ホーム | サイトマップ | リンク

ホーム > 和歌山県内の動向 > 景気動向調査 > 景気動向調査 No.114

景気動向調査 No.114

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(2018年10〜12月期)における県内経済の状況
2018年10〜12月期の県内景況BSIは全ての産業で上昇し、再びプラス水準に
ただし、先行き不安感は強く、見通しの景況BSIは全ての産業で下降

前回調査(2018年10〜12月期)における県内経済について、県内景況BSIは反転上昇した。7〜9月期には、それまでの持ち直しの動きに一服感も見られていたが、公共工事・台風災害からの復旧工事が増加した建設業で景況BSIが大きく上昇したことに加えて、その関連産業(建築資材卸売業、土木建築サービス業等)でも景況BSIが上昇した。不動産業、運輸業を筆頭にサービス業でも景況BSIは上昇、製造業・商業でも上昇に転じた。

2019年1〜3月期の見通しに関しては、全ての産業で景況BSIが下降する結果となった。建設業、サービス業の景況BSIはプラス水準を維持するが、製造業で約2年ぶりのマイナス水準まで下降する見通しとなるなど、世界景気・国内景気の先行き不安感の強さもあり、県内事業者の将来見通しには弱さが見られた。

3.2019年1〜3月期の国内外経済情勢
先行き不透明感は一部弱まるも、欧州経済を中心に世界経済には減速感が見られ
内閣府は3月に国内景気の基調判断を3年ぶりに引き下げた

中国経済と欧州経済を中心に世界経済の減速感が強まっている。昨年半ば以降の米中貿易摩擦の激化は、日本を含む世界全体の貿易量を減少させており、世界の製造業の景況感は低迷している。特に欧州経済の減速感が鮮明で、国際通貨基金(IMF)は4月に改定した世界経済見通しにおいて、ユーロ圏経済の成長率(2019年)を前回見通しから0.3ポイント引き下げ1.3%とした。英国のEU離脱の期限が10月末まで延期されたものの、EUとの協定なしの離脱(合意なき離脱)の可能性は残り、英国・ユーロ圏内の企業にとって、先行き不安感は依然として強い。米国経済は堅調ながら、米国議会は上院・下院で多数派政党が異なる「ねじれ」状態にあり、政治面で課題を抱える。昨年末以降の世界的な景気減速を受けて、米国は金融政策の引き締めを休止するとし、中国は地方のインフラ投資の促進、法人減税、個人消費の喚起策などを打ち出した。米中通商協議も継続しており、貿易摩擦が緩和される可能性もあるが、先行きについて、その不透明感は依然として強い。

このような状況の中で、国内経済情勢については、内閣府が「月例経済報告」(3月)で3年ぶりに景気の基調判断を引き下げた。中国をはじめ、欧州・米国向けの輸出数量が減少しており、「輸出」や「生産」の基調判断も引き下げた。世界経済の減速を受けて、これまで好調だった設備投資も弱含む状況にある。元号改元、新天皇即位に伴う大型連休など、個人消費を中心に持ち直しが期待されるが、10月には消費税率の引き上げが予定されており、2019年の国内経済については、見通しに弱さが見られる。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「2019年1〜3月期の県内事業者の景況感・業績」、「2019年4〜6月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「高齢従業員」について報告を行う。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

県内景況BSIは、建設業の好調さもありプラス水準を維持するも、下降し
製造業を中心に、見通しには引き続き弱さが見られる
○県内景況BSIは下降するも、プラス水準を維持。ただし、製造業の業況に弱さが見られる

1〜3月期の県内景況BSIは、好調な建設業、建設関連産業が下支えし、プラス水準を維持した。ただし、前回からは1.7ポイント下降となった。製造業、小売業、サービス業で景況BSIが下降した。製造業では、これまで好調だった鉄鋼・金属製品、機械・機械部品製造業で業況が悪化している。また、小売業をはじめ、個人を主な顧客とする事業者の業況に弱さが見られた。県内景況BSIは高い水準を維持しているが、仕入価格の上昇懸念や人手不足感の強さに加えて、今後の先行きには十分留意する必要がある。

○4〜6月期(見通し)の景況BSIは、製造業を中心に、引き続き弱い見通しとなっている

4〜6月期の見通しについては、建設業の景況BSIが高い水準を維持し、サービス業の景況BSIは底堅い。ただし、製造業において、売上高・収益の各BSI、景況BSIが下降し、小売業では従業員4人以下の事業者で景況感を「悪い」とする回答が増加する。 前回調査以降、県内景気の見通しには弱さが見られているが、今回は特に製造業で景況BSIが12.0ポイント下降する見通しとなった。世界景気、国内景気ともに先行き不透明感が依然として強い中、10月には消費増税が予定されている。県内景気については、製造業や商業を中心に、先行きはさらに弱含む可能性が考えられる。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は下降し、前年同期の水準を下回る

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業72社、サービス業21社の計93社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは2期連続で大きく上昇
見通しは下降する

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のこと。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が111社、「広義の建設業を除く全産業」は485社の計596社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 64社   景況BSIの推移【 前回 36.6 → 今回 39.1 → 見通し 31.1 】

業績・景況感の改善が続き
景況BSIは過去最高値を更新

県内建設業は、景況BSI(1〜3月期)が2.5ポイント上昇し、現行と同形式での調査を開始した2001年以降の最高値を更新(これまでの最高値は2013年10〜12月期の38.5)。県内では、公共工事請負金額や新設住宅着工戸数が増加傾向にあることに加えて、8〜10月における台風被害からの復旧工事もあり、景況感が改善しているものと考えられる。

このような状況の中で、セメント、木材、鋼材等の仕入価格の上昇が続いており、収益圧迫要因となっている点と、人手不足感がさらに強まっている点には注意が必要。約6割の事業者が人手が「不足」していると回答する一方で、雇用者数を「増加」させた事業者は少数にとどまる。

4〜6月期(見通し)については、電気・管工事業等については景況BSIが下降する一方で、総合工事業、職別工事業では高水準を維持する模様。

≪製造業≫

回答事業者数: 129社   景況BSIの推移【 前回 6.4 → 今回 4.7 → 見通し ▲7.3 】

景況BSIは下降するもプラス水準を維持
ただし、売上高・収益で「減少」との回答増え、見通しに弱さが見られる

県内製造業は、景況BSI(1〜3月期)が1.7ポイント下降した。食料品、化学製品製造業の景況BSIは高い水準を維持したこともあり、全体ではプラス水準を維持したが、これまで県内製造業をけん引してきた鉄鋼・金属製品、機械・機械部品製造業において景況BSIが大きく下降しており、売上高・収益についても、「減少」との回答が増えている。

4〜6月期(見通し)についても、売上高・収益が「減少」するとの回答は多く、景況BSIは10ポイント超の下降となる模様。化学製品、鉄鋼・金属、機械・機械部品で景況BSIが下降する。

県内製造業を取り巻く環境は悪化しており、日本国内の生産活動には弱さが見られる。世界経済の減速を背景とした日本国内からの輸出数量の減少が主要因と考えられる。さらに、食料品、木材・木工、鉄鋼・金属製品製造業では仕入価格の上昇懸念が依然として強く、鉄鋼・金属製品製造業では資金繰りが「悪化」したとする事業者が増えた。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 20社
景況BSIの推移【 前回 8.7 → 今回 5.0 → 見通し 15.0 】
景況BSIはプラス水準を維持するも
仕入価格の上昇懸念は極めて強く、大きな経営問題に


1〜3月期の景況BSIは前回から3.7ポイント下降。3期連続での下降となるも、プラス水準は維持しており、景況感を「良い」とする事業者が約3割を占めた。仕入価格の上昇懸念は極めて強く、7割弱の事業者が仕入価格は「上昇」していると回答。経営上の問題点として「原材料価格の高騰」を挙げる事業者が約4割まで増加。景況BSIの水準は高いが、収益状況については留意する必要がある。
4〜6月期(見通し)については、複数の事業者が景況感を「良い」になると予想しており、景況BSIは上昇する模様。
繊維製品 回答事業者数: 21社
景況BSIの推移【 前回 ▲4.2 → 今回 ▲28.6 → 見通し ▲26.3 】
景況BSIが大きく下降
過半数の事業者が「売上不振」を経営上の問題点としている


1〜3月期の景況BSIは大きく下降した。約4割の事業者が景況感を「悪い」と回答しており、景況BSIの水準は約1年ぶりの低水準となっている。経営上の問題点についても、「売上不振」を挙げる事業者が過半数を占めた。
4〜6月期(見通し)についても、景況BSIは低い水準にとどまる模様。このような状況の中で、パイル織物事業者を中心に仕入価格が「上昇」しているとの回答が4割強見られる。人手不足感については、他業種に比べると弱い。
木材・木工製品 回答事業者数: 15社
景況BSIの推移【 前回 ▲36.8 → 今回 20.0 → 見通し ▲15.4 】
景況BSIは上昇するも、売上高・収益のBSIに改善の動きなし
見通しでは、景況BSIは再び下降する模様


1〜3月期の景況BSIは大きく上昇した。インターネット通販市場に進出している一部の事業者で景況感を「良い」とする事業者が複数見られたことに加えて、景況感を「悪い」とする事業者が減少した。
景況感の改善が見られる一方で、業績状況には依然として厳しさが見られる。約半数の事業者が売上高・収益が「減少」していると回答しており、経営上の問題点としても「売上不振」とする回答が最も多い。4〜6月期(見通し)については、景況BSIは大きく下降する模様。
化学製品 回答事業者数: 15社
景況BSIの推移【 前回 18.8 → 今回 13.3 → 見通し 0.0 】
見通しに弱さが見られるが
景況BSIは高い水準を維持


1〜3月期の景況BSIは5.5ポイント下降するも、13.3ポイントと高い水準を維持した。業績についても、売上高・収益ともに「減少」とする回答は増えたが、各BSIの水準は高い。また、仕入価格の上昇懸念が緩和しており、この点も景況感にプラスに寄与したもと考えられる。
4〜6月期(見通し)の景況BSIは10ポイント以上の下降となり、見通しには弱さが残るが、経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者は7.7%と少なく、業況が大きく悪化している可能性は低いと考えられる。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 17社
景況BSIの推移【 前回 23.8 → 今回 5.9 → 見通し ▲17.6 】
売上高・収益が「減少」する事業者が急増
4〜6月期(見通し)には、景況BSIが約2年ぶりのマイナス水準まで下降する模様


1〜3月期の景況BSIは20ポイント超の大幅下降となった。売上高・収益で「減少」とする回答が増え、景況感を「悪い」とする事業者も増加した。このような業況の中で、仕入価格の上昇懸念は依然として強く、資金繰りが「悪化」しているとする事業者が約4割見られた。建築用金属製品を製造する事業者の中には、景況感を「良い」とする事業者が複数見られる。台風災害に関連した需要が背景にあるものと考えられる。ただし、これらの事業者についても、4〜6月期(見通し)では、景況感は悪化する見込みとなっており、全体でも景況BSIはさらに下降する模様。
機械・機械部品 回答事業者数: 21社
景況BSIの推移【 前回 29.0 → 今回 15.0 → 見通し 0.0 】
売上高・収益が「減少」する事業者が急増
景況BSIも大きく下降したが、その水準は依然として高い


1〜3月期の景況BSIは14.0ポイントの下降となった。半数前後の事業者が売上高・収益が「減少」したと回答した。各BSIの水準は約5年ぶりの低水準まで下降。4〜6月期(見通し)についても、売上高・収益の各BSIは低い水準で推移し、景況BSIはさらに下降する模様。ただし、景況感を「悪い」とする事業者が増加しているわけではなく、業況が大きく悪化しているとは考えられない。
その他の製造業 回答事業者数: 20社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 0.0 → 今回 10.0 → 見通し ▲10.0 】
景況BSIは一進一退の状況

1〜3月期の景況BSIは10.0ポイント上昇したが、4〜6月期(見通し)では▲10.0まで下降する。景況BSIは一進一退の状況にあるものの、両期間を通じて景況感を「悪い」とする事業者はあまり多くない。
タワシ等の日用雑貨品製造業で売上高・収益が「減少」しているとの回答が多い点には注意が必要。また、これらの事業者を中心に経営上の問題点として「設備の老朽化」を挙げる事業者が多く見られた。

≪商業≫

回答事業者数: 153社   景況BSIの推移【 前回 ▲10.5 → 今回 ▲12.3 → 見通し ▲14.6 】

前回調査で上昇していた景況BSIは下降に転じる
業況は一進一退の状況

県内商業の景況BSI(1〜3月期)は、卸売業で上昇するも、小売業での下降が響き、全体では1.8ポイントの下降となった。建築材料卸売業、機械器具卸売業で景況感が改善する一方で、飲食料品卸売業・小売業などで景況感を「悪い」とする事業者が増えた。

4〜6月期(見通し)については、1〜3月期に景況BSIが上昇した卸売業でBSIが下降することから、商業全体でも2.3ポイントの下降となる模様。2018年上半期に景況BSIは持ち直し傾向にあったが、それ以降は一進一退の状況となっている。特に、小売業では従業員4人以下の事業者で、景況感を「悪い」とする事業者が7割弱まで増加しており、注意を要する。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 81社
景況BSI値の推移【 前回 ▲5.6 → 今回 ▲2.6 → 見通し ▲9.7 】
景況BSIが2期連続で上昇
見通しでは下降するものの、1〜3月期としては高い水準


1〜3月期の景況BSIは2期連続で上昇し、1〜3月期としては2015年以降では最も高い水準となっている。建設業の業況の好調さもあり、建築材料卸売業で景況BSIが2期連続で上昇した。また、機械器具卸売業についても景況BSIが比較的高い水準で推移している。売上高・収益について「増加」とする回答が増え、各BSIも上昇した。飲食料品卸売業については、景況感を「悪い」とする事業者が約3割を占めるなど、業況は依然として厳しい(仕入価格の上昇懸念も強い)。
4〜6月期(見通し)については、建築材料卸売業の景況BSIは高い水準を維持するが、機械器具卸売業の景況BSIが下降することもあり、全体の景況BSIは3期ぶりの下降となる模様。
小売業 回答事業者数: 72社
景況BSI値の推移【 前回 ▲16.9 → 今回 ▲23.2 → 見通し ▲20.0 】
従業員4人以下の事業者を中心に景況BSIが下降した
見通しでは上昇する模様で、一進一退の状況


1〜3月期の景況BSIは6.3ポイントの下降となった。飲食料品、生活・文化用品小売業で景況BSIが下降した。また、従業員4人以下の事業者で景況感を「悪い」とする回答が目立った。売上高・収益の各BSIも下降し、約半数の事業者が「減少」と回答している。仕入価格の上昇懸念がやや強まる中で、販売価格に転嫁できている事業者は少なく、収益圧迫要因となっている。このような状況の中で、飲食料品、生活・文化用品小売業で人手不足感が強まっており、注意を要する。
4〜6月期(見通し)については、景況BSIは上昇する模様。売上高・収益のBSIも上昇するが、その水準は低い。

≪サービス業≫

回答事業者数: 250社   景況BSIの推移【 前回 6.9 → 今回 2.5 → 見通し 0.0 】

景況BSIは4.4ポイント下降するも
プラス水準は維持する

県内サービス業の景況BSI(1〜3月期)は4.4ポイント下降した。不動産業、運輸業、飲食業等で景況BSIが下降した。ただし、景況BSIはプラス水準を維持しており、景況感を「悪い」とする事業者もそれほど増加しておらず、業況はこれまでの持ち直しの動きに一服感が出ている状態と考えられる。

4〜6月期(見通し)においても、景況BSI、売上高・収益の各BSIは下降するが、「良い」(または「増加」)とする回答が減っているためであり、業況が大幅に悪化している訳ではない。人手不足感が強まっている点や、生活関連サービス業、教養・娯楽サービス業で景況感を「悪い」とする事業者が増えている点には注意が必要だが、県内サービス業は概ね堅調な業況にある。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 37社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 21.6 → 今回 11.4 → 見通し 0.0 】
景況感を「良い」とする事業者が3割程度を占めるが
景況BSIは下降傾向にある


1〜3月期の景況BSIは下降した。景況感を「良い」とする事業者(建設機械リース、不動産取引業等)は3割程度を占めるが、前期に比べて減少している。売上高・収益に関するBSIについても、下降傾向にあり、4〜6月期の見通しでは「減少」との回答が増える模様。
4〜6月期(見通し)の景況BSIはさらに下降する模様で、これまで好調だった業況に変化が見られる。
運輸業 回答事業者数: 41社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 8.6 → 今回 ▲4.9 → 見通し 0.0 】
景況BSIは下降するも、見通しでは再び上昇
業況は底堅い


1〜3月期の景況BSIは10ポイント超の下降となった。ただし、4〜6月期の見通しの景況BSIは再び上昇する。経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者も少なく、業況は底堅い。このような状況の中で、人手不足感の強まり、資金繰り「悪化」の事業者がやや増加している点には留意が必要。特に人手不足感の強まりについては、半数以上の事業者が「不足」と回答している。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 20社
景況BSI値の推移【 前回 4.5 → 今回 ▲10.0 → 見通し 10.5 】
景況BSIは2期連続で下降するも
見通しでは上昇する


1〜3月期の景況BSIは2期連続で下降し、約2年ぶりのマイナス水準となった。売上高・収益については約4割の事業者が「減少」と回答しており、業況には一部弱さも見られる。ただし、5月の大型連休(10連休)を含む4〜6月期の見通しについては、景況BSIは上昇に転じ、再びプラス水準を回復する模様。売上高・収益の各BSIについても、2015年の紀の国わかやま国体開催時の水準には及ばないものの、比較的高い水準まで上昇する。
飲食業 回答事業者数: 19社
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 ▲26.3 → 見通し ▲16.7 】
景況BSIは下降
業況には弱さが見られる


1〜3月期の景況BSIは36.3ポイントの下降。売上高・収益において5割弱の事業者が「減少」と回答しており、業績にも弱さが見られる。資金繰りが「悪化」している事業者がやや増加傾向にある点にも留意が必要。景況感を「悪い」とする事業者で雇用者数を「減少」させた事業者も目立った。人手不足感は依然として強く、7割強の事業者が人手が「不足」と回答している。
4〜6月期(見通し)の景況BSIは上昇するが、売上高・収益についてはBSIに改善の動きは見られない。持ち直しの動きが見られていた県内飲食業だが、足下の業況には弱さが見られる。
医療・福祉 回答事業者数: 40社
景況BSI値の推移【 前回 ▲2.6 → 今回 7.7 → 見通し 5.4 】
景況BSIは2期連続で上昇し
プラス水準を回復


1〜3月期の景況BSIは2期連続で上昇し、3期ぶりにプラス水準を回復した。売上高・収益に関しては、「増加」とする事業者が減ったこともあり、BSIは低い水準で推移している。ただし、4〜6月期(見通し)の景況BSIについてもプラス水準を維持することから、堅調な業況と言える(留意点としては人手不足感の強さ)。
生活関連サービス業 回答事業者数: 12社
(※葬祭業、クリーニング業、理美容業等)
景況BSI値の推移【 前回 0.0 → 今回 ▲63.6 → 見通し ▲18.2 】
景況感を「悪い」とする事業者が目立つ

サンプル数が12社と少ない点には注意が必要だが、1〜3月期はクリーニング業、葬儀業などで景況感を「悪い」とする事業者が目立った。売上高・収益についても「減少」とする回答が大半を占めた。ただし、経営上の問題点では「売上不振」とする回答は少なく、「原材料価格の高騰」、「受注単価の低下」といった回答が複数見られた。
教養・娯楽サービス業 回答事業者数: 9社
景況BSI値の推移【 前回 ▲10.0 → 今回 ▲28.6 → 見通し ▲33.3 】
売上高が「減少」している事業者が約半数

サンプル数が9社と少ない点には注意が必要だが、売上高が「減少」しているとする事業者が約半数を占めており、経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者が3割強となっている。
その他のサービス業 回答事業者数: 72社
(※建物サービス、情報通信業、人材派遣業、建設サービス等)
景況BSI値の推移【 前回 8.8 → 今回 23.6 → 見通し 4.3 】
景況BSIは上昇し、高水準
土木関連サービス業を中心に景況感を「良い」とする事業者が目立った


1〜3月期の景況BSIは大きく上昇。土木関連サービス業を中心に、景況感を「良い」とする事業者が4割弱を占めた。情報通信業、産業廃棄物処理業でも「良い」とする回答が複数見られている。売上高、収益に関するBSIも上昇した。
4〜6月期(見通し)では、土木関連サービス業の好調な業況に落ち着きが見られることもあり、景況BSIは下降する。ただし、その水準はプラス水準を維持する。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 64社 32.0% 35社 13社 7社 9社
製 造 業 400社 129社 32.3% 43社 47社 24社 15社
商   業 600社 153社 25.5% 65社 23社 27社 38社
サービス業 800社 250社 31.3% 121社 50社 20社 59社
全 産 業 2000社 596社 29.8% 264社 133社 78社 121社

紀南地域を除く全ての地域で景況BSIが下降
和歌山市の景況BSIは実績・見通しともに下降
和歌山市 景況BSIは実績・見通しともに下降
1〜3月期の景況BSIはプラス水準ながら下降となった。商業を除く全ての産業で景況BSIが下降した。4〜6月期の見通しでは、製造業、卸売業で大きく景況BSIが下降する模様で、全体としても7.4ポイントの下降となる。
紀北地域 景況BSIは下降するも、見通しでは上昇
1〜3月期の景況BSIは下降するも、4〜6月期の見通しでは上昇に転じる。建設業の景況BSIが高水準にあり、全体を下支えしている。製造業で景況感を「悪い」とする事業者が増加している。
紀中地域 景況BSIは実績・見通しともに下降
1〜3月期の景況BSIは下降するもプラス水準を維持した。建設業、製造業の景況BSIが高い水準にあり、全体をけん引している。4〜6月期の見通しでは、製造業で景況BSIが下降することもあり、全体でも2.6ポイントの下降となる。
紀南地域 景況BSIは建設業を中心に上昇。見通しでは下降する
1〜3月期の景況BSIは建設業、サービス業において上昇したこともあり、全体でも6.2ポイントの上昇となった。4〜6月期の見通しについては、建設業での景況BSI下降が響き、全体でも下降する模様。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

短観DIは製造業で大きく下降となり、全体でも4ポイント下降
県内景況BSIは2ポイントの下降ながら、見通しでは5ポイント下降する
●全産業 〜短観DI は4ポイント、県内景況BSIは2ポイント下降。見通しもともに下降する〜

2019年1〜3月期において、全体の短観DI(以下、短観DI)は4ポイントの下降となった。非製造業では短観DIが横ばいで推移する一方で、製造業については国内外での受注状況に弱さが見られ、短観DIは9ポイントの下降となった。県内景況BSIについては、製造業、非製造業がともに下降となった。

2019年4〜6月期(見通し)については、短観DI 、県内景況BSIはともに下降する見通しとなっており、今後の動向には注意を要する。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜短観DI は9ポイント下降。県内景況BSIは見通しで12ポイントの下降〜

2019年1〜3月期の全体の短観DIは9ポイント下がり、約3年ぶりの水準まで下降した。従業員規模、業種に関係なく短観DIが下降している。減速感が出ている海外だけではなく、国内からの受注状況が弱まっている。県内景況BSIは一部の業種で景況BSIが大きく上昇したため、全体では1ポイントの下降にとどまったが、多くの業種で景況BSIは下降している。

2019年4〜6月期(見通し)についても、短観DI、県内景況BSIともに下降する。特に、県内景況BSIは、鉄鋼・金属製品製造業、機械・機械部品製造業などで10ポイント超の下降となる。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI、県内景況BSIはともに堅調に推移するも、見通しには弱さ〜

2019年1〜3月期の全体の短観DIは横ばい。大企業で3ポイントの下降となるも、中堅・中小企業については堅調な推移となっている。県内景況BSIは1ポイントの下降となった。建設業の景況BSIは極めて高い水準で推移する一方で、商業、サービス業で景況BSIが下降した。

2019年4〜6 月期(見通し)については、短観DI、県内景況BSIともに下降する。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

このページのトップへ