業、サービス業におけるBSIの下降である。
また、建設業、サービス業を中心に人手不足感が依然として強く、製造業を中心に仕入価格の上昇懸念が高まっている点には注意が必要。

○4〜6月期(見通し)の県内景況BSIはほぼ横ばいで推移

4〜6月期(見通し)における県内景況BSIはほぼ横ばいで推移する見通し。公共工事等が減少する建設業で景況BSIが大きく下降する一方で、製造業、サービス業は上昇する。製造業、サービス業については、売上高・収益等の業績も改善する見通しであり、引き続き持ち直しの動きが見込まれる。商業については、卸売業で景況BSIが下降する見通しとなっており、弱さが見られるものの、小売業については、ほぼ横ばいで推移する見通し。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は1.8ポイント上昇

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業80社、サービス業23社の計103社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは3期連続で上昇
季節的な要因もあり、4〜6月期(見通し)には下降する

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のことで、「非建設業」とは、この広義の建設業以外を意味する。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が150社、「広義の建設業を除く全産業」は547社の計697社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 94社   景況BSIの推移【 前回 12.2 → 今回 14.0 → 見通し 2.3 】

景況BSIは3期連続で上昇し、高水準で推移

県内建設業は、景況BSI(1〜3月期)は3期連続で上昇し、高い水準で推移している。土木工事業において、景況感を「悪い」とする事業者がやや多く見られるが、建築工事業、電気工事業、管工事業などで景況感を「良い」とする事業者が多い。

売上高・収益に関するBSIも上昇しており、景況感だけではなく、業績状況も改善している。

地域別に見ると、和歌山市において景況感を「良い」とする事業者が多い一方で、紀北地域、紀南地域において、景況感を「悪い」とする事業者が比較的多く見られる。

その他の点に関しては、強まっていた仕入価格の上昇懸念がやや弱まったが、人手不足感は依然として強く、4割強の事業者が人手不足と回答している。

4〜6月期(見通し)については、公共工事等が減少することもあり、景況BSIは大きく下降する模様。

≪製造業≫

回答事業者数: 146社  景況BSIの推移【 前回 6.9 → 今回 2.8 → 見通し 7.4 】

景況BSIは1年ぶりに下降するもプラス水準を維持
原材料価格の高騰、人手不足が経営上の問題点として大きくなっている

県内製造業は、景況BSI(1〜3月期)が4.1ポイント下降。景況BSIの下降は1年ぶりだが、プラス水準は維持した。業種別では、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品は好調な推移を見せる一方で、食料品で景況BSIが大きく下降した。地域別では、和歌山市のみ景況BSIが上昇した。

その他の点に関しては、約半数の事業者が仕入価格が「上昇」していると回答しており、収益状況の悪化が懸念される。また、人手不足感が徐々に強まっており、特に機械・機械部品において人手不足の事業者が多い。

4〜6月期(見通し)については、景況BSIは上昇する見通しとなっている。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 23社
景況BSIの推移【 前回 ▲12.0 → 今回 ▲26.1 → 見通し ▲13.0 】
景況BSIは梅加工品製造業を中心に下降
仕入価格の上昇懸念が強い


一部で景況感を「良い」とする事業者は見られるが、梅加工品製造業を中心に景況感を「悪い」とする回答が多く、景況BSIは前回に続いて下降した。売上高・収益ともに半数近くの事業者が「減少」と回答している。さらに、仕入価格が「上昇」している事業者が約7割に及ぶ一方で、販売価格を「上昇」させた事業者は1割程度と少なく、収益環境は悪化している。
繊維製品 回答事業者数: 23社
景況BSIの推移【 前回 ▲20.0 → 今回 9.1 → 見通し 18.2 】
景況感を「悪い」とする事業者が減り、景況BSIは大きく上昇
ただし、依然として4割の事業者が「売上不振」を経営上の問題点としている


景況感を「悪い」とする事業者が減少し、景況BSIは大きく上昇した。売上高・収益についても「減少」とする事業者が減り、BSIは上昇。ただし、経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者は4割と依然として多い。
木材・木工製品 回答事業者数: 11社
景況BSIの推移【 前回 4.8 → 今回 ▲9.1 → 見通し 0.0 】
景況BSIは下降
仕入価格の上昇懸念が強く、収益圧迫要因に


前回に比べて景況感を「良い」とする事業者が減少したため、景況BSIは下降した。また、半数近い事業者が仕入価格は「上昇」していると回答しており、収益についても4割強の事業者が「減少」と回答している。資金繰りが「悪化」しているとの回答も4割弱あり、経営上の問題点としては「売上不振」、「原材料価格の高騰」との回答が目立った。
化学製品 回答事業者数: 16社
景況BSIの推移【 前回 11.1 → 今回 0.0 → 見通し 13.3 】
景況BSIは再び下降
仕入価格が「上昇」しているとの回答がやや増加


景況BSIは再び下降。景況感を「良い」とする事業者と「悪い」とする事業者は同数。売上高BSI、収益BSIともに下降した。ただし、4〜6月期(見通し)では、売上高、収益ともに「減少」とする回答は減り、景況感を「悪い」とする回答も減少する模様。
仕入価格について、「上昇」とする回答が徐々に増えており、4〜6月期(見通し)には半数を超える模様。また、3割強の事業者が人手が「不足」していると回答している。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 14社
景況BSIの推移【 前回 40.0 → 今回 38.5 → 見通し 15.4 】
景況BSIは38.5と極めて高い水準で推移している

前回に続いて、景況感を「悪い」とする事業者が見られず、「良い」とする事業者が約4割を占めた。景況BSIは極めて高い水準で推移している。仕入価格が「上昇」しているとする事業者が約8割を占める一方で、販売価格が「上昇」している事業者はほとんど見られず、収益状況に厳しさは見られるが、景況感が悪化するほどではない。また、景況感の良い事業者を中心に、設備投資を「実施した」との回答が多く見られた。
4〜6月期(見通し)の景況BSIはプラス水準を維持する。
機械・機械部品 回答事業者数: 27社
景況BSIの推移【 前回 23.3 → 今回 24.0 → 見通し 27.3 】
景況BSIは3期連続で上昇し、平成24年以降の最高値を再び更新
仕入価格の上昇懸念は強まっているが、業況は好調


景況BSIは3期連続で上昇し、平成24年以降の最高値を再び更新した。4〜6月期(見通し)における景況BSIはさらに上昇する模様で、業況は好調。また、景況感を「良い」とする事業者を中心に、雇用者数を増やしたり、所定外労働時間を増やしている事業者が目立つ。
他業種と同様に、仕入価格が「上昇」しているとする事業者は増えているが、深刻化している事業者は少ない(経営上の問題点として「原材料価格の高騰」を挙げる事業者はいない。)
その他の製造業 回答事業者数: 32社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 5.7 → 今回 ▲6.3 → 見通し ▲3.3 】
景況BSIは下降。その水準は低くはないが
「売上不振」を経営上の問題点とする事業者が多く、業況に弱さが見られる


景況BSIは前回から下降するも、景況感を「良い」とする事業者と「悪い」とする事業者がほぼ同数の状況となっている。ただし、売上高・収益等の業績状況については、「減少」とする事業者が約4割程度と比較的多く、経営上の問題点として「売上不振」を選ぶ事業者が4割強を占める。加えて、プラスチック製品製造業、印刷業、窯業・土石品製造業で仕入価格が「上昇」しているとする事業者が目立つ。

≪商業≫

回答事業者数: 212社   景況BSIの推移【 前回 ▲12.8 → 今回 ▲13.4 → 見通し ▲16.1 】

景況BSIは0.6ポイント下降
仕入価格の「上昇」もあり、卸売業で景況BSIが2.2ポイント下降した

県内商業の景況BSI(1〜3月期)は前回から0.6ポイント下降。小売業の景況BSIは2期連続で上昇するも、卸売業の景況BSIが2.2ポイントの下降となった。卸売業を中心に、仕入価格が「上昇」していると回答する事業者が増加している。特に、飲食料品卸売業では6割強の事業者が仕入価格が「上昇」しており、収益圧迫要因となっている。

4〜6月期(見通し)については、季節的な要因もあり、建築関連卸売業で景況BSIが大きく下降する模様で、商業全体でも2.7ポイントの下降となる。

その他の点に関しては、人手不足感が飲食料品卸売業、機械器具卸売業で強まっている。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。
また、県内の百貨店、スーパーの販売動向については、「4.国内の動きと県内の概況」を参照されたい。

卸売業 回答事業者数: 132社
景況BSI値の推移【 前回 ▲6.3 → 今回 ▲8.5 → 見通し ▲12.4 】
景況BSIは2.2ポイント下降し、一進一退の状況

景況BSIは前回から2.2ポイントの下降となった。建築関連卸売業で景況BSIが上昇する一方で、飲食料品卸売業は3期連続で景況BSIが下降した。飲食料品卸売業では、6割強の事業者が仕入価格が「上昇」していると回答しており、収益圧迫要因となっている。
4〜6月期(見通し)については、建築関連卸売業の景況BSIが大きく下降する模様で、卸売業全体でも、さらに下降する見通しとなっている。地域別では、和歌山市、紀中地域における景況BSIは堅調に推移しているが、和歌山県全体では、一進一退の状況が続いている。
小売業 回答事業者数: 80社
景況BSI値の推移【 前回 ▲22.1 → 今回 ▲21.3 → 見通し ▲21.8 】
景況BSIは2期連続で上昇し、改善の動きが続く

景況BSIは2期連続で上昇し改善基調を維持した。4〜6月期(見通し)では下降するが、その下降幅は0.5ポイントとほぼ横ばいで推移する模様。売上高、収益については、前回に引き続き「減少」との回答が減っており、業績状況にも改善が見られた。
業種別では、景況感に差が見られ、生活・文化用品小売業(特に宝石、家具小売業)、飲食料品小売業、衣料品小売業で景況感を「悪い」とする事業者が多い。
その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念がやや強まっており、4割弱の事業者が仕入価格が「上昇」していると回答している。人手不足感については、前回に比べて幾分弱まった。経営上の問題点としては「売上不振」とする回答が4割強で最も多くなる一方で、「ニーズの変化」とする回答が衣料品小売業などで増加した。

≪サービス業≫

回答事業者数: 245社   景況BSIの推移【 前回 2.2 → 今回 ▲1.7 → 見通し 3.9 】

景況BSIは1年ぶりに下降するも
4〜6月期(見通し)には再び上昇する

前回調査で約4年ぶりのプラス水準まで上昇した景況BSIだが、今回調査では1年ぶりに下降し、▲1.7となった。不動産業、運輸業、土木建築サービス業など、前回調査で景況BSIが大きく上昇した業種において、その下降が目立った。

ただし、4〜6月期(見通し)では、土木建築サービス業を除く全ての業種で景況BSIは上昇する見通しとなっており、景況BSIの改善基調は続く。

このような状況の中で、人手不足感は依然として強く、医療・福祉、飲食業では5割強、運輸業、旅館・ホテル業では3割強の事業者が人手が「不足」していると回答している。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 36社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 8.3 → 今回 ▲2.8 → 見通し 0.0 】
景況BSIは下降するも、4〜6月期(見通し)では上昇
景況BSIは底堅く推移している


景況BSIは下降。景況感を「悪い」とする事業者がやや増加した。4〜6月期(見通し)では、景況感は2.8ポイント上昇する模様。経営上の問題点として「設備の老朽化」を挙げる事業者が25.0%と多くなっている。
運輸業 回答事業者数: 41社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 10.6 → 今回 2.5 → 見通し 18.4 】
景況BSIは1年ぶりの下降となったがプラス水準を維持。見通しは良好

景況BSIは1年ぶりに下降したが、プラス水準は維持した。売上高・収益について「減少」したとする回答が前回に比べて増加している。ただし、4〜6月期(見通し)では、売上高・収益が「増加」すると予想する事業者も多く、景況BSIは大きく上昇する模様。
前回に比べて、人手不足感はやや緩和したものの、依然として3割強の事業者が人手が「不足」していると回答している。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 21社
景況BSI値の推移【 前回 8.0 → 今回 5.0 → 見通し 5.3 】
景況BSIは1年ぶりの下降となったがプラス水準を維持

景況BSIは1年ぶりに下降したが、5.0とプラス水準を維持。前年同期の景況BSIは▲41.7に比べると、高い水準にある。4〜6月期(見通し)については、景況BSIはほぼ横ばいで推移する模様。大型連休もあり、売上高の「増加」を見込む事業者が3割強となっている。
その他の点に関しては、人手不足感はやや緩和したものの、依然として3割強の事業者が人手が「不足」していると回答している。
医療・福祉 回答事業者数: 35社
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 ▲5.7 → 見通し 5.7 】
景況BSIは下降するも、見通しでは上昇
6割弱の事業者が「人手不足」と回答


景況BSIは前回から5.7ポイントの下降となった。ただし、4〜6月期(見通し)には、景況BSIは再びプラス水準を回復する模様。
このような状況の中で、人手不足感が深刻化しており、6割弱の事業者が人手が「不足」していると回答した。また、そのような事業者を中心に雇用者数が「減少」したとする回答が増加した。
土木建築サービス業 回答事業者数: 18社(※設計・測量業等)
景況BSI値の推移【 前回 21.1 → 今回 11.1 → 見通し ▲6.3 】
景況BSIは3期ぶりに下降
プラス水準は維持したが、見通しは弱含む


景況BSIは3期ぶりに下降するも、プラス水準は維持した。ただし、公共工事等が減少する4〜6月期の見通しでは、景況BSIはさらに下降する模様。
人手不足感はやや緩和したものの、経営上の問題点として半数近い事業者が「人材不足」を挙げている。
教養・娯楽、生活関連サービス業 回答事業者数: 23社
(※葬祭業、クリーニング業、学習塾、パチンコ業、理美容業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲29.2 → 今回 ▲13.0 → 見通し ▲4.8 】
景況BSIは大きく上昇

景況BSIは大きく上昇。景況感を「悪い」とする事業者が減少した。売上高・収益についても、「減少」とする回答が減った。その一方で、人手が不足しているとする事業者が3割強まで増加し、経営上の問題点として「人件費」を挙げる事業者が22.2%を占めた。
対事業所サービス業 回答事業者数: 59社
(※金融業、建物サービス業、情報通信業、人材派遣業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲3.3 → 今回 ▲3.4 → 見通し 0.0 】
景況BSIはほぼ横ばい
業況は堅調


景況BSIは前回からほぼ横ばいで推移した。売上高・収益が「増加」したとする回答が前回に比べて減少したものの、4〜6月期(見通し)の景況感は上昇する模様で、業況は堅調。設備投資の実施比率も31.5%と比較的高い割合となっている。
飲食業 回答事業者数: 12社
景況BSI値の推移【 前回 8.3 → 今回 0.0 → 見通し 9.1 】
景況BSIは前回から下降
半数以上の事業者が「人手不足」と回答


景況BSIは前回からは下降した。業績が悪化している事業者も複数見られ、業種内で明暗が分かれる。ただし、4〜6月期(見通し)には再び上昇する模様で、景況感の改善基調は維持している。
このような状況の中で、人手不足感は依然として強く、半数以上の事業者が人手が「不足」していると回答した。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 94社 47.0% 37社 15社 16社 26社
製 造 業 400社 146社 36.5% 53社 48社 25社 20社
商   業 600社 212社 35.3% 87社 38社 40社 47社
サービス業 800社 245社 30.6% 118社 41社 28社 58社
全 産 業 2000社 697社 34.9% 295社 142社 109社 151社

和歌山市を除く全ての地域で景況BSIが下降
和歌山市では小売業を除く全ての産業で、景況BSIがプラス水準
和歌山市 景況BSIは3期連続で上昇し、他地域に比べて高い水準にある
1〜3月期の景況BSIは3期連続で上昇。他地域で景況BSIが下降する中、和歌山市のみ上昇となった。和歌山市では、小売業を除く全ての産業で景況BSIがプラス水準となっている。良好な情勢の中で、他地域に比べて人手不足感が強く、34.2%の事業者は人手が「不足」していると回答した。
4〜6月期(見通し)では、建設業、製造業で景況BSIが下降し、全体でも1.9ポイント下降する。
紀北地域 景況BSIは大きく下降したが、見通しではやや回復する
1〜3月期の景況BSIは全ての産業で下降し、全体では12.5ポイント下降した。サービス業で特に大きな下降幅となった。
ただし、4〜6月期(見通し)では、そのサービス業の景況BSIは大きく上昇し、全体でも3.2とプラス水準を回復する模様。
紀中地域 前回大幅に上昇した景況BSIだが、今回は5.7ポイント下降
前回大幅に上昇した景況BSIだが、1〜3月期は5.7ポイントの下降となった。製造業、サービス業での景況BSI下降が響いた。
4〜6月期(見通し)には商業で景況BSIが下降し、全体でも2.9ポイントの下降となる模様。
紀南地域 3期連続で上昇していた景況BSIだが、今回は5.5ポイント下降
3期連続で上昇していた景況BSIだか、1〜3月期は5.5ポイントの下降となった。製造業の景況BSIが低迷している。
4〜6月期(見通し)の景況BSIは、ほぼ横ばいで推移する模様。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

7期連続上昇の短観DIに対して、県内景況BSIは1年ぶりに下降した
両者の差は19ポイントに拡大
●全産業 〜県内景況BSIは3ポイント下降。短観DIとの差は19ポイントに拡大〜

平成30 年1〜3 月期において、全体の短観DI(以下、短観DI)は1 ポイント上昇。上昇は 7 期連続。県内景況BSI は1年ぶりに下降し、短観DI との差は19 ポイントに拡大した。

平成30 年4〜6 月期(見通し)については、短観DI が5 ポイントの下降となる模様。県 内景況BSI は横ばいで推移する見通し。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

※短観DIについては、経済実態をできるだけ正確に把握するため、母集団の情報更新に合わせて、調査対象企業の定例見直しを実施している。平成30年1〜3月期調査では、「平成26年経済センサス-基礎調査」にもとづく最新の母集団を対象に、調査対象企業の見直しを実施した。これに合わせて、平成29年10〜12月期における短観DIについても、新たな調査対象企業に基づく値に修正している。
●製造業 〜短観DI、県内景況BSIともに下降(両者の差は3ポイント拡大)〜

平成30年1〜3月期の全体の短観DIは1ポイント下降。下降は7期ぶり。県内景況BSIも1年ぶりの下降となった。この結果、全体の短観DIと県内景況BSIの差は15ポイントに拡大した。業種別に中小企業の短観DIと県内景況BSIの差を見ると、繊維製品、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品については大きな差は見られないが、食料品、化学製品については、県内景況BSIが短観DIを大きく下回っている。

平成30年4〜6月期(見通し)については、短観DIは3ポイント下降するが、県内景況BSIは4ポイント上昇し、平成29年10〜12月期の水準まで回復する模様。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI は横ばいだが、県内景況BSIは2ポイント下降(両者の差は2ポイント拡大)〜

平成30年1〜3月期の全体の短観DIは横ばいで推移するも、県内景況BSIは2ポイント下降した。両者の差は18ポイントに拡大した。業種別に中小企業の短観DIと県内景況BSIの差を見ると、卸売業、小売業において県内景況BSIが短観DIを大きく下回っている。

平成30年4〜6月期(見通し)については、短観DIが4ポイント、県内景況BSIが1ポイント下降する模様。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

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