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景気動向調査 No.114  特集

「高齢従業員(※)」について

(※)ここでは、60歳以上の従業員を「高齢従業員」とする

アンケート趣旨

少子高齢化が進む中で、60歳以上の従業者数が増加している。人材不足に悩む事業者にとって、高齢従業員の活躍は欠かせず、働きやすい職場づくり、働き甲斐のある職場づくりが求められている。そこで、今回の特集アンケートでは、60歳以上の「高齢従業員」について、その雇用状況や雇用する上での課題、働きやすさ向上に向けた取り組み等について質問を行った。


調査項目

  1.定年年齢の設定状況と定年年齢
  2.「高齢従業員」が占める割合
  3.60歳以降に新たに採用した従業員の有無
  4.「高齢従業員」の勤務形態
  5.「高齢従業員」の貢献度
  6.「高齢従業員」が果たす貢献の内容
  7.「高齢従業員」の雇用に関する課題
  8.「高齢従業員」の働きやすさ向上に関する取り組み
  9.「高齢従業員」の働きやすさ向上に効果的だった取り組み
  10.「高齢従業員」に対する今後への期待
  11.「高齢従業員」に関する支援施策の認知度・活用度

調査結果

【「高齢従業員」について】
71.4%の事業者が、高齢従業員を雇用している
高齢従業員の貢献度は高く、今後のさらなる活躍に期待する事業者は79.7%を占める

○ 定年年齢を設定している事業者は60.3%。従業員4人以下の事業者は78.1%が設定せず

○ 設定している定年年齢では「60歳」が61.2%で最多。「65歳」が32.2%(建設業は42.9%)

○ 60歳以上の高齢従業員がいる事業者は71.4%。従業員20人以上の事業者では9割強

○ 高齢従業員の雇用形態では、従業員規模が大きい事業者ほど「フルタイムは少ない」との回答が多い

○ 高齢従業員の貢献度では「大変貢献している」が51.5%を占めた(建設業では60.6%)

○ 高齢従業員が果たす貢献の内容では「豊富な経験(知識・スキル)」が73.4%。「人手不足の解消」が2番目に多い

○ 高齢従業員の雇用における課題では、「健康・安全面での不安」が50.6%で最多。「業務内容の制約」、「新たな技術・知識への対応力が弱い」が後に続く

○ 高齢従業員の働きやすさ向上にむけた取り組みでは「勤務条件の多様化」が33.5%で最多。「なし」とする回答も従業員4人以下の事業者を中心に40.6%と多い

○ 働きやすさ向上に関する取り組みで効果的だったものとしては「設備や作業環境の改善」、「勤務条件の多様化」が挙げられる

○ 今後の「高齢従業員」への期待では、「大いに期待」、「ある程度期待」を合わせると79.7%

1.定年年齢の設定状況と定年年齢

「設定している」事業者は60.3%
従業員数4人以下では78.1%の事業者が「設定していない」

従業員の定年年齢の設定状況を質問したところ、60.3%が「設定している」と回答する一方で、「設定していない」とする回答は39.7%見られた。従業員規模別では、10人未満の事業者で「設定していない」とする回答が多く、産業別では建設業や商業で「設定していない」とする回答が比較的多い。

■図表 定年年齢の設定状況(全産業575社、産業別、従業員規模別)
※アンケートを回収した596社のうち、無回答21社を除く575社が対象。
定年年齢の設定状況(全産業575社、産業別、従業員規模別)

「60歳」が61.2%で最多。「65歳」は32.2%
建設業で「65歳」とする回答がやや多い

定年年齢を設定している事業者に対して、定年年齢を質問したところ、「60歳」とする事業者が61.2%で最多となり、続いて「65歳」が32.2%となっている。産業別では建設業で「65歳」とする事業者の割合が比較的高く、従業員規模別では5〜49人の事業者で「65歳」とする回答が比較的多い。

■図表 定年年齢(全産業338社、従業員規模別)
※定年年齢を「設定している」と回答した347社のうち、無回答9社を除く338社が対象。
定年年齢(全産業338社、従業員規模別)

2.「高齢従業員」が占める割合

60歳以上の「高齢従業員」がいる事業者は71.4%
従業員20人以上の事業者で特に多い

「高齢従業員」が全従業員に占める割合を質問したところ、「10%未満」を含めて、高齢従業員がいるとする事業者は全体の71.4%を占めた。

■図表 高齢従業員が占める割合(全産業570社)
※アンケートを回収した596社のうち、無回答26社を除く570社が対象。
高齢従業員が占める割合(全産業570社)

3.60歳以降に新たに採用した従業員の有無

「いる」とする回答が39.8%
従業員50人以上の事業者では過半数が「いる」と回答

60歳以降に新たに採用した従業員(※)の有無を質問したところ、39.8%の事業者が「いる」と回答した。特に従業員50人以上の事業者では過半数が「いる」と回答している。

(※)定年後に継続雇用で勤務する従業員も含まれている可能性があります。

■図表 60歳以降に新たに採用した従業員の有無(全産業407社)
※アンケートを回収した596社のうち「質問2「高齢従業員」が占める割合」で
「0%」以外の選択肢を選んだ410社のうち当質問での無回答3社を除く407社が対象。

60歳以降に新たに採用した従業員の有無(全産業407社)

4.「高齢従業員」の勤務形態

「全員フルタイム」が36.5%で最多
従業員規模の大きい事業者ほど「フルタイムは少ない」が多い

■図表 図表 高齢従業員の勤務形態(全産業403社)
※アンケートを回収した596社のうち「質問2「高齢従業員」が占める割合」で
「0%」以外の選択肢を選んだ410社のうち当質問での無回答7社を除く403社が対象。

高齢従業員の勤務形態(全産業403社)

5.「高齢従業員」の貢献度

「大変貢献している」との回答が過半数を占めた
建設業でやや回答割合が高い

■図表 図表 「高齢従業員」の貢献度(全産業406社)
※アンケートを回収した596社のうち「質問2「高齢従業員」が占める割合」で
「0%」以外の選択肢を選んだ410社のうち当質問での無回答4社を除く406社が対象。

「高齢従業員」の貢献度(全産業406社)

6.「高齢従業員」が果たす貢献の内容【複数回答】

「豊富な経験(知識・スキル)」が73.4%で最多
従業員規模の大きい事業者では「人手不足の解消」が多い

「高齢従業員」が事業に貢献しているとした事業者に、その貢献内容を質問したところ、「豊富な経験(知識、スキル)」が73.4%で最多回答となった。「人手不足の解消」とする回答が2番目に多かった(61.0%)。また、従業員規模別にみた場合、回答結果に違いが見られた(下図参照)。

■図表 「高齢従業員」が果たす貢献の内容(全産業403社、複数回答)
※「質問5「高齢従業員」の貢献度」で「全く貢献していない」以外の選択肢を
選んだ409社のうち当質問での無回答6社を除く403社が対象。

「高齢従業員」が果たす貢献の内容(全産業403社、複数回答)

(※)表内の網掛け表記は、全体平均よりも10%ポイント高いことを示す

「高齢従業員」が果たす貢献の内容(従業員規模別)

(※)表内の網掛け表記は、全体平均よりも10%ポイント高いことを示す

7.「高齢従業員」の雇用に関する課題【複数回答】

「健康・安全面での不安」が50.6%で最多
「業務内容の制約」、「新たな技術・知識への対応力が低い」が続く

■図表 図表 「高齢従業員」の雇用に関する課題(全産業389社、複数回答)
※アンケートを回収した596社のうち「質問2「高齢従業員」が占める割合」で
「0%」以外の選択肢を選んだ410社のうち当質問での無回答21社を除く389社が対象。

「高齢従業員」の雇用に関する課題(全産業389社、複数回答)
「高齢従業員」の雇用に関する課題(従業員規模別)

(※)表内の網掛け表記は、全体平均よりも10%ポイント高いことを示す

8.「高齢従業員」の働きやすさ向上に関する取り組み【複数回答】

「勤務条件の多様化」が33.5%で最多
「なし」とする回答も従業員4人以下の事業者を中心に多い

■図表 「高齢従業員」の働きやすさ向上に関して実施している取り組み(全産業281社、複数回答)
※アンケートを回収した596社のうち「質問2「高齢従業員」が占める割合」で
「0%」以外の選択肢を選んだ410社のうち当質問での無回答129社を除く281社が対象。

「高齢従業員」の働きやすさ向上に関して実施している取り組み(全産業281社、複数回答)

(※)表内の網掛け表記は、全体平均よりも10%ポイント高いことを示す

「高齢従業員」の働きやすさ向上に関して実施している取り組み(従業員規模別)

(※)表内の網掛け表記は、全体平均よりも10%ポイント高いことを示す

9.「高齢従業員」の働きやすさ向上に効果的だった取り組み【複数回答】

「設備や作業環境の整備」を実施した事業者のうち85.7%が
働きやすさ向上の効果を実感

■図表 「高齢従業員」の働きやすさ向上に効果的だった取り組み(全産業281社、複数回答)
※アンケートを回収した596社のうち「質問2「高齢従業員」が占める割合」で
「0%」以外の選択肢を選んだ410社のうち当質問での無回答129社を除く281社が対象。

「高齢従業員」の働きやすさ向上に効果的だった取り組み(全産業281社、複数回答)

(※)表内の網掛け表記は、全体平均よりも10%ポイント高いことを示す

「図表内の割合の算出方法

10.「高齢従業員」に対する今後への期待

「大いに期待」、「ある程度期待」を合わせると79.7%
従業員20人以上の事業者では約9割

■図表 「高齢従業員」に対する今後への期待(全産業552社)
※アンケートを回収した596社のうち無回答44社を除く552社が対象。
「高齢従業員」に対する今後への期待(全産業552社)

11.「高齢従業員」に関する支援施策の認知度・活用度【複数選択】

「高年齢雇用継続給付」の認知度が23.9%で最多
活用度についても製造業を中心に12.2%

■図表 「高齢従業員」に関する支援施策の認知度・活用度(全産業469社、複数選択)
※アンケートを回収した596社のうち無回答127社を除く469社が対象。
「高齢従業員」に関する支援施策の認知度・活用度(全産業469社、複数選択)

※ 産業別の表中における上段値は「知っている」割合、下段( )内数値は「活用している」割合。

(参考)「高齢従業員」に関する支援施策について

(参考)高齢従業員の雇用に関する支援施策
1.高年齢雇用継続給付
60歳時点の賃金と比較して、60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満となっている方に対して、低下した賃金の一部を補う制度。
2.特定求職者雇用開発助成金
高年齢者や障害者等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介などで、雇入れた事業主を助成する制度。
3.労働者移動支援助成金
事業規模縮小に伴う離職者に対して再就職を支援した事業者や「再就職援助計画」の対象となっている離職者を早期に雇入れた事業者、中途採用率を高めた事業者に対して助成を行う制度。
4.高年齢者雇用アドバイザー制度(65歳超雇用推進プランナー)
高齢者の雇用に関する専門知識、経験等を持つ外部の専門家に、高齢者の継続雇用に関する提案を求めたり、人事労務に関する相談・助言を無料で求めることができる制度。
5.高年齢者雇用安定助成金
下の6に類似した助成金制度。2017年3月末日をもって制度廃止。
6.65歳超雇用推進助成金
65歳以上への定年引上げ、高年齢者の雇用環境の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う事業主に対して助成する制度。

おわりに

○県内景況BSIは、建設業の好調さもありプラス水準を維持するも下降

1〜3月期の県内景況BSIは、好調な建設業、建設関連産業が下支えし、プラス水準を維持した。ただし、前回からは1.7ポイント下降となった。製造業、小売業、サービス業で景況BSIが下降した。製造業では、これまで好調だった鉄鋼・金属製品、機械・機械部品製造業で業況が悪化している。また、小売業をはじめ、個人を主な顧客とする事業者の業況に弱さが見られた。県内景況BSIは高い水準を維持しているが、仕入価格の上昇懸念や人手不足感の強さに加えて、今後の先行きには十分留意する必要がある。

○国内経済の見通しには弱さが見られ、県内景気についても引き続き弱い見通しとなっている

4〜6月期の見通しについては、建設業の景況BSIが高い水準を維持し、サービス業の景況BSIは底堅い。ただし、製造業において、売上高・収益の各BSI、景況BSIが下降し、小売業では従業員4人以下の事業者で景況感を「悪い」とする回答が増加する。

前回調査以降、県内景気の見通しには弱さが見られているが、今回は特に製造業で景況BSIが12.0ポイント下降する見通しとなった。世界景気、国内景気ともに先行き不透明感が依然として強い中、10月には消費増税が予定されている。県内景気については、製造業や商業を中心に、先行きはさらに弱含む可能性が考えられる。

○人手不足感が強まる中で、県内事業者では多くの高齢従業員が活躍

以上のような状況の中で、県内事業者の経営課題として「人手不足問題」がますます大きくなっている。解決策として期待される高齢従業員について、本調査で質問を行ったところ、60歳以上の従業員を雇用している事業者は全体の71.4%を占めた。雇用する事業者の多くが、高齢従業員について、「大変貢献している」と評価しており、今後への期待度も高い。人手不足の解消のみならず、豊富な経験(知識、スキル)が事業活動に大きな成果をもたらしているものと考えられる。

一方で、高齢従業員を雇用する際の課題も残る。調査結果では、「健康・安全面での不安」、「業務内容の制約」、「新たな技術・知識への対応力が低い」との回答が多かった。これらの課題に対して、県内事業者は「勤務条件(日数・時間等)の多様化」、「本人が希望する業務への配置」などの取り組みを行っているが、「取り組みなし」の事業者も多い。高齢従業員を雇用する事業者を対象に、国はさまざまな支援施策を用意しているが、その認知度・活用度は低い。前頁で紹介した施策などを活用しながら、県内事業者における高齢従業員の働きやすさのさらなる向上が重要になる。

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