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ホーム > 和歌山県内の動向 > 景気動向調査 > 景気動向調査 No.121

景気動向調査 No.121  特集

「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響と取り組み」について

アンケート趣旨

今回の特集アンケートでは、新型コロナウイルス感染症の感染が再び拡大する中で、売上高への影響、コスト削減の取り組み、先行きの資金繰り、経営環境に生じた変化などを質問した。


調査項目

  1.10〜12月の売上状況
  2.売上高減少の要因
  3.新型コロナに関連して実施している(した)こと
  4.コロナ禍において取り組んだコスト削減策
  5.コスト削減効果
  6.資金繰りが懸念される時期について
  7.コロナ禍による経営環境の変化
  8.コロナ禍で活用した支援策

調査結果

【「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響と取り組み」について】
売上高水準は10月にかけて持ち直すも、11月以降は再び下降
支援策の利用が進む一方で、今後の資金繰り懸念は一部で根強い

○ 10〜12月期において、前年の売上高水準を上回った事業者は3割程度見られた

○ 旅館・ホテル業、飲食業の売上高水準(前年比)は11月にかけて持ち直すも、その後下降

○ 10〜12月期の売上減少要因は、「人出減少」、「営業の自粛」、「取引先の事業縮小」が多い

○ 依然として32.8%の事業者が「出張・商談・営業の自粛」を行っており、製造事業者のうち19.6%が「従業員の一時休業」を実施

○ コロナ禍でのコスト削減策では、「移動・出張費の削減」が19.7%で最多。「労働時間の削減」、「在庫の圧縮」との回答が次に多い

○ コロナ禍でのコスト削減策について、効果を実感している事業者は52.9%。あまり実感していない事業者が33.1%

○ 3月までの資金繰りに懸念を感じる事業者は22.8%。2022年以降まで「懸念なし」との事業者は36.8%

○ コロナ禍での経営環境の変化としては、「非接触でのやり取りの増加」が29.5%で最多。「ニーズの変化への対応」、「新規事業の展開」はいずれも1割程度

○ 41.2%の事業者が「持続化給付金」を活用。「各種融資」は38.8%、「雇用調整助成金」は22.4%の事業者が活用

1.10〜12月の売上状況

前年を上回る売上高水準の事業者が3割強
ただし、12月はやや減少

※本調査は、緊急事態宣言再発令(1/8)の約1か月前(12/1〜12/17)に実施

前年の売上高水準を100とした場合の、2020年各月の売上高水準を質問したところ、10月は36.7%、11月は35.5%、12月は31.5%の事業者が「100以上」と回答した。

○産業別ではサービス業で特に多い

産業別では、サービス業で「100以上」の事業者が多くなっており、医療・福祉、不動産業、旅館・ホテル業、運輸業、教養・娯楽サービス業などで回答が多く見られた。

■図表1 10〜12月の売上状況(前年売上高水準を100とした場合、全産業650社)
※アンケートを回収した719社のうち、無回答69社を除く650社が対象。
10〜12月の売上状況
10〜12月の売上状況
10〜12月の売上状況
10〜12月の売上状況
10〜12月の売上状況

(参考)4〜12月の各月の売上状況(産業別)

前年の売上高水準を100とした場合
10月にかけて売上高水準は持ち直すも、11月以降は再び下降

※本調査は、緊急事態宣言再発令(1/8)の約1か月前(12/1〜12/17)に実施

前年の売上高水準を100とした場合の、2020年各月の売上高水準を質問したところ、以下のような結果となった。

■(参考)4〜12月の売上高水準の平均値(前年売上高水準を100とした場合の事業者平均値)
4〜12月の売上高水準の平均値
4〜12月の売上高水準の平均値
4〜12月の売上高水準の平均値
4〜12月の売上高水準の平均値
4〜12月の売上高水準の平均値

(参考)4〜12月の各月の売上状況(業種別)

前年の売上高水準を100とした場合
旅館・ホテル業、飲食業などで11月にかけて持ち直すも、その後下降

※本調査は、緊急事態宣言再発令(1/8)の約1か月前(12/1〜12/17)に実施

前年の売上高水準を100とした場合の、2020年各月の売上高水準を質問したところ、以下のような結果となった。

■(参考)4〜12月の売上水準の平均値(前年売上水準を100とした場合、業種別)

※売上高水準が100を下回る場合、色付きで表記しており、色が濃いほど値が低い。

2.売上高減少の要因【複数回答可】

10〜12月期の売上減少要因としては
「人出減少」、「営業の自粛」、「取引先の事業縮小」が多い

10〜12月のいずれかの月で売上高が前年水準を下回った事業者に対して、その要因を質問したところ、「コロナ禍に伴う人出減少」(45.4%)、「営業の自粛・感染症対策に伴う活動減」(36.7%)との回答が上位を占めた。「取引先の事業縮小・廃業」(17.5%)、「販売単価・受注単価の低下」(13.5%)とする回答もその次に多い。

○依然として「コロナ禍に伴う人出減少」、「営業の自粛」との回答が多い

7〜9月期の売上減少要因(前回調査)と同様に、「コロナ禍に伴う人出減少」、「営業の自粛や感染症対策に伴う活動減」の回答割合が高い。

○「取引先の事業縮小・廃業」との回答も製造業、商業で多い

「取引先の事業縮小・廃業」との回答も製造業、商業で多くなっており、飲食料品卸売業や木材・木工製品製造業、機械・機械部品製造業などで回答が多い。

図表2 売上高減少の要因(全産業474社)※複数回答可
※10〜12月のいずれかの月で売上高が前年水準を下回った517社のうち無回答43社を除く474社が集計対象
売上高減少の要因

(注)( )内の値は7〜9月期における売上高減少要因の割合。「景気動向調査No.120」(2020年9月実施)を参照した。
   (-)は、前回調査では選択肢として含まれなかったもの。

3.新型コロナに関連して実施している(した)こと【複数回答可】

依然として「出張・商談・営業の自粛」が32.8%と多い
「従業員の一時休業」は製造業で19.6%

※本調査は、緊急事態宣言再発令(1/8)の約1か月前(12/1〜12/17)に実施

新型コロナに関連して実施している(した)対応策を質問したところ、3割強の事業者が「出張・商談・営業の自粛」と回答。また、依然として約1割の事業者が「営業時間の短縮」、「従業員の一時休業」を実施している。「派遣社員の雇止め」、「従業員の解雇」については、現時点ではごくわずかとなっている。

○製造業で「出張・商談・営業の自粛」との回答が4割強

産業別では、製造業で「出張・商談・営業の自粛」との回答が44.2%と多く、化学製品製造業(73.3%)、機械・機械部品製造業(56.0%)などで特に回答が多い。

○前回調査に比べて「特になし」との回答が増加

産業別では、建設業(61.4%)、サービス業(57.5%)で回答が多く、特に教養・娯楽サービス業(75.0%)、総合工事業(67.9%)、設備工事業(66.7%)で回答割合が高い。

○「従業員の一時休業」との回答が製造業で19.6%を占める

業種別では、繊維製品製造業(38.1%)、機械・機械部品製造業(28.0%)、木材・木工製品製造業(21.4%)で回答が多い。

■図表3 新型コロナに関連して実施している(した)対応策(全産業500社)
※アンケートに回答した719社のうち無回答219社を除く500社が集計対象
新型コロナに関連して実施している(した)対応策
※(注)( )内の値は前回調査の値。「景気動向調査No.120」(2020年9月実施)を参照した。

4.コロナ禍において取り組んだコスト削減策【複数回答可】

「移動・出張費の削減」が19.7%で最多
「労働時間の削減」、「在庫の圧縮」との回答が次に多い

コロナ禍において、取り組んだコスト削減策を質問したところ、以下のような結果となった。

○製造業で、人件費等を圧縮している事業者が比較的多い

産業別では、製造業で「労働時間・残業時間の圧縮」や「在庫の圧縮」との回答が多い。「給与額・賞与額の引き下げ」、「従業員の解雇・一時休業」とする回答も比較的多くなっている。

○「従業員の解雇」、「事業規模縮小」は一部の事業者にとどまる

「従業員の解雇・一時休業」を行った事業者は、繊維製品製造業(28.0%)、飲食業(26.7%)、機械・機械部品製造業(20.7%)などで比較的回答が多く見られるが、「事業規模縮小」と同様、全体では1割に満たない。

■図表4 コロナ禍において取り組んだコスト削減策(全産業650社)※複数回答可
※アンケートに回答した719社のうち無回答69社を除く650社が集計対象
コロナ禍において取り組んだコスト削減策

5.コスト削減効果

効果を実感している事業者は52.9%
あまり実感していない事業者が33.1%

質問4で実施したコスト削減効果について、質問したところ、「大いに寄与した」、「ある程度寄与した」、「今後寄与する」を合わせると52.9%となり、約半数がコスト削減効果(予定含む)を実感していることがわかった。

○製造業でコスト削減効果を実感している事業者が比較的多い

産業別では、製造業で「ある程度寄与した」とする回答が過半数を占めた。鉄鋼・金属製品製造業(73.3%)、化学製品製造業(64.3%)で回答割合が比較的高い。

○サービス業、建設業で「あまり寄与していない」との回答が比較的多い

業種別では、生活関連サービス業(70.0%)、運輸業(56.0%)などで回答が多く見られた。

■図表5 コスト削減効果(全産業390社)
※質問4でいずれかのコスト削減策を実施した事業者404社のうち、無回答14社を除く390社が集計対象
コスト削減効果

6.資金繰りが懸念される時期について

3月までの資金繰りに懸念を感じる事業者は22.8%
2022年以降まで「懸念なし」との事業者は36.8%

※本調査は、緊急事態宣言再発令(1/8)の約1か月前(12/1〜12/17)に実施

現在の業績状況が継続した場合、資金繰り(家賃・人件費等の支払い)が懸念される時期を質問したところ、「2022年以降」とする回答が36.8%で最も多かったが、「3月」とする回答も22.8%を占めた。

○「2022年以降」まで資金繰りに懸念はないとする事業者はサービス業で多い

サービス業では42.5%の事業者が「2022年以降」と回答。特に、教養・娯楽サービス業(75.0%)、不動産業(59.1%)、医療・福祉(51.7%)で回答が多い。

○木材・木工製造業、旅館・ホテル業で「3月」までの資金繰りに懸念を感じる事業者が多い

「3月」までに資金繰りが懸念されると回答した事業者は全体の22.8%を占め、業種別では、木材・木工製品製造業(50.0%)、旅館・ホテル業(42.9%)、飲食料品小売業(37.5%)などで回答が多く見られた。

■図表6 資金繰りが懸念される時期について(全産業565社)
※アンケートに回答した719社のうち無回答154社を除く565社が集計対象
資金繰りが懸念される時期について

7.コロナ禍による経営環境の変化【複数回答可】

「非接触でのやり取りの増加」が29.5%で最多
「ニーズの変化への対応」、「新規事業の展開」はいずれも1割程度

コロナ禍において、県内事業者が感じている経営環境の変化について質問したところ、以下のような結果となった。

○「非接触でのやり取りの増加」が29.5%で最多

最多回答となった「非接触でのやり取りの増加」は、旅館・ホテル業や医療・福祉などのサービス業で回答が特に多い。その一方で、飲食料品小売業などの小売業では回答が少なかった。また、関連する回答として「オンライン取引(営業)の拡大」、「テレワーク環境の整備」、「ICT活用促進」については、いずれも2割弱の回答となっている。

○「ニーズの変化への対応」、「新規事業の展開」に乗り出す事業者は1割程度

コロナ禍による「ニーズの変化への対応」について、取り組んでいる事業者は15.3%にとどまる。生活関連サービス業(50.0%)、飲食業(46.2%)で回答が比較的多く見られた。また、「新規事業の展開」に取り組む事業者は10.3%で、飲食業(38.5%)、鉄鋼・金属製品製造業(21.7%)で回答が比較的多い。

■図表7 コロナ禍による経営環境の変化(全産業641社)
※アンケートに回答した719社のうち無回答78社を除く641社が集計対象
コロナ禍による経営環境の変化

8.コロナ禍で活用した支援策【複数回答可】

41.2%の事業者が「持続化給付金」を活用
「各種融資」は38.8%、「雇調金」は22.4%の事業者が活用

コロナ禍の中で、活用した支援策について質問したところ、以下のような回答結果となった。

○「持続化給付金」、「各種融資」の利用が多い

「持続化給付金」(コロナ禍での業績が大きく悪化した事業者への給付金制度)を活用した事業者は41.2%となっており、製造業では51.6%を占めた。「各種融資」を活用した事業者も38.8%と多く見られる。和歌山県による「事業継続支援金」を利用した事業者は27.9%だった。

○「雇用調整助成金」の利用事業者は製造業を中心に多い

「雇用調整助成金」(休業手当に対する助成制度)を活用した事業者は22.4%で、産業別では製造業で32.8%と多くなっている。

○「各市町村による独自支援策」についても2割弱の事業者が活用

コロナ禍において、多くの県内市町村で、独自の支援策(家賃補助、給付金、プレミアム商品券・宿泊券等)が用意されており、紀南地域・紀中地域の事業者を中心に14.7%の事業者が活用している。

■図表8 コロナ禍で活用した支援策(全産業456社)※ 複数回答可
※アンケートに回答した719社のうち無回答263社を除く456社が集計対象
コロナ禍で活用した支援策

おわりに

○県内景況BSIは2期連続で持ち直すも、その水準は依然として低い

2020年10〜12月期の県内景況BSIは、7〜9月期に続いて、10ポイントを超える持ち直しの動きを見せた。国内外の生産活動(特に自動車工業、電子部品工業)が持ち直していることに加えて、一時的に新型コロナの感染状況に落ち着きが見られたことや、各種「Go Toキャンペーン」などの需要喚起策もあり、県内でも、サービス業を筆頭に全ての産業で景況BSIが持ち直した。小売業を中心に、小規模事業者の中には、依然として景況感を「悪い」とする事業者も多く見られるが、全体としては、4〜6月期の最悪期から持ち直す動きを見せている。ただし、コロナ禍前(19年10〜12月期)に比べて、その水準は依然として低く、経営上の大きな問題点であった人手不足感は大きく緩和し、余剰感を抱く事業者も増えている。県内労働市場は軟調で、有効求人数(11月)は前年比15.2%減となっている。

○新型コロナの感染が急激に広がり、先行き不透明感強まる。見通しの県内景況BSIは再び下降

2021年1〜3月期(見通し)については、調査期間中(12/1〜17)に、新型コロナの感染者数が急激に増加し、「Go To トラベル」の全国一斉停止が決定されたこともあり、再び先行き不透明感が強まった。サービス業を中心に全ての産業で景況BSIは下降する見通しとなっており、3月までの資金繰りを懸念する事業者が2割強を占める。

○年明け後の緊急事態宣言再発令で経済情勢は悪化

調査実施から約1か月が経過した1月上旬、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が東京都、大阪府など11都府県に再発令された。前回の宣言発令時に比べて、人出の減少幅は小さいものの、時短営業が要請されている飲食業やその関連産業、自主的に時短営業・休業措置をとる宿泊業、教養・娯楽サービス業、旅客運輸業等では、業績への悪影響は避けられない状況となっている。新型コロナの感染状況は、欧米各国でより深刻な状況となっており、世界銀行は2021年の世界経済の成長率を4.0%に下方修正した。ワクチン接種の進捗遅延や信用収縮が生じた場合、マイナス成長に陥る可能性が残るとも指摘している。

○主要国の大規模経済対策が進める「脱炭素」、「デジタル化」の大きな流れ

主要各国がコロナ禍において実施した大規模経済対策により、電気自動車の普及、脱炭素社会構築に向けたインフラ整備、5G(高速大容量通信)関連インフラの整備などが飛躍的に進む可能性が高い。さらに、「三密」(密閉・密集・密接)回避の生活が当たり前となり、自炊・テイクアウトといった「巣ごもり需要」が伸びるなど、市場ニーズは大きく変化している。県内事業者は、このような環境変化への対応に迫られているが、今回の特集アンケートの結果が示す通り、市場ニーズの変化への対応、新規事業の展開を実施する事業者はごく一部にとどまる。政府は今後の経済対策において、新分野展開や業態転換を図る事業者に対し、そのための設備費用、教育訓練費用などを支援する方針で、県内事業者は、このような支援策を有効に活用しながら、コロナ禍の環境変化に対応することが重要になっている。

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