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ホーム > 和歌山県内の動向 > 景気動向調査 > 景気動向調査 No.115

景気動向調査 No.115  特集

「直近決算期の業績について」
「大型連休(10連休)が事業活動に与えた影響について」

アンケート趣旨

今回の特集アンケートでは2つのテーマを取り上げた。1つ目の「直近決算期の業績について」では、県内景気の持ち直しに一服感が見られる中で、2018年度の売上高・営業利益の増減やその理由について質問を行った。

2つ目の「大型連休が事業活動に与えた影響について」では、新天皇即位に伴い、異例の10連休となった今回の大型連休について、県内事業者の事業活動への影響について質問を行っている。


調査項目

【直近決算期の業績について】
  1.売上高の増減(対前年比)
  2.「増収」の要因
  3.「減収」の要因
  4.営業利益の増減(対前年比)
  5.「増益」の要因
  6.「減益」の要因

【大型連休が事業活動に与えた影響について】
  7.連休期間中の営業日数
  8.連休期間中の正社員の平均出勤日数
  9.大型連休による事業活動への影響
  10.10日間程度の大型連休を今後希望するか

調査結果

【直近決算期の業績について】
「増収」事業者が38.8%で、「減収」事業者の35.8%を上回った
営業利益についても、「増益」(36.8%)が「減益」(35.0%)を上回った

○ 「増収」の要因では、商業・サービス業を中心に「新規取引先・顧客の増加」が多い

○ 「減収」の要因では、「固定客・得意先の減少」、「同業他社との競合激化」が多い

○ 「増益」の要因では、既存事業・新規事業の売上増が大きく、建設業で回答が多い

○ 「減益」の要因では、「販売数・受注量の減少」が68.4%で最多だが、「原材料・商品等の調達コスト上昇」、「人件費の増加」とする回答が前年に比べて増加

【大型連休が事業活動に与えた影響について】
連休期間中も5日以上営業していた事業者が44.2%を占めた
大型連休による事業活動への悪影響が目立ち、大型連休を「希望しない」が64.7%

○ 連休期間中の正社員の平均出勤日数が5日以上の事業者は30.5%

○ 大型連休による事業活動への影響では、「売上高の減少」が45.3%で最多。「売上高の増加」等のプラスの影響は少なく、「連休前後の業務過多・業務集中」といった回答目立つ

○ 連休期間中も8日以上営業していた事業者のうち、売上増加に結び付いた事業者は27.3%に限られ、売上減少となった事業者の方(30.7%)が多かった

1.売上高の増減(対前年比)

「増収」事業者が38.8%を占め、「減収」の35.8%を上回る
「増収」事業者は建設業で45.0%
○「増収」事業者は建設業で45.0%と最も多く、製造業、サービス業が後に続く
○「減収」事業者は商業で43.2%と最も多く、製造業がその次に多い

■図表 売上高の増減(対前年比)(全産業756社)
売上高の増減(対前年比)(全産業756社)

■図表 売上高の増減(対前年比)(業種別)
売上高の増減(対前年比)(業種別)

2.「増収」の要因

商業・サービス業を中心に
「新規取引先・顧客の増加」とする回答が多い
○建設業では、「民間建設工事の増加」が51.1%で最多。「公共工事の増加」(37.8%)を上回る
○製造業では「新規取引先の増加」が40.6%で最多。「新規事業の売上増」は26.1%
○商業・サービス業ともに「新規取引先・顧客の増加」が最多回答

業種別では、卸売業や運輸業で「販売価格・受注価格の上昇」との回答が多い一方、小売業や旅館・ホテル業では「インターネット経由での受注増加」との回答が多い。

■図表 「増収」の要因(全産業290社) ※複数回答
(※)質問@で「1割以上の増収」、「1割未満の増収」と回答した293社のうち、無回答3社を除く290社が対象

建設業(n=45)

製造業(n=69)

商業(n=75)

サービス業(n=101)

3.「減収」の要因

商業・サービス業では「固定客・得意先の減少」が最多
「同業他社との競合激化」は、いずれの産業でも多くなっている
○「固定客・得意先の減少」とする回答は卸売業、飲食業、旅館・ホテル業で多い
○「同業他社との競合激化」とする回答は卸売業、医療・福祉、飲食業などで多い

「同業他社との競合激化」を選んだ事業者は、合わせて「固定客・得意先の減少」、「販売価格・受注価格の低下」を選択している場合が多い。

○「人手不足」とする回答は総合工事業で45.5%とやや多くなっている

■図表 「減収」の要因(全産業268社) ※複数回答
(※)質問@で「1割以上の減収」、「1割未満の減収」と回答した271社のうち、無回答3社を除く268社が対象

建設業(n=26)

製造業(n=65)

商業(n=96)

サービス業(n=81)

4.営業利益の増減(対前年比)

「増益」事業者が36.8%を占め、「減益」の35.0%を上回った
「増益」事業者の割合は、製造業を除く全ての産業で上昇
○「増益」事業者は、建設業で48.0%と約半数を占め、サービス業では約4割を占めた

■図表 営業利益の増減(対前年比)(全産業747社)
※図表中の「2018」は今回調査、「2017」、「2016」、「2015」は過去に実施した調査結果を参照したもの。

○総合工事業で「増益」事業者が半数を占める
○生活・文化用品小売業では「減益」事業者が過半数

■図表 営業利益の増減(対前年比)(業種別)

(参考) 売上高の増減と営業利益の増減

「増収・増益」事業者は全体の29.7%
「増収・減益」の事業者も5.0%見られた

■図表 売上高の増減と営業利益の増減(全産業745社)
※図表中の値は全体に占める各項目の割合

5.「増益」の要因

「既存事業の売上増」が72.5%で最多
製造業において「生産工程・作業工程の効率化」との回答が増加
○製造業において「生産工程・作業工程の効率化」が大きく増加

業種別では、食料品製造業(66.7%)、木材・木工製品製造業(50.0%)、鉄鋼・金属製品製造業(44.4%)で回答割合が高い。

○商業(特に卸売業)において「新規事業の売上増」が増加傾向にある

■図表 図表 「増益」の要因(全産業269社) ※複数回答
(※)質問Cで「1割以上の増益」、「1割未満の増益」と回答した275社のうち、無回答6社を除く269社が対象
(※)図表中の「2018年度」は今回調査、「2017年度」、「2016年度」、「2015年度」は過去に実施した
調査結果を参照したもの。

■図表 「増益」の要因(産業別)

6.「減益」の要因

「販売数・受注量の減少」が68.4%で最多
「原材料・商品等の調達コスト上昇」、「人件費の増加」が後に続く
○「原材料・商品等の調達コスト上昇」、「賃金引き上げに伴う人件費の増加」が大きく増加

前年に比べて、「原材料・商品等の調達コスト上昇」は商業、サービス業で増加している。また、「賃金引き上げに伴う人件費の増加」はサービス業で特に増加している。

○「生産工程・作業工程の効率性悪化」が製造業で増加

■図表 減益の要因(253社) ※複数回答
(※)質問Cで「1割以上の減益」、「1割未満の減益」と回答した262社のうち無回答9社を除く253社が対象
(※)図表中の「2018年度」は今回調査、「2017年度」、「2016年度」、「2015年度」は過去に実施した調査結果を参照したもの。


■図表 減益の要因(産業別)

7.連休期間中の営業日数 ※ 4月27日(土)〜5月6日(月)までの10日間

「10日」(期間中全て営業)、「0日」(期間中全て休業)がともに19.7%
5日以上は全体の44.2%
○「10日」(連休期間中も全て営業)はサービス業で34.1%と多い

業種別では、旅館・ホテル業(74.1%)、教養・娯楽サービス業(61.5%)、飲食業(61.1%)、衣料品小売業(57.1%)、飲食料品小売業(45.0%)で「10日」とする回答が多い。

○「0日」(連休期間中は全て休業)は製造業で24.7%と多い

業種別では、機械・機械部品製造業(39.3%)、不動産業(36.4%)、機械器具卸売業(30.4%)、化学製品製造業(29.4%)で「0日」とする回答が多い。

○連休期間中も5日以上営業した事業者は全体の44.2%

5日以上営業した事業者は、サービス業(56.1%)、商業(50.9%)で多く、建設業でも37.4%を占めた。製造業は21.1%

■図表 連休期間中の営業日数(全産業740社)
※アンケート回答事業者786社のうち、無回答46社を除く740社が対象。

8.連休期間中の正社員の平均出勤日数

「10日」(期間中全て出勤)は3.6%とごくわずか
「0日」(期間中は出勤日なし)は20.6%
○「10日」(連休期間中も全て出勤)はいずれの産業でもごくわずか

業種別では、飲食業(27.8%)、生活・文化用品小売業(21.1%)、旅館・ホテル業(20.0%)などで回答が多い。

○「0日」(連休期間中の出勤日なし)は製造業で26.6%と多い
○連休期間中も正社員が平均5日以上出勤した事業者は全体の30.5%

正社員が平均で5日以上出勤した事業者は、サービス業で40.9%と最も多く、商業では37.2%、建設業では24.2%を占めた。製造業は8.9%と他産業に比べて少なかった。

■図表 連休期間中の正社員の平均出勤日数(全産業719社)
※アンケート回答事業者786社のうち、無回答67社を除く719社が対象。

9.大型連休による事業活動への影響

「売上高の減少」が45.3%で最多
「連休前後の業務過多・業務集中」などマイナスの影響が目立つ
○「売上高の減少」は製造業で64.1%を占める

連休期間中の営業日数が3日以下の事業者が過半数を占めた製造業で「売上高の減少」とする回答が目立った。

○「従業員の心身のリフレッシュ」は建設業、製造業の半数以上が回答
○「連休前後の業務過多・業務集中」は幅広い業種で回答が多く見られた
○「人手確保の困難さ」は飲食業、旅館・ホテル業、小売業、医療・福祉で回答目立つ
○「売上高増加」は旅館・ホテル業(88.5%)、飲食業(58.8%)など一部に限られる

■図表 大型連休による事業活動への影響(全産業730社) ※複数回答
※アンケート回答事業者786社のうち、無回答56社を除く730社が対象。

(注)棒グラフで色付きの項目は「プラスの影響」、白地のものは「マイナスの影響」に関するもの。

(参考)連休期間中の営業日数と売上高への影響

連休期間中も8日以上営業していた事業者のうち
売上高が「増加」した事業者は27.3%(「減少」は30.7%)

連休期間中の営業日数が8日以上の事業者における、大型連休が事業活動に与えた影響を見ると、「売上高の増加」との回答は27.3%で、「売上高の減少」の30.7%を下回った。

○「売上高の減少」は建設業、製造業、卸売業で多い
○「売上高の増加」は小売業、サービス業で多い

業種別では、旅館・ホテル業、飲食業、教養・娯楽サービス業などで「売上高の増加」とする回答が多く見られた。

■図表 連休期間中も8日以上の営業していた事業者の売上高への影響(全産業205社)
※連休期間中に8日以上営業していた227社のうち無回答22社を除く205社が対象

10.10日間程度の大型連休を今後希望するか

「あまり希望しない」、「希望しない」が合わせて64.7%
「希望する」、「やや希望する」は合わせて12.3%
○「希望しない」とする回答は製造業、商業で特に多い

「あまり希望しない」、「希望しない」とする回答は、製造業や商業で約7割を占める。建設業、サービス業でも約6割を占めた。「希望しない」理由としては、「売上高の減少」、「連休前後の業務過多・業務集中」に加えて、仕入先休業に伴う「在庫積み増し」など、悪影響が多かった点が考えられる。

○「希望する」とする回答は旅館・ホテル業など一部の業種に限られる

「希望する」、「希望しない」とする回答は、旅館・ホテル業(37.9%)、建築材料卸売業(25.0%)、不動産業(24.2%)などで比較的多く見られるものの、全体としては一部に限られる。

■図表 10日間程度の大型連休を今後希望するか
※アンケート回答事業者786社のうち、無回答34社を除く752社が対象。

おわりに

○県内景況BSIは2期連続で下降し、3期ぶりのマイナス水準

4〜6月期の県内景況BSIは、サービス業を除く全ての産業で下降となり、全体では3期ぶりのマイナス水準となった。1〜3月期に過去最高値を更新した建設業で景況BSIが13.4ポイント下降したことに加えて、製造業、小売業の景況BSIが2期連続での下降となった。

サービス業については、大型連休を受けて、飲食業や旅館・ホテル業の景況BSIが上昇したこともあり、前回からは1.6ポイント上昇している。

○7〜9月期(見通し)の県内景況BSIはほぼ横ばいながら、先行き不透明感は依然として強い

7〜9月期の見通しについては、景況BSIはほぼ横ばいで推移する。製造業、小売業の景況BSIが下降する一方で、サービス業(特に運輸業、医療・福祉、旅館・ホテル業)や卸売業の景況BSIは上昇する。

ただし、県内経済情勢を取り巻く環境については、先行き不透明感が依然として強い。米中間の貿易交渉は停滞しており、米中間だけではなく、世界全体の貿易量が減少している。加えて、中国経済の成長鈍化が続いており、日本国内の生産活動は一進一退の状況にある。10月には消費増税も予定されており、国内景気がさらに弱まる可能性も考えられる。

○2018年度業績において、全体の29.7%の事業者が「増収増益」を達成

県内景況BSIが足下では下降する動きを見せる中、県内事業者の2018年度業績(17年比)を質問したところ、「増収」事業者が38.8%で、「減収」事業者の35.8%を上回った。2018年中の国内景気回復を受けて、県内事業者においても、新規顧客(取引先)を獲得し、「増収」を達成した事業者が多く見られた。加えて、営業利益についても、「増益」事業者が36.8%で、「減益」事業者の35.0%を上回っており、「増収・増益」を達成した事業者は全体の29.7%を占めた。また、製造業では、「生産工程・作業工程の効率化」により、「増益」を達成した事業者も多く見られ、人手不足感が強まる中で、設備投資や創意工夫により、生産性を向上させる事業者が増えている。

○2018年度業績において、全体の26.7%の事業者が「減収減益」に

2018年度業績が「減収減益」の事業者は全体の26.7%を占めた。衣料品小売業、飲食料品小売業、生活関連サービス業、教養娯楽サービス業など、一般個人を顧客とする業種において、「減収減益」事業者が目立つ。人口減少や同業他社との競争激化による顧客数の減少、価格競争に伴う販売価格の低下が主な「減収」要因となっている。さらに、人手不足を背景に、人件費は上昇しており、原材料価格の上昇と合わせて、収益圧迫要因となっている。

○積極的な取り組みの拡大が重要に

新規顧客(取引先)の獲得などを進め、「増収増益」となった事業者は増加傾向にある。その一方で、県内人口の減少などから、「減収減益」の事業者も多い。「増収増益」の事業者が実践している販路開拓、新規事業の展開等の取り組みが、県内全体に拡大していくことが重要となっている。

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