ホーム | サイトマップ | リンク

ホーム > 和歌山県内の動向 > 景気動向調査 > 景気動向調査 No.112

景気動向調査 No.112

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(平成30年4〜6月期)における県内経済の状況
4〜6月期の県内景況BSIは7.5ポイント上昇し、約4年ぶりの高水準
売上高・収益に関するBSIも改善し、高い水準となっている

1〜3月期に1年ぶりに下降した県内景況BSIだが、4〜6月期は7.5ポイント上昇し、5.3となった。その水準は、消費増税前の駆け込み需要が見られた平成26年1〜3月期の6.3ポイントとほぼ同じ。建設業、製造業、サービス業で高い値となった。さらに、売上高、収益に関するBSIも改善が進み、こちらも高い水準となった。景況感だけでなく、業績状況にも良好さがうかがえる。このような状況の中で、経営上の問題点として初めて「人材不足」が最多回答となった。

3.平成30年7〜9月期の国内外経済情勢
多くの自然災害に見舞われるも、国内経済の回復基調は続く見通し
ただし、世界経済の先行き不透明感は急激に強まっており、今後の動向には注意が必要

平成30年7〜9月期における国内経済情勢については、7月の西日本豪雨、8〜9月にかけての度重なる台風の上陸・接近など、多くの自然災害に見舞われた。この影響もあり、9月の輸出額、訪日外国人客数は前年割れとなった。ただし、日本経済研究センターが発表した民間エコノミストの経済見通し「ESPフォーキャスト調査」によると、7〜9月期の実質GDP成長率は前期比年率0.60%まで低下するものの、企業の設備投資が好調なこともあり、平成30年度通期では、前年比1.20%の成長となる模様で、自然災害による下押しは一時的と考えられる。

このような国内情勢に対して、懸念されるのは世界の経済情勢である。米国・中国間の貿易摩擦は激しさを増している。日米間においても、自動車に対する追加関税発動は回避されたものの、年明けには、貿易交渉が始まる予定だ。英国のEU離脱については、英EU間の通商協定なしでの離脱となる可能性も出ており、企業活動への影響が懸念される。米国の金利上昇を背景に、新興国では資金流出に伴う通貨安が進み、輸入物価が上昇、経済成長に対する足かせとなっている。中国の7〜9月期の実質GDP成長率は前年比6.5%に下降しており、約9年ぶりの低水準となった。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「平成30年7〜9月期の県内事業者の景況感・業績」、「平成30年10〜12月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「平成30年度における県内事業者の賃上げ・設備投資」、「外国人の雇用」について報告を行う。

■(特集アンケート)


今回の特集アンケートでは、定期的に質問を行っている「県内事業者の賃上げ・設備投資」に加えて、「外国人の雇用」をテーマとした。外国人については、日本政府が外国人労働者の受け入れ拡大を表明した。今後は建設、介護など人手不足感の強い業種において、(比較的単純な職種を含め)、外国人労働者が増加することが予想される。そこで、今回の調査では、現時点での外国人雇用の有無、今後の採用意向について質問を行った。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

前回は約4年ぶりの高水準となった県内景況BSIだが
7〜9月期は9.0ポイント下降。ただし、見通しはほほ横ばい
○県内景況BSIは商業、製造業での下降が響き、9.0ポイント下降

前回調査(4〜6月期)では、製造業、商業がけん引し、全体の景況BSIは約4年ぶりの高水準となったが、今回(7〜9月期)は、製造業、商業が反転下降し、全体の景況BSIは9.0ポイント下降した。ただし、比較的高い水準は維持しており、業況良好な業種も多く見られる。建設業の景況BSIは12.9と高く、製造業では化学製品製造業、鉄鋼・金属製品製造業、機械・機械部品製造業の業況が良好だ。サービス業では、不動産業、旅館・ホテル業などで景況BSIがプラス圏にある。留意点としては、卸売業、小売業の景況BSIが低い水準まで下降した点や人手不足感が強まっている点が挙げられる。

○10〜12月期の県内景況BSIの見通しは、ほぼ横ばい

10〜12月期の見通しについては、建設業、小売業、サービス業で景況BSIが下降するものの、製造業、卸売業では上昇に転じることから、全体ではほぼ横ばいでの推移となる。建設業、サービス業については、景況BSIが下降するものの、プラス圏は維持する。また、売上高、収益に関するBSIは上昇する見通しとなっている。ただし、世界景気の先行き不透明感の強まり、原油価格上昇などを背景にした仕入価格の上昇など、懸念材料は増えており、今後の動向には注意が必要だ。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は15.1ポイントの大幅下降。小売業で大きく下降

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業104社、サービス業26社の計130社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは上昇
プラス圏で推移している

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のこと。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が164社、「広義の建設業を除く全産業」は616社の計780社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 96社   景況BSIの推移【 前回 11.7 → 今回 12.9 → 見通し 4.6 】

景況BSIは高い水準で推移
県内建設業は総じて良好

県内建設業は、景況BSI(7〜9月期)は1.2ポイント上昇し、高い水準を維持している。木造建築工事業、土木工事業、電気工事業などで景況感を「良い」とする事業者が多い。県内では、4〜8月までの公共工事請負金額は前年同期比26.2%増となっており、新設住宅着工戸数は4〜8月の累計で前年同期比7.6%の増加となっている。このような状況改善を背景に、売上高、収益の各BSIも改善している。人手不足感の強まりは懸念材料だが、県内建設業は総じて良好な状況にある(地域別に見ても、全ての地域で景況BSIはプラス水準となっている)。

10〜12月期(見通し)については、景況BSIは下降する模様。好調な土木工事業、建築工事業において景況BSIが下降する。ただし、景況BSIの水準は高く、良好な状況に変化はない。

≪製造業≫

回答事業者数: 181社   景況BSIの推移【 前回 12.7 → 今回 3.4 → 見通し 5.9 】

景況BSIは下降するも、プラス水準を維持
10〜12月期には再び上昇する見通し

県内製造業は、景況BSI(7〜9月期)が9.3ポイント下降し、3.4となった。食料品、繊維製品、機械・機械部品、その他の製造業において景況BSIが下降した。ただし、化学製品、鉄鋼・金属製品等では景況BSIが上昇し、それぞれ21.1、25.0と高い水準となっている。これらの業種の寄与もあり、製造業全体での景況BSIはプラス水準を維持しており、売上高、収益に関するBSIも高い水準となっている。また、設備投資実施比率に上昇傾向が見られる。

6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の台風21号など、自然災害が企業活動に与える影響が懸念されたが、10〜12月期(見通し)の景況BSIは再び上昇する見通しとなった。ただし、米中間の貿易摩擦など世界経済の先行きに対する不透明感は強まっており、近畿の鉱工業生産指数は下降傾向にある。県内製造業については、化学製品、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品を中心に、良好な業況が続くことが予想されるが、県外の経済情勢や強まりを見せる人手不足感などには注意する必要がある。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 20社
景況BSIの推移【 前回 19.0 → 今回 10.5 → 見通し ▲5.6 】
売上高「増加」が約4割
景況BSIは前回から下降するも、高水準


景況BSIは前回から8.5ポイント下降するも、高い水準を維持。果物加工、梅干製造、乳製品製造など幅広い業種で、景況感を「良い」とする事業者が見られた。売上高、収益が「増加」したとする回答は増え、各BSIは改善した。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは下降する模様。
繊維製品 回答事業者数: 35社
景況BSIの推移【 前回 18.2 → 今回 ▲14.7 → 見通し ▲6.9 】
売上高・収益が「減少」したとする事業者が約4割
景況BSIは再び下降


前回調査(4〜6月期)では、売上高・収益が「増加」したとする回答が多く見られ、景況BSIも消費増税以降の最高値を更新していたが、今回(7〜9月期)は大きく下降した。売上高、収益ともに「減少」とする回答が約4割を占めた。仕入価格が「上昇」しているとする回答が約6割と多く、懸念材料となっている。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは反転上昇する模様。
木材・木工製品 回答事業者数: 23社
景況BSIの推移【 前回 ▲38.5 → 今回 ▲17.4 → 見通し ▲13.0 】
前回大きく下降していた景況BSIは反転上昇
ただし、その上昇幅は前回の下降幅に比べて小さい


前回(4〜6月期)、30ポイント近くの下降となった景況BSIは、今回(7〜9月期)、上昇に転じた。ただし、その上昇幅は前回の下降幅に比べると小さい。また、木製品、家具等を製造する従業員10人未満の事業所で景況感を「悪い」とする事業者が目立つ。売上高・収益についても、「減少」と回答する事業者が約4割と多い。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは上昇する模様。売上高、収益の各BSIについても改善が見込まれる。
化学製品 回答事業者数: 20社
景況BSIの推移【 前回 16.7 → 今回 21.1 → 見通し 10.5 】
景況感を「悪い」とする事業者は少なく
景況BSIは高い水準で推移している


景況BSI(7〜9月期)は上昇し、高い水準で推移している。景況感を「悪い」とする事業者は少なく、売上高・収益についても「減少」との回答はあまり見られない。このような状況の中で、雇用者数を「増加」させる事業者は増えており、設備投資の実施比率も5割と高い。経営上の問題点としては「設備の老朽化」が、「原材料価格の高騰」と並んで多くなっている。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは下降するものの、高い水準を維持する。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 20社
景況BSIの推移【 前回 7.4 → 今回 25.0 → 見通し 21.1 】
景況BSIは大きく上昇
10〜12月期の見通しを含めて業況は良好


7〜9月期の景況BSIは17.6ポイント上昇した。10〜12月期(見通し)についても、売上高、収益が「増加」するとの回答が目立ち、景況BSIも高い水準を維持する。このような状況の中で、人手不足感は強まっており、省力化を目的とした設備投資を実施する事業者も多い。
機械・機械部品 回答事業者数: 33社
景況BSIの推移【 前回 29.0 → 今回 25.0 → 見通し 28.1 】
景況感を「良い」とする事業者が3割超
10〜12月期の見通しを含めて業況は良好


7〜9月期の景況BSIは前回から下降するも、25.0と高い水準にあり、景況感を「良い」とする事業者は3割を超えている。自動車部品、配電盤を製造する事業者で「良い」との回答が目立つ。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは上昇する模様で、業況は良好さを維持。ただし、このような状況の中で、前回に続いて、経営上の問題点として4割強の事業者が「人材不足」と回答している。
その他の製造業 回答事業者数: 30社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 12.1 → 今回 ▲13.3 → 見通し 3.4 】
景況BSIが大きく下降
10〜12月期(見通し)では再びプラス水準まで上昇する模様


前回調査に比べて、景況感を「良い」とする事業者、売上高・収益が「増加」したとする事業者が減少。景況BSIは20ポイント超の下降となった。経営上の問題点では「売上不振」とする事業者が5割強を占めた。
10〜12月期(見通し)では、景況BSIは上昇し、再びプラス水準を回復する見込みとなっている。

≪商業≫

回答事業者数: 236社   景況BSIの推移【 前回 ▲5.8 → 今回 ▲22.6 → 見通し ▲20.2 】

持ち直し傾向にあった景況BSIだが、7〜9月期は16.8ポイント下降

県内商業の景況BSIは昨年10〜12月期以降、持ち直し傾向を見せ、4〜6月期には消費増税後の最高値を更新していた。ただし、7〜9月期は、卸売業、小売業ともに景況感を「悪い」とする事業者が増加し、景況BSIは16.8ポイントの下降となった。機械器具卸売業、飲食料品小売業など一部の業種においては、景況BSIの改善傾向が続いているものの、その他の業種では、売上高・収益が「減少」しているとの回答も目立ち、業況には弱さが見られる。

10〜12月期(見通し)については、歳末需要もあり、景況BSIは上昇する見通しとなっているが、今回の下降幅に比べると、その上昇幅は小さい。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 132社
景況BSI値の推移【 前回 1.3 → 今回 ▲17.7 → 見通し ▲12.9 】
売上高・収益について、約4割の事業者が「減少」と回答
景況BSIも大きく下降し、業況に弱さが見られる


7〜9月期の景況BSIは前回から大きく下降した。飲食料品卸売業、建築材料卸売業などで景況感を「悪い」とする事業者が目立った。売上高、収益についても、約4割の事業者が「減少」と回答するなど、業況には弱さが見られる。仕入価格の上昇懸念が飲食料品卸売業などで強く、収益圧迫要因となっている。このような状況の中で、県内企業活動の底堅さもあり、機械器具卸売業については、景況BSIに上昇傾向が見られた。
10〜12月期(見通し)については、歳末需要が見込まれることから、景況BSIや売上高BSIは上昇するが、収益BSIは下降する模様。
小売業 回答事業者数: 104社
景況BSI値の推移【 前回 ▲15.3 → 今回 ▲29.0 → 見通し ▲29.3 】
景況BSIは1年ぶりに下降
10〜12月期の見通しを含めて、業況に弱さが見られる


前回調査(4〜6月期)までは、3期連続で景況BSIが上昇しており、景況感は改善していた。ただし、売上高・収益などの業績については、改善の動きが乏しかった。今回調査(7〜9月期)では、景況BSIは大きく下降した。特に、衣料品、生活文化用品(家具、化粧品等)、機械、燃料を取り扱う事業者で景況感を「悪い」とする回答が目立った。地域別に見ても、全ての地域で「悪い」との回答が多くなっている。売上高・収益については、約4割の事業者が「減少」と回答した。
10〜12月期(見通し)についても、景況BSIは低い水準で推移する。売上高、収益についてのBSIは下降する模様で、卸売業と同様、業況には弱さが見られる。

≪サービス業≫

回答事業者数: 267社   景況BSIの推移【 前回 5.0 → 今回 2.3 → 見通し 0.8 】

景況BSIは10〜12月期(見通し)を含めてプラス水準を維持
猛暑、台風の上陸・接近がありながら、業況は堅調

県内サービス業の景況BSI(7〜9月期)は2.7ポイントの下降となった。燃料価格の上昇、人手不足に直面する運輸業などで景況BSIが低下したことが響いた。ただし、不動産業、旅館・ホテル業、飲食業については景況BSIが上昇。売上高・収益の各BSIも堅調に推移している。

10〜12月期(見通し)においても、景況BSIは下降するが、プラス水準は維持する模様。日本国内では、猛暑や度重なる台風の上陸・接近が、宿泊・飲食業等の景況感を悪化させたが、県内については、業況に底堅さが見られる。

このような状況の中で、運輸業、飲食業、医療・福祉などの幅広い業種で「人材不足」が大きな経営上の問題点となっている点には注意が必要である。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 31社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 ▲12.9 → 今回 20.0 → 見通し 6.7 】
建物・土地売買業を中心に景況感を「良い」とする事業者が増え
景況BSIは大きく上昇


建物・土地売買業を中心に、景況感を「良い」とする事業者が多く見られた結果、景況BSIは3期ぶりに上昇し、消費増税後の最高値を更新した。売上高・収益についてもBSIは大きく改善した。このような状況の中で、経営上の問題点としては、「設備の老朽化」とする回答が4割弱を占める。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは下降に転じるが、プラス水準は維持する模様。
運輸業 回答事業者数: 46社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 ▲13.3 → 見通し ▲2.3 】
景況BSIは3期連続で下降
売上高・収益に関するBSIも低水準


7〜9月期の景況BSIは3期連続での下降となった。売上高・収益に関するBSIも低水準。7〜9月期は天候不順や度重なる台風接近・上陸が、県内の荷動き、観光客の入込状況へ悪影響をもたらした。このことが景況感悪化の一つの要因と考えられる。また、燃料価格は上昇しており、人手不足感も強い。このような状況の中で、資金繰りが「悪化」しているとの回答も3割弱を占めた。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは上昇に転じるものの、景況感を「良い」とする事業者は少ない。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 24社
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 12.5 → 見通し ▲4.2 】
3割弱の事業者が景況感を「良い」と回答
景況BSIは再びプラス水準に


景況BSIは3期ぶりに上昇。3割弱の事業者が景況感を「良い」と回答した。日本国内では、猛暑や地震、台風などの自然災害の影響により、旅館・ホテル業の景況感は悪化したが、県内では白浜町の事業者を中心に、売上高が「増加」し、景況感は「良い」とする回答が目立った。このような状況の中で、人手不足感が強まっており、半数近くの事業者が「人手不足」と回答。
10〜12月期(見通し)については、例年、観光客数が減少する期間であることから、景況BSIは下降する。
飲食業 回答事業者数: 17社
景況BSI値の推移【 前回 ▲25.0 → 今回 ▲5.9 → 見通し 6.3 】
景況BSIは見通しを含めて上昇
食料品価格、人件費の上昇が懸念材料


2期連続で下降していた景況BSIだが、7〜9月期は上昇した。売上高についても、4割弱の事業者が「増加」と回答している。日本国内では、猛暑や度重なる台風の接近・上陸により、来客数が減少し、景況感は悪化したが、県内では、10〜12月期の見通しを含めて、景況BSIは上昇傾向にある。ただし、生鮮食品を中心とした食料品価格の上昇や人件費の上昇が収益圧迫要因となっており、収益改善の動きは乏しい。
医療・福祉 回答事業者数: 39社
景況BSI値の推移【 前回 7.1 → 今回 ▲10.8 → 見通し 2.7 】
景況BSIは2期ぶりに下降
業績状況の悪い事業者の多くが「人手不足」にも直面している


7〜9月期の景況BSIは2期ぶりに下降。2017年以降、景況感を「良い」とする事業者が減り、「悪い」とする事業者が増加傾向にある。景況感を「悪い」とする事業者(特に紀南地域に多い)は、売上高・収益の「減少」に加えて、人手不足感が強まっており、経営上の大きな課題となっている。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは上昇する模様。
生活関連サービス業 回答事業者数: 14社
(※葬祭業、クリーニング業、理美容業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲7.1 → 今回 0.0 → 見通し ▲7.7 】
景況BSIは上昇
業種ごとに景況感に違いが見られる


7〜9月期の景況BSIは、景況感を「良い」とする事業者が増えたこともあり、上昇した。葬儀業で景況感を「良い」とする回答が目立った。その一方で、クリーニング業、美容業などでは「悪い」との回答が多く、業種ごとに明暗が分かれている。
10〜12月期(見通し)の景況BSIについては、再び下降する模様。
教養・娯楽サービス業 回答事業者数: 12社
景況BSI値の推移【 前回 18.2 → 今回 ▲16.7 → 見通し ▲16.7 】
景況BSIは下降
平成29年に比べて、景況感「良い」とする事業者が減少している


7〜9月期の景況BSIは下降。景況感を「良い」とする事業者が減少した。平成29年に比べて、景況感を「良い」とする事業者がやや減少している。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは横ばいで推移する。経営上の問題点としては、「人材不足」、「設備の老朽化」とする回答が多い。
その他のサービス業 回答事業者数: 84社
(※建物サービス、情報通信業、人材派遣業、建設サービス等)
景況BSI値の推移【 前回 18.8 → 今回 11.9 → 見通し 3.8 】
土木建築サービス業で景況感を「良い」とする事業者が多く
景況BSIは高い水準で推移


4〜6月期に消費増税後の最高値を更新した景況BSIだが、7〜9月期は下降した。ただし、測量・設計等の土木建築サービス業で景況感を「良い」とする事業者が多く、景況BSIは11.9と比較的高い水準を維持している。10〜12月期(見通し)において、景況BSIがさらに下降する点には注意が必要だが、なおプラス水準は維持する模様。
経営上の問題点としては、「人材不足」との回答が約4割を占めている。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 96社 48.0% 39社 15社 9社 33社
製 造 業 400社 181社 45.3% 70社 61社 30社 20社
商   業 600社 236社 39.3% 101社 40社 44社 51社
サービス業 800社 267社 33.4% 126社 47社 28社 66社
全 産 業 2000社 780社 39.0% 336社 163社 111社 170社

全ての地域で景況BSIが下降
和歌山市 景況BSIは5期ぶりに下降するも、他地域に比べて高い水準
7〜9月期の景況BSIは5期ぶりに下降。建設業を除く全ての産業で下降した。ただし、他地域に比べてその景況BSIの水準は高く、10〜12月期の見通しでは再び上昇し、プラス圏に。
紀北地域 景況BSIは下降し、再びマイナス圏に
7〜9月期の景況BSIは下降し、再びマイナス圏となっている。製造業における景況BSIの大幅下降が響いた。ただし、サービス業については良好な業況を維持している。10〜12月期の見通しでは、景況BSIは建設業での下降が響き、0.7ポイント下降する。
紀中地域 建設業、製造業の業況は良好だが、全体の景況BSIは下降
7〜9月期の景況BSIは商業での大幅下降が響き、2.2ポイント下降。ただし、建設業、製造業の景況BSIはともにプラス圏で推移している。製造業は仕入価格の上昇懸念が強く、建設業では人手不足感が強まっている点が懸念材料。10〜12月期の見通しでは、景況BSIは反転上昇となる。
紀南地域 景況BSIは見通しを含めて下降する
7〜9月期の景況BSIは下降。サービス業、卸売業での下降が響いた。他地域に比べてその水準は低く、経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者が35.8%と多い。また、幅広い産業で人手不足感が強い点も懸念される。10〜12月期の見通しでは、建設業での景況BSI下降が響き、全体でも下降する模様。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

県内景況BSIは9ポイント下降
短観DIとの差は8ポイント拡大
●全産業 〜短観DI は1 ポイント下降。県内景況BSI は9 ポイント下降し、両者の差は拡大〜

平成30 年7〜9 月期において、全体の短観DI(以下、短観DI)は1 ポイント下降。下降は2期連続。業種別では、製造業が3 期連続での下降となっている。従業員規模別では、大企業で1ポイント、中堅企業で3 ポイントの下降となる一方、中小企業は1 ポイント上昇。県内景況BSI については、建設業を除く全ての産業で景況BSI が下降となった。特に、商業は17 ポイントの下降となった。

平成30 年10〜12 月期(見通し)については、短観DI は3 ポイントの下降、県内景況BSI は 横ばいとなる見通し。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜短観DI は1 ポイント、県内景況BSI は10 ポイントの下降〜

平成30 年7〜9 月期の全体の短観DI は1 ポイント下降。下降は3 期連続。石油・石炭製品、非鉄金属など素材業種での下降が目立った。前回調査で10 ポイントの上昇となった県内景況BSI だが、今回は10 ポイントの下降。ただし、プラス水準は維持しており、化学、鉄鋼・金属製品、機械・機械部品の景況BSI の水準は高い。

平成30 年10〜12 月期(見通し)については、短観DI は2 ポイントの下降となる模様。県内景況BSI については3 ポイントの上昇に転じる。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI は1 ポイント、県内景況BSI は8 ポイントの下落〜

平成30 年7〜9 月期の全体の短観DI は1 ポイントの下降。運輸・郵便や宿泊・飲食サービス等で下降が目立った。前回調査で5 ポイント上昇した県内景況BSI は、8 ポイントの下落。建設業は高い水準を維持するも、卸売業、小売業が大きく下降した。

平成30 年10〜12 月期(見通し)については、短観DI が3 ポイント、県内景況BSI は1 ポイント下降する模様。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

このページのトップへ