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景気動向調査 No.119  特集

「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響と対応」について

アンケート趣旨

今回の特集アンケート「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響と対応」では、緊急事態宣言発令下の県内経済について、各事業者の売上状況や対応策、支援策の利用状況、資金繰りについて質問を行った。

調査項目

  1.4月の売上状況
  2.5月の売上状況
  3.6月の売上状況
  4.新型コロナに関連して実施している(した)対応策
  5.活用した(活用予定の)支援策
  6.今後の資金繰り
  7.自由意見(新型コロナによる影響・対応)

調査結果

【「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響と対応」について】
新型コロナの影響は大きく、6月の売上高水準は全産業平均で前年比25%減
国の「持続化給付金」を活用した事業者は予定を含めると40%を超える

○前年4月の売上水準を100とした時、本年4月は「50未満」の事業者が19.4%、「30未満」が10.2%

○前年5月の売上水準を100とした時、本年5月は「50未満」の事業者が20.0%、「30未満」が9.8%

○前年6月の売上水準を100とした時、本年6月は「50未満」の事業者が14.8%、「30未満」が8.1%

○前年の売上水準を100とした場合、本年の売上高水準(全産業平均)は4月が79.4、5月が79.0、6月が75.3となっている。旅館・ホテル業、飲食業については6月にやや上昇するも、その他の多くの業種では下降した

○「営業時間の短縮」、「一定期間の休業」を実施した事業者は約2割。「テレワーク(在宅勤務)」の実施事業者は12.0%

○国の「持続化給付金」を既に活用した事業者が29.7%。今後の予定を含めると43.1%が活用

○県の「事業継続支援金」を既に活用した事業者は14.5%。今後の予定を含め3割強が活用

○調査時点(6/10〜6/25)の業績状況が続いた場合、9月までに支払いに懸念が生じる事業者は34.3%。家賃支援給付金などの活用が望まれる

○新型コロナの影響が深刻化する中で、自由意見としては、「先行き不透明感」、「支援策への期待」等の意見が多いが、状況打開に向けた「今後の取り組み」についての意見も見られた

1.4月の売上状況

前年4月の売上高水準を100とした時
「50未満」の事業者が19.4%、「30未満」が10.2%

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

前年4月の売上高水準を100とした時の本年4月の売上高水準を質問したところ、以下のような結果となった。

○サービス業で「50未満」の事業者が28.6%を占める

■図表1 4月の売上状況(前年売上水準を100とした場合、全産業762社)
※アンケートを回収した838社のうち、無回答76社を除く762社が対象。
図表1 4月の売上状況(前年売上水準を100とした場合、全産業762社)

図表1 4月の売上状況(建設業)

図表1 4月の売上状況(製造業)

図表1 4月の売上状況(商業)

図表1 4月の売上状況(サービス業)

2.5月の売上状況

前年5月の売上高水準を100とした時
「50未満」の事業者が20.0%、「30未満」が9.8%

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

前年5月の売上高水準を100とした時の本年5月の売上高水準を質問したところ、以下のような結果となった。

○サービス業で「50未満」の事業者が31.8%を占める

■図表2 5月の売上状況(前年売上水準を100とした場合、全産業757社)
※アンケートを回収した838社のうち、無回答81社を除く757社が対象。
図表2 5月の売上状況(前年売上水準を100とした場合、全産業757社)

図表2 5月の売上状況(建設業)

図表2 5月の売上状況(製造業)

図表2 5月の売上状況(商業)

図表2 5月の売上状況(サービス業)

3.6月の売上状況

前年6月の売上高水準を100とした時
「50未満」の事業者が14.8%、「30未満」が8.1%

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

前年6月の売上高水準を100とした時の本年6月の売上高水準を質問したところ、以下のような結果となった。

○サービス業で「50未満」の事業者が23.7%を占める

■図表3 6月の売上状況(前年売上水準を100とした場合、全産業742社)
※アンケートを回収した838社のうち、無回答96社を除く742社が対象。
図表3 6月の売上状況(前年売上水準を100とした場合、全産業742社)

図表3 6月の売上状況(建設業)

図表3 6月の売上状況(製造業)

図表3 6月の売上状況(商業)

図表3 6月の売上状況(サービス業)

(参考) 4〜6月の各月の売上状況

前年の売上高水準を100とした場合
全産業の平均値は4月から6月にかけて下降している

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

前年の売上高水準を100とした場合の、本年各月の売上高水準の平均値を確認すると、以下のような結果となった。

■(参考)4〜6月の売上水準の平均値(前年売上水準を100とした場合、全産業)
(参考)4〜6月の売上水準の平均値(前年売上水準を100とした場合、全産業)

(参考)4〜6月の売上水準の平均値(建設業)

(参考)4〜6月の売上水準の平均値(製造業)

(参考)4〜6月の売上水準の平均値(商業)

(参考)4〜6月の売上水準の平均値(サービス業)

(参考) 4〜6月の各月の売上状況

前年の売上高水準を100とした場合
旅館・ホテル業等を除く多くの業種で、6月の水準が5月から下降

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

前年の売上高水準を100とした場合の、本年各月の売上高水準の平均値を業種別に確認すると、以下のような結果となった。

○旅館・ホテル業、飲食業などで6月の平均値は4〜5月に比べて上昇
○多くの業種において、6月の平均値が4〜5月に比べて下降している

■(参考)4〜6月の売上水準の平均値(前年売上水準を100とした場合、業種別)
4〜6月の売上水準の平均値(前年売上水準を100とした場合、業種別)

4.新型コロナに関連して実施している(した)対応策 【複数回答可】

「営業時間の短縮」、「一定期間の休業」を実施した事業者は約2割
「テレワーク(在宅勤務)」の実施事業者は12.0%

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

新型コロナに関連した取り組みとして、実施している(実施した)ものを質問したところ、「営業時間の短縮」との回答が26.0%で最も多くなった。「従業員の一時休業」が23.7%、「一定期間の休業」が19.4%で続いている。「テレワーク(在宅勤務)」を実施した事業者は12.0%となった。

○「一定期間の休業」は旅館・ホテル業で約8割、「営業時間の短縮」は小売業で多い

産業別では、商業において「営業時間の短縮」が35.4%と高くなっている。「従業員の一時休業」については、サービス業(30.3%)、製造業(29.4%)で比較的回答が多い。「一定期間の 休業」については、サービス業で28.4%と多くなっており、旅館・ホテル業では81.3%、教養・娯楽サービス業では71.4%が回答している。

■図表4 新型コロナに関連して実施している(した)対応策(全産業599社)
※アンケートを回収した838社のうち、無回答239社を除く599社が対象。
図表4 新型コロナに関連して実施している(した)対応策(全産業599社)

5.活用した(活用予定の)支援策 【複数回答可】

「持続化給付金」を既に活用した事業者が29.7%
今後の予定を含めると4割強が活用する見込み(※)

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

国、県等が実施する新型コロナに関する支援施策について、活用状況(予定を含む)を質問したところ、国の「持続化給付金」が29.7%で最多となっている(加えて活用予定は13.4%)。民間金融機関・政府金融機関による「融資(無利子含む)」も同じく最多となっている(加えて活用予定は24.0%)。

○和歌山県の「事業継続支援金」は14.5%の事業者がすでに活用

和歌山県による「事業継続支援金」については14.5%の事業者がすでに活用しており、今後は16.0%の事業者が活用を予定している。

○「雇用調整助成金」は14.0%の事業者がすでに活用。今後は11.4%の事業者が活用予定

従業員の休業手当に対する助成金(雇用調整助成金)について、14.0%の事業者がすでに活用している。産業別では、サービス業(18.0%)、製造業(17.0%)で回答が比較的多い。建設業では2.7%と利用は少ない。

■図表5 活用した(活用予定の)支援策(全産業599社)
※アンケートを回収した838社のうち、無回答239社を除く599社が対象。
図表5 活用した(活用予定の)支援策(全産業599社)

※産業別の上段の値は「利用した」割合、下段([ ] 内の値)は「利用予定」割合

6.今後の資金繰り

今後の各種支払いを心配する事業者がやや多く
家賃支援給付金などの支援策の活用が望まれる

※調査期間は6/10〜6/25で、緊急事態宣言の全面解除(5/25)以降

調査時点における業績状況が続いた場合、どの時期の支払いに懸念があるか質問したところ、9月までに支払いに懸念が生じると回答事業者が34.3%を占めた。

産業別に見ると、サービス業や商業において、9月までの支払いに懸念があるとする事業者が4割弱を占める。製造業については、9月までの支払いに懸念があるとする事業者は28.9%と比較的少ないものの、12月までの支払いとなると、58.3%の事業者が「懸念あり」としている。同様の結果は、建設業でも見られた。

このような状況の中で、政府は持続化給付金に続いて、家賃支援給付金など支援策を拡充している。また、和歌山県をはじめ各種自治体独自の給付金制度を用意するところもあり、このような支援策の活用が望まれる。

■図表6 どの時点での支払いが懸念されるか(全産業656社、産業別)
※アンケートを回収した838社のうち、無回答182社を除く656社が対象。図表6 どの時点での支払いが懸念されるか(全産業656社、産業別)

7.自由意見(新型コロナによる影響・対応について)

「先行き不透明感」、「支援策への期待」等の意見が多いが
状況打開に向けた「今後の取り組み」についての意見も見られた

今回のアンケートでは、「新型コロナウイルス感染症の拡大による影響と対応」について、自由意見欄を設け、回答者に記述をお願いした。

○「業績への影響」、「先行き不安」に関する意見

「業績への影響」については、営業活動の自粛、イベント中止に伴う売上減、高齢者向けサービスに対する利用減など様々な意見が見られた。「先行きへの不安」については、現在のような状況がいつまで続くのか、また、元の状態に戻るのかについて不安を感じるとの意見が見られ、検査医療体制の充実やニューノーマル(新常態)な生活様式の取入れ等により、早く安心して経済活動に取り組める環境づくりへの期待が大きい。

○「支援策への期待」に関する意見

新型コロナの影響が広がり、また長期化する中で、国等による支援策への期待に関する意見も多く見られた。具体的には、各社の感染予防に対する支援、給付金・助成金の追加/拡充、医療体制の強化などの社会的視点の意見も挙げられる。

○「今後の取り組み」に関する意見

国等の支援策への期待も強いが、自ら状況打開に向けて新たな取り組みを展開する事業者も複数見られる。具体的には、「新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底することで、他社との差別化を図る」や「夏以降の第2波への準備を進める」、「インターネット販売を強化する」、「人との接触に関わる業務について合理化を行う」といった意見が挙げられる。

おわりに

○新型コロナの感染拡大で、県内景況BSIは6期連続で下降。下降幅は前回を超えて過去最大に

新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が広がり、欧米主要国は3月下旬以降、各地で都市封鎖を実施し、日本国内では4月に緊急事態宣言が発令された。4月から5月中旬にかけての人出減少、企業活動の停滞は深刻で、JR和歌山駅周辺においても、人出は感染拡大前の6割程度にまで減少した。その結果、県内景況BSIは過去最大の下げ幅を記録した前回(1〜3月期)を超える下げ幅となり、半数超の事業者が景況感を「悪い」と回答している。商業とサービス業の景況BSIはリーマン・ショック後の最低値を下回る水準にまで下降した。建設業については、景況BSIはプラス水準にあるものの、2019年10〜12月期に比べて約30ポイント下降しており、製造業についても同じく30ポイント程度下降している。

○7月以降の新型コロナの感染者数の増加により、先行き不透明感は再び強まっている

7〜9月期(見通し)については、極めて低い水準まで下降した商業とサービス業でやや上昇することもあり、全体では2.4ポイントの持ち直しとなる。ただし、建設業と製造業の見通しは弱含んでいる。さらに、7月以降の新型コロナの感染者数は再び増加傾向にあり、先行き不透明感は強まっている。

○今こそ、大胆な事業変革の好機

上述の通り、県内景況BSIは6期連続で下降し、半数以上の事業者が景況感を「悪い」と回答する状況にある。先行き見通しの不透明感も強く、今後の事業継続に不安を抱く事業者も多い。ただし、そのような状況の中でも、35頁で紹介した通り、「新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底することで、他社との差別化を図る」や「夏以降の第2波への準備を進める」、「インターネット販売を強化する」、「人との接触に関わる業務について合理化を行う」といったニューノーマル(新常態)への対応に努める事業者が複数見られた。マスクなどの衛生用品の寄贈を含めて、県内医療体制に貢献しようとする事業者も数多く、地元の事業者を支援したいという県民の動きも活発だ。県内の飲食店や観光施設を応援しようとするクラウドファンディング事業が各地で立ち上がり、多くの協力者を得ている。

外出自粛や企業活動の停止により生まれた時間の中で、各人が「今、何をしなければいけないか」、「今後、何を目指していく必要があるか」を考え、行動している。これまでの常識が通用しなくなる新たな社会システムの中で、県内事業者にとっては大きな事業変革を成し遂げる好機が到来しているとも言える。

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