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景気動向調査 No.111

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(平成30年1〜3月期)における県内経済の状況
1〜3月期の県内景況BSIは1年ぶりに下降
持ち直しの動きに一服感が見られる

3期連続で県内景況BSIは上昇していたが、建設業を除く全ての産業で景況BSIが下降し、全体でも1年ぶりの下降となった。ただし、4〜6月期の見通しでは、再び景況BSIは上昇する模様であり、今回の景況BSIの下降については、「持ち直しの動きに一服感が見られる」状態と判断した。その他の点に関しては、建設業、サービス業を中心に人手不足感が依然として強く、製造業を中心に仕入価格の上昇懸念が強まる結果となった。

3.平成30年4〜6月期の国内外経済情勢
国内経済は足下では「緩やかに回復」しているが
世界経済情勢が不安定化しており、今後の見通しには注意が必要

平成30年4〜6月期における国内経済情勢について、内閣府はこれまで通り「緩やかに回復している」(「月例経済報告(平成30年6月)」)と判断している。ただし、6月には大阪北部地震、7月には西日本豪雨が発生し、ガス・水道等のライフライン、物流網が途絶したため、企業活動に大きな影響が及んだ。世界経済情勢については、米国と中国、欧州等との貿易摩擦が激化しており、世界銀行は平成31年以降の世界経済は減速するとの見通しを示している。金融市場においては、米国に続いて、欧州においても金融緩和の見直しを進める動きが見られており、トルコ、アルゼンチンなどの新興国では投資資金が流出し、通貨安・輸入物価上昇といった悪影響が見られる。英国、イタリア、ドイツでの政局不安やイラン核合意からの米国の離脱など、世界経済を取り巻く情勢は不安定化しており、今後の見通しへの不透明感は強まっている。

以上のような情勢を受けて、日本銀行が7月に発表した企業短期経済観測調査では、大企業・製造業の景況感が2期連続で悪化した。足下の国内経済は製造業の生産活動、設備投資を中心に好調な状況が続いているが、先行きには注意が必要な状況にある。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「平成30年4〜6月期の県内事業者の景況感・業績」、「平成30年7〜9月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「直近決算期の業績」、「業務効率の改善、省力化」について報告を行う。

■(特集アンケート)
「直近決算期の業績」、「業務効率の改善、省力化」について

今回の特集アンケートでは、2つのテーマで調査を実施した。「直近決算期の業績」では、県内景気が持ち直す中で、県内事業者の営業利益の増減状況・増減理由について分析を行った。
「業務効率の改善、省力化」では、人手不足感が強まる中で、県内事業者がどの程度、業務効率の改善、省力化を目的とした投資を実施しているかを分析している。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

県内景況BSIは7.5ポイント上昇し、約4年ぶりの高水準
売上高・収益のBSIも改善している
○県内景況BSIは7.5ポイント上昇し、約4年ぶりの高水準

4〜6月期における県内景況BSIは7.5ポイント上昇し、再びプラス水準となった。その水準は、消費増税前の駆け込み需要が見られた平成26年1〜3月期の6.3ポイントとほぼ同水準となっている。製造業、商業、サービス業で景況BSIが上昇した。売上高、収益の各BSIも上昇しており、業績状況も改善している。このような状況の中で、仕入価格の上昇懸念は前回からやや弱まったが、人手不足感は強まっており、経営上の問題点として、初めて「人材不足」が最多回答となった。

○7〜9月期(見通し)の県内景況BSIは卸売業、サービス業での下降が響き、3.4ポイント下降

7〜9月期(見通し)における県内景況BSIは、卸売業、サービス業での下降が響き、3.4ポイント下降する模様。ただし、プラス水準は維持する。製造業、小売業については引き続き景況BSIが上昇する見通しとなる一方で、旅館・ホテル業、飲食業、生活関連サービス、教養・娯楽サービスを中心にサービス業で景況BSIが下降する。

世界経済の先行き不透明感が高まる中、国内企業の景況感見通しが弱含んでいる。県内景気についても、今後の動向には注意が必要である。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は11.7ポイントの大幅上昇。小売業、サービス業ともに上昇

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業社、サービス業社の計社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは1年ぶりに下降
プラス水準は維持

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のことで、「非建設業」とは、この広義の建設業以外を意味する。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が119社、「非建設業」は437社の計556社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 60社   景況BSIの推移【 前回 14.0 → 今回 11.7 → 見通し 10.7 】

景況BSIは1年ぶりに下降するも、高い水準は維持
人手不足感がさらに強まっている

県内建設業は、景況BSI(4〜6月期)が1年ぶりに下降。1〜3月期に比べて2.3ポイントの下降となった。例年4〜6月期は、公共工事額が少ないこともあり、景況BSIは下降する傾向にある。ただし、本年については、4〜6月期の公共工事受注額が前年同期比11.6%増となっている(湯浅御坊道路4車線化事業に関連する大型工事が複数見られた)こともあり、景況BSIの下降幅は例年に比べて小さく、BSIの水準もプラス水準を維持した。地域別に見ても、和歌山市、紀北・紀中・紀南地域ともにプラス水準となっている。

7〜9月期(見通し)については、景況BSIは1.0ポイント下降するものの、高い水準での推移が続く模様。和歌山市の景況BSIが10ポイント程度下降する一方で、紀南地域では15ポイント程度上昇する見通しとなっている。

その他の点に関しては、人手不足感が極めて強くなっている。電気工事業、給排水工事業で人手不足感の強い事業者が多い。また、鋼材価格の上昇等もあり、鉄鋼工事業、金属製建具工事業等で仕入価格の上昇懸念が強まっている。

≪製造業≫

回答事業者数: 171社  景況BSIの推移【 前回 2.8 → 今回 12.7 → 見通し 14.6 】

景況BSIは最高値を更新
7〜9月期の見通しも良好

県内製造業は、景況BSI(4〜6月期)が9.9ポイント上昇し、12.7となった。この値は、平成13年に現在と同形式での調査を開始して以降の最高値となっている。景況感を「悪い」とする事業者が減少傾向にある一方で、「良い」とする事業者は3割近くを占めるまで増加。売上高、収益の各BSIも消費増税(平成26年4月)後の最高値を更新した。業種別では、機械・機械部品、繊維製品、食料品、化学製品において好調な事業者が多く見られる。

7〜9月期(見通し)についても、景況BSIはさらに上昇する模様で、売上高・収益の各BSIも上昇見通しとなっている。

仕入価格の上昇懸念は依然として強いものの、県内製造業の生産活動は活発な状況にあり、業況の良い事業者を中心に、雇用者数を増やす動きも目立ってきている。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 21社
景況BSIの推移【 前回 ▲26.1 → 今回 19.0 → 見通し 20.0 】
見通しを含めて、売上高・収益が「増加」すると回答した事業者が増えた

景況感を「悪い」とする事業者が減ったこともあり、景況BSI(4〜6月期)は大きく上昇した。売上高・収益についても「増加」とする回答が増えており、BSIは改善している。7〜9月期(見通し)についても、この状況は続く模様。ただし、仕入価格の上昇懸念が依然として強いことには注意が必要。今回も6割強の事業者が仕入価格は「上昇」していると回答した。
繊維製品 回答事業者数: 23社
景況BSIの推移【 前回 ▲20.0 → 今回 9.1 → 見通し 18.2 】
景況BSIが2期連続で上昇
売上高・収益の各BSIとともに、消費増税後の最高値を更新


景況BSI(4〜6月期)は2期連続で上昇し、消費増税(平成26年4月)以降の最高値を更新した。景況感を「悪い」とする事業者が減り、「良い」とする事業者が増えた。売上高・収益についても「増加」とする事業者がニット生地製造業を中心に増えている。7〜9月期(見通し)については、売上高・収益の各BSIが下降する見通しとなっているが、景況BSIはプラス水準を維持する。
このような状況の中で、懸念材料は仕入価格が「上昇」していると回答する事業者が6割強を占めている点であり、収益圧迫要因となっている。
木材・木工製品 回答事業者数: 13社
景況BSIの推移【 前回 ▲9.1 → 今回 ▲38.5 → 見通し ▲30.8 】
非常に厳しい業況の中で仕入価格が「上昇」しているとする事業者が増えた

景況感を「悪い」とする事業者が半数近くを占めた。売上高・収益等の業績状況についても、「減少」とする回答が目立つ。非常に厳しい業況の中で、仕入価格が「上昇」しているとする事業者が増加しており、業績への影響が懸念される。資金繰りが「悪化」していとの回答も約4割を占めており、経営上の問題点としては、半数以上が「売上不振」を挙げた。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは上昇するが、極めて低い水準となる模様。
化学製品 回答事業者数: 19社
景況BSIの推移【 前回 0.0 → 今回 16.7 → 見通し 11.8 】
景況BSIは上下動を繰り返しつつも、おおむねプラス水準を維持

景況BSI(4〜6月期)は上昇し、再びプラス水準。平成29年以降、景況BSIは上下動を繰り返しつつも、おおむねプラス水準を維持している。仕入価格が「上昇」しているとする回答は3割強を占めるが、平成26年前後の8割という比率に比べれば低い水準にある。
このような業況の中で、化学製品製造業では、以前より「設備の老朽化」を経営上の問題点とする事業者が多かったが、ここにきて、設備投資に踏み切る事業者が増加している(設備投資実施比率は50.0%)。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは下降するものの、高い水準は維持する。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 29社
景況BSIの推移【 前回 38.5 → 今回 7.4 → 見通し 15.4 】
1〜3月期までの好調さに比べると、業況は悪化した

景況BSI(4〜6月期)は大きく下降した。建設用金属製品製造業等で景況感を「悪い」とする事業者が増加した。売上高・収益の各BSIも下降しており、業況は1〜3月期までの好調さに比べると悪化している。ただし、7〜9月期(見通し)では、景況BSIは再び上昇する模様。
このような業況の中で、仕入価格の上昇懸念が依然として強い。鉄鋼・金属製品製造業では、販売価格に転嫁している事業者が少ないことから、仕入価格の上昇は、大きな収益圧迫要因となっている。
機械・機械部品 回答事業者数: 32社
景況BSIの推移【 前回 24.0 → 今回 29.0 → 見通し 41.4 】
業況は見通しを含めて極めて好調
7〜9月期(見通し)では、過半数が景況感を「良い」と回答


景況BSI(4〜6月期)は4期連続で上昇し、4割強の事業者が景況感を「良い」と回答している。業績状況も良く、売上高・収益の各BSIも上昇した。好調な事業者を中心に、雇用者数を「増加」させる事業者も多くなっており、業況は極めて好調。7〜9月期(見通し)には、景況BSIはさらに上昇する模様で、過半数の事業者が景況感を「良い」と回答している。
その他の製造業 回答事業者数: 34社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 ▲6.3 → 今回 12.1 → 見通し 12.5 】
景況BSIは上昇し、プラス水準を回復
4割弱の事業者が売上高が「増加」したと回答


1〜3月期までは業況に弱さが見られていたが、4〜6月期の景況BSIは上昇し、プラス水準を回復した。売上高では4割弱の事業者が「増加」と回答しており、収益を含めて業績状況は大きく改善した。プラスチック製品製造業、印刷業などで好調な事業者が複数見られている。
7〜9月期(見通し)では、景況感を「悪い」とする事業者はさらに減少する見通しとなっており、景況BSIはほぼ横ばいで推移する。

≪商業≫

回答事業者数: 140社   景況BSIの推移【 前回 ▲13.4 → 今回 ▲5.8 → 見通し ▲9.1 】

景況BSIは7.6ポイント上昇
ただし、売上げ・収益等の業績については改善の動きが乏しい

県内商業の景況BSI(4〜6月期)は前回から7.6ポイント上昇し、消費増税後の最高値を更新した。卸売業、小売業いずれにおいても、景況感を「悪い」とする事業者が減少した。ただし、売上高、収益の各BSIは下降しており、業績改善の動きはあまり見られなかった。

その他の点に関しては、仕入価格の上昇懸念はやや弱まったものの、飲食料品卸売業、飲食料品小売業では約半数の事業者が、仕入価格が「上昇」したと回答した。また、景況感の改善、人手不足感の強まりなどを背景に、例年以上に雇用者数を「増加」させた事業者が多く見られた。

7〜9月期(見通し)については、卸売業で景況BSIが下降し、商業全体でも下降に転じる模様。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 80社
景況BSI値の推移【 前回 ▲8.5 → 今回 1.3 → 見通し ▲5.3 】
景況BSIは9.8ポイント上昇したが、売上高・収益では「減少」との回答が多く
7〜9月期(見通し)の景況BSIは再び下降する


景況BSIは前回から9.8ポイント上昇した。その一方で、売上高については4割弱、収益については5割弱の事業者が「減少」と回答しており、業績状況は依然として低迷している。また、仕入価格の上昇懸念は飲食料品卸売業、その他の卸売業(特に鉄鋼、化学製品卸等)で強く、収益圧迫要因となっている。また、7〜9月期(見通し)における景況BSIは6.6ポイントの下降となる模様であり、売上高・収益の各BSIはさらに下降する見通しとなっている(特に建築材料卸売業で見通しに弱さが見られる)。
以上のように、県内卸売業は、景況BSIの水準は低くはないものの、売上高・収益等の業績面において改善の動きが見られず、一進一退の状況が続いている。
小売業 回答事業者数: 60社
景況BSI値の推移【 前回 ▲21.3 → 今回 ▲15.3 → 見通し ▲14.3 】
景況BSIは3期連続で上昇し、再び消費増税後の最高値を更新
ただし、売上高・収益については改善の動きが見られなかった


景況BSIは前回から6.0ポイント上昇。上昇は3期連続となり、再び消費増税後の最高値を更新。従業員4人以下の小規模事業者においても景況BSIの上昇が見られた。ただし、前回とは異なり、4〜6月期は景況BSIが上昇する一方で、売上高・収益の各BSIは下降に転じた。売上高では約半数、収益では約6割の事業者が「減少」と回答しており、業績面では改善の動きは見られなかった。
7〜9月期(見通し)については、売上高・収益の各BSIが上昇し、景況BSIも1.0ポイント上昇する模様。

≪サービス業≫

回答事業者数: 185社   景況BSIの推移【 前回 ▲1.7 → 今回 4.9 → 見通し ▲3.9 】

7〜9月期(見通し)は弱含むが
景況BSI(4〜6月期)は4.9まで上昇し、直近5年間での最高値を更新

県内サービス業の景況BSI(4〜6月期)は4.9まで上昇し、消費増税前の駆け込み需要期(平成26年1〜3月期)の2.4を上回った。売上高・収益の各BSIについても上昇が見られており、サービス業の業況は持ち直している。業種別では、不動産業旅館・ホテル業、飲食業では景況BSIが低迷しているものの、医療・福祉、生活関連サービス、教養・娯楽サービス、その他のサービス業において景況BSIは上昇した。

7〜9月期(見通し)については、運輸業、医療・福祉を除く全ての業種で景況BSIが下降する模様で、見通しにはやや弱さも見られる。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 32社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 ▲5.2 → 今回 ▲12.9 → 見通し ▲16.1 】
景況BSIは2期連続で下降
紀北・紀中地域で売上高・収益が「減少」したとする回答が目立つ


景況BSIは2期連続で下降。景況感を「良い」とする事業者が減少した。不動産取引・代理を行う事業者を中心に、売上高・収益が「減少」したとする回答が多く見られた(特に紀北・紀中地域)。7〜9月期(見通し)についても、景況BSIはさらに下降する模様。
運輸業 回答事業者数: 24社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 2.5 → 今回 0.0 → 見通し 9.5 】
景況BSIは2期連続で下降
7〜9月期(見通し)は上昇に転じる模様


景況BSIは2期連続で下降し、0.0となった。売上高BSIも下降しており、景況BSIが10.0まで上昇した昨年10〜12月期に比べると、業況はやや悪化した。原油価格の上昇を受けて、燃料単価が上がっており、また、人手不足感も依然として強いことなどが、業況悪化の要因と考えられる。ただし、7〜9月期(見通し)には、景況BSIは9.5ポイント上昇する見通しとなっており、底堅さも見られる。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 11社
景況BSI値の推移【 前回 5.0 → 今回 0.0 → 見通し ▲36.4 】
サンプル数が少ない点には留意が必要だが景況BSIは7〜9月期(見通し)で大きく下降

景況BSIは2期連続で下降。和歌山県内のゴールデンウィーク中の観光客入込状況は、日帰り客、宿泊客ともに過去6年間の最高値(1日当り)を更新したこともあり、売上高・収益が「増加」したとする回答が比較的多く見られたものの、「減少」したと回答する事業者も多く、事業者によって業況に差が見られる。
サンプル数が11社と少ないことには留意が必要だが、7〜9月期(見通し)において、業績状況が改善する事業者は少なく、景況BSIは▲36.4まで下降する。紀南地域のビジネスホテル、民宿などで景況感を「悪い」とする事業者が目立った。
飲食業 回答事業者数: 8社
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 ▲25.0 → 見通し ▲37.5 】
サンプル数が少ない点には留意が必要だが景況BSIは2期連続で下降した

サンプル数が8社と少ない点には留意が必要だが、景況BSIは2期連続で下降した。売上高・収益において「減少」との回答が約半数を占めている。7〜9月期(見通し)においても、業況は低迷する見通しとなっており、景況BSIは▲37.52まで下降する。このような状況の中で、人手不足感は強く、経営上の大きな課題となっている。
医療・福祉 回答事業者数: 14社
景況BSI値の推移【 前回 ▲5.8 → 今回 7.1 → 見通し 7.1 】
景況BSIは上昇し
3期ぶりにプラス水準を回復


景況BSIは上昇し、3期ぶりにプラス水準を回復。7〜9月期(見通し)は、景況BSIは横ばいで推移する模様。依然として人手不足感は強く、約半数の事業者が人手が「不足」していると回答している。また、経営上の問題点として「人件費」を挙げる事業者が3割程見られた。
生活関連サービス業 回答事業者数: 14社
(※葬祭業、クリーニング業、理美容業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲30.8 → 今回 ▲7.2 → 見通し ▲21.4 】
景況BSIは大きく上昇したが7〜9月期(見通し)では再び下降する

景況BSIは大きく上昇した。売上高、収益についても「減少」との回答が減り、各BSIは上昇した。ただし、7〜9月期(見通し)では、景況BSIは下降し、低い水準となる模様。
教養・娯楽サービス業 回答事業者数: 11社
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 18.2 → 見通し 0.0 】
景況BSIは上昇
7〜9月期(見通し)では再び下降する


景況感を「悪い」とする事業者が減り、景況BSIは上昇。スポーツ関連事業者で景況感を「良い」とする回答が複数見られる。7〜9月期(見通し)では、景況BSIは再び下降する。
このような状況の中で、人手不足感がやや強まっている。
その他のサービス業 回答事業者数: 71社
(※建物サービス、情報通信業、人材派遣業、建設サービス等)
景況BSI値の推移【 前回 2.7 → 今回 18.9 → 見通し 7.2 】
景況BSIは消費増税後の最高値を更新
好調な事業者を中心に雇用者数を増やす動きが見られる


景況BSIは大きく上昇し、消費増税後の最高値を更新。土木建築サービス業、情報通信業、廃棄物処理業などで景況感を「良い」とする事業者が複数見られ、全体では3割弱の事業者が景況感を「良い」と回答した。売上高、収益の各BSIも上昇し、業況は改善している。このような状況の中で、好調な事業者を中心に雇用者数を増やす動きが活発になっている。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは下降するものの、プラス水準を維持する模様。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 60社 30.0% 19社 10社 15社 16社
製 造 業 400社 171社 42.8% 70社 60社 26社 15社
商   業 600社 140社 23.3% 54社 28社 27社 31社
サービス業 800社 185社 23.1% 98社 32社 18社 37社
全 産 業 2000社 556社 27.8% 241社 130社 86社 99社

全ての地域で景況BSIが上昇
和歌山市 景況BSIは4期連続で上昇。雇用者数を増やす事業者が増加
4〜6月期の景況BSIは4期連続で上昇。建設業、製造業で景況BSIが下降するも、小売業で景況BSIが大きく上昇した。売上高・収益の各BSIも上昇しており、雇用者数を増やす事業者が2割程度見られる。
7〜9月期(見通し)では、建設業、サービス業での景況BSI下降もあり、全体では4.4ポイント下降する模様。
紀北地域 景況BSIは大きく上昇し、消費増税後の最高値を更新
4〜6月期の景況BSIは小売業を除く全ての産業で上昇し、全体では15.9ポイントの上昇となった。製造業、サービス業において景況BSIが大きく上昇した。
7〜9月期(見通し)の景況BSIは下降となるも、プラス水準を維持する。
紀中地域 景況BSIはプラス水準まで上昇。見通しでも上昇する
4〜6月期の景況BSIは上昇し、プラス水準となった。卸売業、製造業において景況BSIが上昇した。
7〜9月期の見通しについても、景況BSIはさらに上昇する模様。
紀南地域 景況BSIは上昇し、消費増税後の最高値を更新
4〜6月期の景況BSIは製造業で大きく下降となったが、その他の産業では上昇し、全体では6.1ポイントの上昇となった。他地域に比べると、景況BSIの水準は低いが、紀南地域としては、消費増税後の最高値を更新。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIはやや下降する。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

短観DIが2年ぶりに下降
県内景況BSIは持ち直し基調にあり、両者の差は8ポイント縮小
●全産業 〜県内景況BSIは持ち直し基調。1ポイント下降した短観DIとの差は8ポイント縮小〜

平成30年4〜6月期において、全体の短観DI(以下、短観DI)は1 ポイント下降。下降は2年ぶり。業種別では、非製造業は横ばいながら、製造業が2 期連続で下降した。従業員規模別では、中堅・中小企業は横ばいで推移する一方、大企業が2 期連続で下降している。

前回調査では3 ポイントの下降となった県内景況BSI だが、今回は7 ポイントの上昇となった。

製造業、商業、サービス業で景況BSI が上昇し、いずれも高い水準となっている。

平成30年7〜9 月期(見通し)については、短観DI、県内景況BSI がともに3 ポイントの下降となる見通し。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜短観DI が1 ポイント下降する中、県内景況BSI は10 ポイント上昇〜

平成30 年4〜6 月期の全体の短観DI は1 ポイント下降。下降は2 期連続。電気機械、自動車関連で短観DI の下降が目立つ。 前回調査で4 ポイント下降した県内景況BSI は、10 ポイント上昇。平成13 年以降の最高値を再び更新した。木材・木工製品を除く全ての業種で景況BSI がプラス水準となっている。

平成30 年7〜9 月期(見通し)については、短観DI は2 ポイント下降するが、県内景況BSI は1 ポイント上昇する。鉄鋼・金属製品、機械・機械部品を中心に良好な見通しを持つ事業者が多い。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI が横ばいで推移する中、県内景況BSI は5 ポイント上昇〜

平成30 年4〜6 月期の全体の短観DI は2 期連続で横ばいとなった。小売業で短観DI が下降する一方、対個人サービスなどでは上昇した。

前回調査で2 ポイント下降した県内景況BSI は、5 ポイント上昇。建設業で景況BSI は下降したものの、卸売業、小売業、サービス業では上昇した。

平成30 年7〜9 月期(見通し)については、短観DI が4 ポイント、県内景況BSI が6 ポイント下降する模様。県内では、旅館・ホテル業、飲食業において見通しに弱さが見られる。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

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