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景気動向調査 No.115

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(2019年1〜3月期)における県内経済の状況
県内景況BSIは、建設業の好調さもありプラス水準を維持するも下降し
製造業を中心に、見通しには引き続き弱さが見られる

前回調査(2019年1〜3月期)での県内景況BSIは、好調な建設業、建設関連産業が下支えし、プラス水準を維持した。ただし、前期からは1.7ポイント下降となった。製造業、小売業、サービス業で景況BSIが下降した。製造業では、これまで好調だった鉄鋼・金属製品、機械・機械部品製造業で業況が悪化している。また、小売業をはじめ、個人を主な顧客とする事業者の業況に弱さが見られた。県内景況BSIは高い水準を維持しているが、仕入価格の上昇懸念や人手不足感の強さに加えて、今後の先行きには十分留意する必要がある。

2019年4〜6月期の見通しに関しては、特に製造業で景況BSIが12.0ポイント下降する見通しとなった。世界景気、国内景気ともに先行き不透明感が依然として強い中、10月には消費増税が予定されている。県内景気については、製造業や商業を中心に、先行きはさらに弱含む可能性が考えられる。

3.2019年4〜6月期の国内外経済情勢
世界経済の成長減速が強まる中
国内景気は、非製造業で堅調だが、製造業は低調

2018年7月に米国が中国からの輸入製品に対して追加関税措置を講じてから約1年が経過した。この措置により、米中間だけではなく、世界規模で貿易量が減少しており、IMF(国際通貨基金)、OECD(経済協力開発機構)は相次いで、世界経済の成長率見通し(2019年)を下方修正した。5月には、米国のトランプ大統領が中国からの全ての輸入製品に対して追加関税措置を発動すると表明し、世界経済のさらなる減速が懸念される事態となった。その後、米国のFRB(連邦準備理事会)が、政策金利の引き下げを実施するとの観測が広がり、世界景気のさらなる悪化は回避され、6月のG20大阪サミットでは、トランプ大統領が中国に対する追加関税の発動を先送りすると発表し、ひとまず両国間の貿易交渉は落ち着きを見せている。ただし、イラン核合意をめぐり、中東情勢は悪化している。中国通信機器メーカー・ファーウェイに対する米国の禁輸措置、日本による半導体材料の対韓国輸出規制など、低迷する半導体市況にとって先行きが懸念される状況となっている。期限が迫る英国のEU離脱交渉、米国の対EU・対日貿易交渉など、見通しの立たない事象が多数あり、依然として世界経済の先行き不透明感は強い。

このような状況の中で、国内経済情勢については、内閣府が「月例経済報告」(5月)で3月に続いて景気の基調判断を引き下げた。中国、アジア向けの輸出金額が減少しており、国内製造業の生産活動も低調な動きとなっている。その一方で、米中貿易摩擦の激化、中国経済の成長減速、10月に予定されている消費増税等もあり、消費者の景況感は下降を続けているが、賃金水準の上昇、就業者数の増加を背景に、世帯収入は増加しており、個人消費は底堅く推移している。今期は新天皇即位に伴う大型連休(10連休)があり、和歌山県内でも多くの観光地が賑わいを見せた。

4.今回の調査課題

以上のような国内経済情勢の中で実施した当調査では、「2019年4〜6月期の県内事業者の景況感・業績」、「2019年7〜9月期の県内事業者の景況感・業績(見通し)」に加えて、特集アンケート「直近決算期の業績」、「大型連休が事業活動に与えた影響」について報告を行う。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

県内景況BSIは2期連続で下降し、3期ぶりのマイナス水準
見通しはほぼ横ばいでの推移となる模様
○県内景況BSIは2期連続で下降し、3期ぶりのマイナス水準

4〜6月期の県内景況BSIは、サービス業を除く全ての産業で下降となり、全体では3期ぶりのマイナス水準となった。1〜3月期に過去最高値を更新した建設業で景況BSIが13.4ポイント下降したことに加えて、製造業、小売業の景況BSIが2期連続での下降となった。

サービス業については、大型連休を受けて、飲食業や旅館・ホテル業の景況BSIが上昇したこともあり、前回からは1.6ポイント上昇している。

○7〜9月期(見通し)の景況BSIはほぼ横ばい

7〜9月期の見通しについては、景況BSIはほぼ横ばいで推移する。製造業、小売業の景況BSIが下降する一方で、サービス業(特に運輸業、医療・福祉、旅館・ホテル業)や卸売業の景況BSIは上昇する。

ただし、県内経済情勢を取り巻く環境については、先行き不透明感が依然として強い。米中間の貿易交渉は停滞しており、米中間だけではなく、世界全体の貿易量が減少している。加えて、中国経済の成長鈍化が続いており、日本国内の生産活動は一進一退の状況にある。10月には消費増税も予定されており、国内景気がさらに弱まる可能性も考えられる。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感は2期連続で下降し、2年半ぶりの低水準

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業103社、サービス業27社の計130社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」の景況BSIは3期ぶりに下降
ただし、その他の産業に比べて、その水準は依然として高い

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のこと。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が170社、「広義の建設業を除く全産業」は616社の計786社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 103社   景況BSIの推移【 前回 39.1 → 今回 25.7 → 見通し 25.2 】

景況BSIは前回からは下降するも高い水準にある

県内建設業の景況BSI(4〜6月期)は、過去最高値を更新した前回から13.4ポイントの大きく下降したものの、25.7(景況感を「良い」とする事業者は3割超)と高い水準を維持している。業況が良い要因としては、公共工事請負金額の増加、住宅着工戸数の増加、民間建設工事の増加、前年9月の台風21号関連の復旧・修繕工事の増加などが考えられる。

このような状況の中で、約6割の事業者が人手が「不足」していると回答しており、一部の事業者では受注を制限するほど深刻化している。また、コンクリートや鋼材価格が高止まりしており、収益圧迫要因となっている点は懸念される。

7〜9月期(見通し)については、景況BSIはほぼ横ばいで推移する見通しとなっており、引き続き高い水準を維持する模様。

≪製造業≫

回答事業者数: 181社  景況BSIの推移【 前回 4.7 → 今回 ▲0.6 → 見通し ▲5.1 】

景況BSIは2期連続で下降し、2年ぶりのマイナス水準
景況感を「良い」とする事業者が減少

県内製造業の景況BSI(4〜6月期)は2期連続での下降となり、2年ぶりのマイナス水準となった。景況BSIは2017年以降、国内景気の回復を背景に持ち直しの動きが続いていたが、けん引役だった鉄鋼・金属製品製造業、機械・機械部品製造業で景況感を「良い」とする事業者が減少している。また、この2業種を中心に売上高・収益が「減少」しているとする事業者も4割程度あり、業況は弱まっている。

7〜9月期(見通し)についても、景況BSIは下降する。好調な化学製品製造業での下降に加えて、繊維製品製造業、鉄鋼・金属製品製造業で下降する模様。

このような状況の中で、人手不足感は幾分緩和しているが、仕入価格の上昇懸念は依然として強い。設備投資実施比率は、2017年以降、緩やかながら上昇している。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 27社
景況BSIの推移【 前回 5.0 → 今回 7.4 → 見通し 12.0 】
景況BSIは上昇し、5期連続でプラス水準を維持
見通しの景況BSIはさらに上昇する模様


4〜6月期の景況BSIは上昇し、5期連続でプラス水準を維持している。梅加工品製造業を中心に、景況感を「良い」とする事業者が複数見られた。良好な業況もあり、設備投資実施比率も40.7%と高い。仕入価格の上昇懸念が強い点には注意が必要(57.9%の事業者が経営上の問題点として「原材料価格の高騰」を選択)。
7〜9月期(見通し)の景況BSIはさらに上昇する模様。
繊維製品 回答事業者数: 34社
景況BSIの推移【 前回 ▲28.6 → 今回 ▲27.3 → 見通し ▲33.3 】
景況BSIは低い水準で推移
多くの事業者が「売上不振」を経営上の問題点としている


4〜6月期の景況BSIは1.3ポイント上昇したものの、約4割の事業者が景況感を「悪い」と回答しており、業況は悪い。売上高では4割強の事業者が「減少」と回答している。前年の夏場には業況改善の動きが見られたが、その後、景況BSIは下降傾向にある。経営上の問題点として、「売上不振」を挙げる事業者が約4割と多く、仕入価格の上昇懸念も強い。
7〜9月期(見通し)の景況BSIはさらに下降する模様。
木材・木工製品 回答事業者数: 19社
景況BSIの推移【 前回 20.0 → 今回 ▲11.1 → 見通し ▲22.2 】
過半数の事業者が売上減
景況BSIも見通しを含めてマイナス水準


4〜6月期の景況BSIは大きく伸びた前回からは30ポイント以上の下降となった。景況BSI▲11.1は、前年同時期の▲38.5に比べると低すぎる水準ではないが、6割弱の事業者が「売上減少」と回答するなど、業況には厳しさが見られる。
7〜9月期(見通し)についても、景況BSIは下降する模様。
化学製品 回答事業者数: 17社
景況BSIの推移【 前回 13.3 → 今回 41.2 → 見通し 17.6 】
景況BSIは大きく上昇 約5年ぶりの高水準

4〜6月期の景況BSIは30ポイント近く上昇し、その水準は約5年ぶりの高水準となっている。約半数の事業者が景況感を「良い」と回答しており、約3割の事業者が「増収増益」の状況にある。好調な業況を背景に、設備投資の実施比率は2期連続で50%を上回っており、雇用者数を増やす事業者も多い。
7〜9月期(見通し)の景況BSIは下降するが、売上高・収益の各BSIはプラス水準を維持するなど、業況の好調さは維持される模様。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 22社
景況BSIの推移【 前回 5.9 → 今回 0.0 → 見通し ▲13.6 】
景況BSIは3期連続で下降し、2年ぶりの水準
7〜9月期(見通し)ではさらに下降する


4〜6月期の景況BSIは3期連続での下降となり、2年ぶりの水準となった。景況感を「良い」とする事業者の減少が目立つ。前回調査以降、売上高が「減少」しているとする回答も4割強を占めており、業績悪化の動きも見られる。設備投資実施比率が42.9%と比較的高くなっており、好材料も見られるが、業況は総じて悪化しており、7〜9月期(見通し)の景況BSIはさらに下降する。
機械・機械部品 回答事業者数: 31社
景況BSIの推移【 前回 15.0 → 今回 3.4 → 見通し 10.0 】
景況BSIは2期連続で下降し、2015年以降では、最も低い水準

4〜6月期の景況BSIは2期連続で下降し、2015年以降では最も低い水準となっている。景況BSIの下降要因は、景況感を「良い」とする事業者が減少していることが大きい(「悪い」とする事業者はそれほど多くはない)。7〜9月期(見通し)では、景況感を「良い」とする事業者が再び増加し、景況BSIは上昇する模様。
その他の製造業 回答事業者数: 31社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 10.0 → 今回 0.0 → 見通し 0.0 】
景況BSIが一進一退の状況の中
仕入価格の上昇懸念が強まっている


前回調査で10ポイント上昇した景況BSIだが、4〜6月期は10ポイント下降した。日用雑貨品等をはじめとするプラスチック製品製造業で景況感を「悪い」とする事業者が増えた。
景況BSIが一進一退の状況にある中で、仕入価格の上昇懸念が強まっており、収益圧迫要因となっている。また、経営上の問題点として「設備の老朽化」を挙げる事業者が2割程度あり、生産性の低下など悪影響が懸念される。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは横ばいで推移する。

≪商業≫

回答事業者数: 232社   景況BSIの推移【 前回 ▲12.3 → 今回 ▲16.8 → 見通し ▲15.5 】

小売業で景況感を「悪い」とする事業者が増加
商業全体の景況BSIは2期連続で下降

県内商業の景況BSI(4〜6月期)は、4.5ポイント下降した。下降するのは2期連続。卸売業、小売業ともに景況BSIは下降している。中でも、小売業は2期連続で下降しており、飲食料品小売業、衣料品小売業を中心に、景況感を「悪い」とする事業者が増加している。

7〜9月期(見通し)については、卸売業において、景況BSIが上昇することもあり、全体では1.3ポイント上昇する模様。ただし、卸売業の中でも業況良好な機械器具卸売業の見通しに弱さが見られる上に、小売業では景況BSIがさらに下降する。10月には消費増税が予定されており、県内商業事業者への悪影響が懸念される。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 129社
景況BSI値の推移【 前回 ▲2.6 → 今回 ▲4.8 → 見通し 0.0 】
景況BSIは2期ぶりに下降 仕入価格の上昇懸念強い

4〜6月期の景況BSIは2.2ポイント下降。下降は2期ぶり。県内事業者の設備投資実施比率の上昇もあり、機械器具卸売業の景況BSIは高い水準で推移しているが、1〜3月期に18.8まで上昇した建築材料卸売業の景況BSIが大きく下降した(7〜9月期の見通しでは反転上昇)。業績については、売上高が「減少」しているとする回答は減っているが、仕入価格の上昇懸念が飲食料品卸売業、建築材料卸売業を中心に強く、収益については「減少」との回答が4割強を占める。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは上昇に転じる。4〜6月期に大きく落ち込んだ建築材料卸売業の景況BSIが反転上昇。業況良好な機械器具卸売業で景況BSIが下降する見通しとなっている。
小売業 回答事業者数: 103社
景況BSI値の推移【 前回 ▲23.2 → 今回 ▲31.7 → 見通し ▲34.4 】
景況BSIは2期連続で下降
景況感を「悪い」とする事業者が約4割


4〜6月期の景況BSIは2期連続で下降し、約2年ぶりの低い水準となっている。2017年以降、景況感を「悪い」とする事業者が減少し、景況BSIは持ち直しの動きを続けてきたが、2019年に入り、「悪い」とする事業者が増加に転じている。業種別では、飲食料品小売業、衣料品小売業で「悪い」とする回答が目立つ。売上高・収益についても、「減少」と回答した事業者が多い。後述するように、4〜5月の大型連休において、県内小売業の多くが「売上高が減少」したと回答しており、この点も景況感に影響したものと考えられる。
7〜9月期(見通し)についても、景況BSIは下降する模様で、景況感を「悪い」とする事業者が4割強を占める。
このような状況の中で、仕入価格の上昇懸念が飲食料品小売業で強くなっている。また、雇用者数が減少した結果、人手不足となっている事業者が増加しており、今後の動向が懸念される。

≪サービス業≫

回答事業者数: 270社   景況BSIの推移【 前回 2.5 → 今回 4.1 → 見通し 5.1 】

景況BSIは1.6ポイント上昇
見通しにおいても1.0ポイント上昇する模様

県内サービス業の景況BSI(4〜6月期)は、大型連休の好影響を受けて、旅館・ホテル業、飲食業で景況BSIが上昇した。不動産業、医療・福祉においても景況BSIは上昇しており、サービス業全体では1.6ポイントの上昇となった。生活関連サービス業、教養・娯楽サービス業では景況BSIの水準が低く、売上高・収益が「減少」しているとの回答も目立つが、サービス業全体としては、業況は良好。

7〜9月期(見通し)においても、運輸業、旅館・ホテル業、医療・福祉で景況BSIは上昇し、全体では1.0ポイント上昇する模様。

このような状況の中で、人手不足感は依然として強く、運輸業、飲食業では約6割、旅館・ホテル業では約5割の事業者が人手が「不足」していると回答した。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 35社(※物品賃貸業含む)
景況BSI値の推移【 前回 11.4 → 今回 22.9 → 見通し 9.1 】
景況BSIは再び上昇し2015年以降の最高値を更新

<4〜6月期の景況BSIは再び上昇し、2015年以降の最高値を更新した。建設機械リース業、住宅販売業、土地売買業、賃貸業など幅広い業種で、景況感を「良い」とする回答が見られた。br> 7〜9月期(見通し)については、景況BSIは下降するが、プラス水準は維持する模様。
運輸業 回答事業者数: 39社(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSI値の推移【 前回 ▲4.9 → 今回 ▲2.6 → 見通し 5.1 】
景況BSIは上昇 業況は底堅い

4〜6月期の景況BSIは2.3ポイント上昇した。景況感を「悪い」とする事業者が増加する一方で、「良い」とする事業者がそれ以上に増加した。売上高BSIも改善傾向にある。燃料価格の上昇、人件費の上昇などもあり、収益BSIは改善していない。6割強の事業者が人手が「不足」していると回答している。
7〜9月期の景況BSIはさらに上昇する模様。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 31社
景況BSI値の推移【 前回 ▲10.0 → 今回 20.0 → 見通し 23.3 】
大型連休による観光客増もあり
景況BSIは大きく上昇


4〜6月期の景況BSIは大きく上昇し、約3年ぶりの高水準となった。景況感を「良い」とする事業者が約4割を占めた。売上高・収益の各BSIも上昇している。今年のゴールデンウィークは10連休となったため、和歌山県を訪れる観光客は大幅に増加した。
7〜9月期(見通し)の景況BSIは観光シーズンを迎え、さらに上昇する見通しとなっている。
飲食業 回答事業者数: 20社
景況BSI値の推移【 前回 ▲26.3 → 今回 ▲15.0 → 見通し ▲10.0 】
景況BSIは上昇するも
売上高・収益が「減少」している事業者が依然多い


景況感を「悪い」とする事業者が減少したことから、4〜6月期の景況BSIは上昇した。ただし、依然として売上高・収益が「減少」している事業者は4割程度見られる。
7〜9月期(見通し)の景況BSIは5ポイント上昇する模様。
医療・福祉 回答事業者数: 39社
景況BSI値の推移【 前回 7.7 → 今回 10.5 → 見通し 16.7 】
景況BSIはプラス水準で推移

4〜6月期の景況BSIは2.8ポイント上昇し、2期連続でプラス水準を維持した。売上高BSIは低調だが、収益BSIが改善している。
7〜9月期(見通し)についても、景況BSIは上昇し、プラス水準を維持する。
生活関連サービス業 回答事業者数: 14社(※葬祭業、クリーニング業、理美容業等)
景況BSI値の推移【 前回 ▲63.6 → 今回 ▲28.6 → 見通し ▲25.0 】
景況感を「悪い」とする事業者が目立つ

4〜6月期について、約半数の事業者が景況感を「悪い」と回答した(葬祭業、美容業等)。売上高・収益についても半数前後の事業者が「減少」と回答しており、業況には厳しさが見られる。
7〜9月期(見通し)においても、景況BSIはほぼ横ばいで推移する模様。資金繰りが「悪化」すると回答した事業者が約4割を占めた。
教養・娯楽サービス業 回答事業者数: 13社
景況BSI値の推移【 前回 ▲28.6 → 今回 ▲23.1 → 見通し ▲38.5 】
業績悪化の事業者多く 景況BSIも低迷

4〜6月期の景況BSIは、前回から上昇した。ただし、売上高・収益において、約7割の事業者が「減少」と回答している。ゴルフ練習場、スポーツ施設提供業などスポーツ関連の事業者で「減少」とする回答が多い。
7〜9月期(見通し)の景況BSIは下降する模様。
その他のサービス業 回答事業者数: 79社
(※建物サービス、情報通信業、人材派遣業、建設サービス等)
景況BSI値の推移【 前回 23.6 → 今回 5.1 → 見通し 6.8 】
景況BSIは下降するもプラス水準を維持

建設サービス業(設計・測量等)で景況感を「悪い」とする事業者が増加したこともあり、4〜6月期の景況BSIは下降した。ただし、情報通信業、産業廃棄物処理業などで景況感を「良い」とする事業者が多く、景況BSIはプラス水準を維持した。
7〜9月期(見通し)については、景況BSIは上昇する模様。
このような状況の中で、人手不足感はやや緩和するも、依然として、建設サービス業、情報通信業では不足感が強い。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 103社 51.5% 41社 23社 19社 20社
製 造 業 400社 181社 45.3% 66社 67社 26社 22社
商   業 600社 232社 38.7% 93社 43社 46社 50社
サービス業 800社 270社 33.8% 115社 60社 28社 67社
全 産 業 2000社 786社 39.3% 315社 193社 119社 159社

全ての地域で景況BSIが下降
下降幅が比較的小さい紀南地域が3位に
和歌山市 景況BSIは2期連続で下降するも、プラス水準は維持
4〜6月期の景況BSIは2期連続での下降となった。サービス業を除く全ての産業で景況BSIは下降した。ただし、プラス水準は維持している。 7〜9月期の見通しについては、建設業、卸売業で景況BSIは上昇し、全体でも反転上昇。
紀北地域 景況BSIは2期連続で下降。見通しでも下降する
4〜6月期の景況BSIは2期連続での下降となった。建設業、サービス業の景況BSIは比較的高い水準で推移しているが、製造業、小売業には下降傾向が見られる。7〜9月期の見通しについては、景況BSIはさらに下降する模様。
紀中地域 景況BSIは2期連続で下降。下降幅は他地域に比べて大きい
4〜6月期の景況BSIは2期連続での下降となった。他地域と比べて下降幅は大きくなっており、建設業、卸売業、サービス業で景況BSIが大きく下降している。7〜9月期の見通しについては、景況BSIは反転上昇。
紀南地域 景況BSIは3期ぶりに下降するも、見通しでは再び上昇
4〜6月期の景況BSIは3期ぶりに下降。ただし、7〜9月期の見通しでは再び上昇する模様で、建設業、サービス業の景況BSIの水準は比較的高い。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

短観DI、県内景況BSIはともに下降
●全産業 〜短観DI は2ポイント、県内景況BSIは3ポイント下降。見通しもともに下降する〜

4〜6月期において、全体の短観DI(以下、短観DI)は2ポイントの下降となった。製造業、非製造業ともに短観DIは下降した。県内景況BSIについては3ポイント下降している。製造業、非製造業ともに県内景況BSIが下降した。

7〜9月期(見通し)については、短観DI 、県内景況BSIともに下降する。短観DIは製造業、非製造業ともに下降するが、県内景況BSIは製造業のみ下降する見通しとなっており、下降幅も短観DIに比べて小さい。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜製造業 短観DI・県内景況BSIともに2期連続で下降〜

4〜6月期の全体の短観DIは4ポイント下降。従業員規模に関係なく、短観DIが下降している。県内景況BSIは6ポイント下降した。

7〜9月期(見通し)についても、短観DI、県内景況BSIともに下降する。下降幅については、短観DI、県内景況BSIともに4ポイント

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DI、県内景況BSIともに下降〜

4〜6月期の全体の短観DIは1ポイント下降。大企業は2ポイント上昇、中堅企業は横ばい、中小企業は2ポイント下降した。県内景況BSIは3ポイント下降。下降は2期連続。

7〜9 月期(見通し)については、短観DIが6ポイント下降する中で、県内景況BSIは1ポイント上昇する。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

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