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景気動向調査 No.128

はじめに

1.調査の目的

県内企業の実態と動向を把握し、現在の経済環境が和歌山県内の各企業にどのような影響を及ぼしているのか、さらに、今後この状況はどのようになると予想されるのかを調査し、調査結果を企業経営の参考資料としていただくことを目的とする。

2.前回調査(2022年4〜6月期)における県内経済の状況
新型コロナ感染「第6波」の収束から、景況BSIは上昇するも
「原材料価格高騰」や「第7波」への懸念強まる

4〜6月期の県内景況BSIは建設業を除く全ての産業で景況BSIが上昇し、全体では12.3ポイントの上昇となった。前期(1〜3月期)は、新型コロナ感染「第6波」により、人出状況の悪化や感染・濃厚接触に従業員の欠勤等により事業活動に大きな影響が及んだ。4〜6月期は「第6波」が収束に向かい、大きく落ち込んでいた景況BSIは上昇に転じた。特にサービス業や小売業で景況BSIが改善した。主な経営課題として、「原材料価格の高騰」を挙げる事業者が半年間で約10ポイント増加し、全体の約3割を占めている。

3.2022年7〜9月期の国内外経済情勢
ウィズコロナへの動きが進む中、コロナ禍で落ち込んだ国内経済は
緩やかに持ち直している
ただし、物価上昇、世界経済の減速への懸念が強まっている

2022年7〜9月期の国内外経済情勢を振り返ると、日本国内では7月以降、再び新型コロナ感染が拡大した(新型コロナ感染「第7波」)。オミクロン変異株の派生型「BA.5」の感染力は強く、8月19日には全国で26万人を超える新規感染者が確認された。ただし、これまでの感染拡大期とは異なり、緊急事態宣言等の行動制限措置は発出されず、9月には感染者の療養期間が短縮され、感染者の情報把握の手法も簡略化されるなど、経済活動の維持を重視する動きが強まった。

世界の情勢を見ると、コロナ禍で落ち込んだ経済活動の持ち直し、ウクライナ危機などを背景として、供給網の混乱・供給不足が起こり、物価上昇が急激に進んでいる。9月の米国消費者物価指数は前年比8.2%の上昇となり、9か月連続で8%を超える上昇幅となった。米連邦準備理事会(FRB)は、3回連続で0.75%の利上げを行い、インフレ抑制に動いている。欧州中央銀行を含めて、世界各国が同様の動きをとるなか、日本銀行は現行の金融政策を維持している。このため、日米金利差の拡大観測から、円相場は急激に値下がりし、10月20日には一時、1ドル=150円の水準となった(7月初旬は135円台)。円安進行は原材料・燃料等の輸入コストの上昇を招き、資源高と相まって、企業物価指数(9月)は過去最高を更新している。国内企業は製造業を中心に、物価上昇への懸念を強めており、日本銀行が発表した9月の短観調査によると、大企業製造業の景況感は3期連続での悪化となった。IMF(国際通貨基金)による、2023年の世界経済の成長率見通しも下方修正が続いており、景気の先行き減速感が強まっている。ウィズコロナへの動きが進む中で、人出状況は改善に向かい、個人消費は旅行・外食を中心に持ち直しているものの、物価上昇に比して、賃金上昇の動きは弱い。

このような状況の中で、日本政府は物価高などに対する総合経済対策として39兆円規模の財政支出を予定している。観光需要喚起策「全国旅行支援」による国内旅行客の増加、入国に係る水際対策の緩和に伴う訪日外国人客の増加も予想される。コロナ禍で落ち込んだ個人消費の持ち直しへの期待が高まる一方で、世界経済の減速や急激な物価上昇の影響については、十分留意する必要がある。

I 自社の景況 −回答企業の経営者が自社の景況をどうみているかを集計−

「自社の景況」は、日本銀行が全国規模で行っている企業短期経済観測調査(短観)において企業の景況感を示す業況判断指数(DI)と同様の基準を用い、県内企業の自社景況BSI値を調査するものである。

県内の自社景況BSI

新型コロナ感染「第7波」に見舞われるも、景況BSIは横ばいで推移
「原材料価格高騰」への懸念は強いものの、見通しの景況BSIは上昇を見込む
○7〜9月期の景況BSIは前回から横ばい

7〜9月期の県内景況BSIは前回からほぼ横ばいで推移した。7月以降、新型コロナ感染が再び拡大し、8月には1日当たりの新規感染者数が過去最高を更新した。ただし、行動制限は発出されず、お盆の帰省客を含めて、8月中旬の人出状況は前年を上回った。業種によって業況に明暗は見られるものの、以前のような感染拡大期における業況の大幅悪化は見られなかった。「原材料価格高騰」への懸念は強いが、一部で販売価格への転嫁の動きに進捗が見られる。

○10〜12月期(見通し)の景況BSIは上昇を見込む

10〜12月期(見通し)の県内景況BSIは1.7ポイント上昇。サービス業を除く全ての産業で景況BSIが上昇する。世界的な金融引き締めの流れの中で、世界景気の下振れリスクが高まり、急激な円安進行を背景に、物価の上昇が続いているが、「全国旅行支援」などの需要喚起策への期待もあり、県内景況感は改善を見込む。

(参考) 家計の景況感と広義の建設業の景況感

家計の景況感

家計の景況感が2期連続で上昇

家計の景況感

※「家計景況感」とは、和歌山県内家計消費の状況が経営に大きく影響する事業者の景況BSIのことで、該当事業者は小売業とサービス業の一部(教養・娯楽、生活関連サービス業)である。今回の該当事業者数は小売業117社、サービス業22社の計139社。

広義の建設業の景況感

「広義の建設業」は反転上昇

広義の建設業の景況感

※「広義の建設業」とは、建設業ならびに建設業を主な得意先とする業種(窯業・土石品製造業、測量・設計業務等)のこと。今回の該当事業者数は「広義の建設業」が167社、「広義の建設業を除く全産業」は632社の計799社。
1.産業別(建設業、製造業、商業、サービス業)

ここでは、建設業、製造業、商業、サービス業の各産業別に景況を報告する。また、製造業、商業、サービス業に関しては、業種別にその景況を合わせて報告する。

自社の景気(産業別)

≪建設業≫

回答事業者数: 97社   景況BSIの推移【 前回 ▲13.4 → 今回 ▲1.1 → 見通し 5.6 】

景況BSIは12.3ポイント上昇
「原材料価格の高騰」、「人材不足」が課題

7〜9月期の景況BSIは12.3ポイント上昇した(上昇は3期ぶり)。県内建設市場については、コロナ禍で落ち込んだ新築住宅着工戸数が持ち直しの動きを見せる中、公共工事請負金額については、減少傾向にある。7〜9月期については、電気工事業等の設備工事業で景況感を「悪い」とする事業者が減少し、景況BSIは上昇したが、売上高BSIは低い水準にあり、約半数の事業者が売上高は「減少」していると回答している。さらに、「原材料価格の高騰」、「人材不足」に直面する事業者も多い。

10〜12月期(見通し)の景況BSIについては、6.7ポイント上昇する模様。鉄骨工などの職別工事業、設備工事業で景況感を「良い」とする事業者が増加する見通し。

≪製造業≫

回答事業者数: 189社   景況BSIの推移【 前回 ▲10.5 → 今回 ▲16.2 → 見通し ▲12.4 】

一部の業種で景況感を「良い」とする事業者が増加するも
売上不振、原材料価格の高騰に直面する事業者が多く、景況BSIは下降

7〜9月期の景況BSIは5.7ポイント下降(下降は2期ぶり)。金属加工等の鉄鋼・金属製品製造業や繊維製品製造業で景況BSIが上昇する一方、機械・機械部品製造業、印刷業、紙・紙加工品製造業などで景況BSIが下降した。このような状況の中で、原材料等の仕入価格が「上昇」しているとする事業者が8割強を占める一方で、販売価格に転嫁している事業者は約3割にとどまっており、「原材料価格の高騰」を経営上の問題点とする事業者が約4割を占めている。

10〜12月期(見通し)に関しては、景況BSIは3.8ポイント上昇する模様。

以下では、製造業の各分野について報告を行う。

食料品 回答事業者数: 29社
(※梅干等の漬物製造業、調味料・酒類製造業等)
景況BSIの推移【 前回 0.0 → 今回 ▲10.3 → 見通し ▲17.4 】
仕入価格の上昇が続く中
景況BSIは再び下降


7〜9月期の景況BSIは下降した。前期に比べて売上高や収益が「減少」したとする事業者が増え、景況感を「悪い」とする事業者が全体の3割強を占めた。仕入価格の上昇が続く中で、販売価格への転嫁に向かう事業者も徐々に増加している。
10〜12月期(見通し)の景況BSIについても、下降する。販売価格を引き上げようとする事業者も複数あり、食料品製造業における価格転嫁が進むかどうか動向が注目される。
繊維製品 回答事業者数: 27社(※歌山市のニット生地メーカー、橋本市のパイル織物メーカー等)
景況BSIの推移【 前回 ▲30.3 → 今回 ▲12.5 → 見通し ▲19.2 】
景況BSIは2期連続で上昇
販売価格への転嫁が進んでいる


7〜9月期の景況BSIは2期連続で大きく上昇。景況感を「悪い」とする事業者が減少傾向にあり、景況BSIはコロナ禍前の水準まで回復。仕入価格の上昇が続く中、販売価格への転嫁を進める事業者は約4割を占める。依然として、売上不振を経営上の問題点とする事業者は多く、全体としての業況には弱さも見られる。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは下降する模様で、今後の動向に注意が必要。
木材・木工製品 回答事業者数: 21社(※建具製造、製材業等)
景況BSIの推移【 前回 ▲21.1 → 今回 ▲33.3 → 見通し ▲10.0 】
景況BSIは2期連続で下降
資金繰り「悪化」事業者が約3割を占める


7〜9月期の景況BSIは2連続で下降した。原材料価格の上昇が続く中、販売価格への転嫁を実施する事業者は一部にとどまる。資金繰りが悪化している事業者も約3割を占めている。経営上の問題点として「売上不振」を挙げる事業者は4割を超えており、業況は極めて厳しい。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは上昇に転じる模様。
化学製品 回答事業者数: 18社
景況BSIの推移【 前回 ▲14.3 → 今回 ▲11.1 → 見通し ▲5.6 】
景況BSIは上昇
急激な円安進行もあり、原材料価格高騰の影響が懸念される


7〜9月期の景況BSIは上昇。ただし、収益が「減少」しているとする事業者は約7割を占めており、原材料価格の高騰が収益性を圧迫している。経営上の問題点として「原材料価格の高騰」を挙げる事業者が8割強を占めており、極めて大きな問題点となっている。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは引き続き上昇する模様だが、円安が急激に進行しており、輸入コストがさらに高まれば、業況が悪化する可能性が高く、今後の動向に注意を要する。
鉄鋼・金属製品 回答事業者数: 23社
景況BSIの推移【 前回 4.8 → 今回 21.7 → 見通し 18.2 】
景況BSIは大きく上昇
受注状況が改善し、景況感を「良い」とする事業者が3割を占める


7〜9月期の景況BSIは大きく上昇。景況感を「良い」とする事業者が3割強を占めており、業況は大きく改善している。仕入価格の上昇が続く中で、価格転嫁ができている事業者は一部にとどまるものの、受注高の増加が景況感の改善に寄与している。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは下降するものの、極めて高い水準を維持する。ただし、世界的な金融引き締めの影響で、世界経済の今後の見通しには弱さが見られる。世界景気の減速が、県内生産活動に与える影響については注意を要する。
機械・機械部品 回答事業者数: 34社
景況BSIの推移【 前回 3.4 → 今回 ▲17.6 → 見通し ▲6.1 】
景況BSIは大きく下降
先行きに関しても、世界経済の減速の影響が懸念される


7〜9月期の景況BSIは大きく下降。前期は3年ぶりのプラス水準まで回復していた景況BSIだが、「売上不振」、「原材料価格の高騰」、「人材不足」など様々な要因から、景況感が悪化したとする事業者が複数見られた。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは改善を見込むものの、世界的な金融引き締めの影響で、世界経済の今後の見通しには弱さが見られる。世界景気の減速が、県内生産活動に与える影響については注意を要する。
その他の製造業 回答事業者数: 37社
(※印刷業、窯業・土石品製造業、プラスチック製品製造業等)
景況BSIの推移【 前回 ▲13.9 → 今回 ▲38.9 → 見通し ▲34.3 】
景況BSIは大きく下降
見通しを含めて、業況は厳しい


7〜9月期の景況BSIは大きく下降。景況感を「悪い」とする事業者が約4割を占めており、また、収益が「減少」したとする事業者は約7割を占めた。業種別では、印刷業、紙器製品製造業、生活雑貨製品製造業などで景況感を「悪い」とする事業者が目立つ。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIはやや上昇するものの、極めて低い水準が続く。

≪商業≫

回答事業者数: 239社   景況BSIの推移【 前回 ▲27.6 → 今回 ▲24.3 → 見通し ▲23.3 】

新型コロナ感染が拡大するも、景況BSIは上昇
卸売業、小売業ともにコロナ禍前の水準まで戻りつつある

7〜9月期の景況BSIは3.3ポイント上昇。上昇は2期連続。7月以降、県内では再び新型コロナ感染が拡大し、8月中旬には1日の新規感染者数が約2,300人にまで増加した。8月上旬は人出状況が悪化したものの、行動制限は発出されず、お盆帰省客を含めて、人出は前年を上回った。売上高・収益については、依然として「減少」との回答が約半数を占めており、業況は厳しいものの、卸売業、小売業ともにコロナ禍前の水準まで戻りつつある。

10〜12月期(見通し)の景況BSIは1.0ポイント上昇する模様。全国旅行支援などの需要喚起策もあり、業況の改善が期待される一方で、商品仕入価格の上昇が続いており、収益圧迫が懸念される。

以下では、卸売業ならびに小売業の景況について報告する。

卸売業 回答事業者数: 122社
景況BSIの推移【 前回 ▲19.2 → 今回 ▲16.5 → 見通し ▲18.3 】
景況BSIは2期連続で上昇
売上高を中心に業績状況は持ち直し傾向にある(収益性の改善は低調)


7〜9月期の景況BSIは2期連続で上昇。機械器具卸売業を中心に景況感を「良い」とする事業者が増加した。コロナ禍で大きく落ち込んだ業績状況は持ち直しの動きを続けている。ただし、仕入価格の上昇から収益性の改善については緩やかな動きにとどまっており、特に、飲食料品卸売業の業況は低調なままだ。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは下降に転じる。機械器具卸売業の景況BSIが大幅な下降に転じる模様で、その動向には注意を要する。県内事業者の業況は改善傾向にあるものの、世界経済の減速懸念から、県内製造業の先行き見通しに関しては弱さが見られ、機械器具卸売業を中心に、その影響が懸念される。 
小売業 回答事業者数: 117社
景況BSIの推移【 前回 ▲37.4 → 今回 ▲32.5 → 見通し ▲28.6 】
景況BSIは2期連続で上昇
先行きに関しては物価上昇の影響に留意


7〜9月期の景況BSIは2期連続での上昇となった。コロナ禍前の水準に戻りつつあるものの、依然として、その水準は低く、業況は総じて厳しい。衣料品小売業や生活・文化用品小売業を中心に、景況感を「悪い」とする事業者が目立つ。仕入価格が上昇する中で、収益が「減少」している事業者は全体の約6割を占めている。
10〜12月期(見通し)の景況BSIはさらに上昇する模様だが、資源価格の高止まりや急激な円安進行を背景に、物価上昇が続いている。物価上昇を受けて、家計の節約志向が高まれば、県内小売事業者への悪影響は避けられず、今後の業況については注意を要する。

≪サービス業≫

回答事業者数: 274社   景況BSIの推移【 前回 ▲6.5 → 今回 ▲8.8 → 見通し ▲9.0 】

新型コロナ感染が拡大するも、景況BSIは底堅さを維持
人手不足が経営課題に

7〜9月期の景況BSIは2.3ポイント下降。7月以降、県内では再び新型コロナ感染が拡大し、8月中旬には1日の新規感染者数が約2,300人にまで増加した。8月上旬は人出状況が悪化したものの、行動制限は発出されなかったことから、旅館・ホテル業や飲食業では、以前の感染拡大期のような業況悪化が見られなかった。このような状況の中で、運輸業、旅館・ホテル業、医療・福祉、教養・娯楽サービス業では人手不足感が高まっており、大きな経営課題となっている。

10〜12月期(見通し)の景況BSIはほぼ横ばいでの推移となる模様。全国旅行支援などの需要喚起策もあり、業況の改善が期待される一方で、原材料価格の高騰や人手不足の強まりが懸念される。

以下では、サービス業の各分野の景況について報告する。

不動産業 回答事業者数: 35社
(※物品賃貸業含む)
景況BSIの推移【 前回 ▲6.3 → 今回 ▲5.7 → 見通し 0.0 】
景況BSIは見通しを含めて高い水準を維持

7〜9月期の景況BSIは1.6ポイント上昇。景況BSIの水準は他業種に比べて高く、不動産取引業を中心に業況は底堅い。経営上の問題点として「設備老朽化」を挙げる事業者が不動産賃貸業を中心に3割弱を占めている。
10〜12月期の景況BSIは5.7ポイント上昇し、0.0となる模様。景況感を「悪い」とする事業者は1割弱と極めて少なく、引き続き底堅い業況が維持される。
運輸業 回答事業者数: 41社
(※旅客運輸業、倉庫業含む)
景況BSIの推移【 前回 ▲15.6 → 今回 ▲26.8 → 見通し ▲15.4 】
景況BSIは大幅下降
売上不振、燃料高、従業員のコロナ感染などが業況悪化要因と考えられる


7〜9月期の景況BSIは大きく下降。新型コロナ感染「第7波」に見舞われる中、県内景気がほぼ横ばいで推移するも、運輸業に関しては大幅な景況BSIの下降となった。売上高・収益が「減少」したとする事業者が増加する一方で、人手不足感が急激に強まっている。経営上の問題点として「売上不振」と合わせて、「原材料価格の高騰」、「人材不足」とする事業者も多く、様々な要因から業況が悪化している可能性が高い。
10〜12月期(見通し)に関しては、景況BSIは上昇する模様。ウィズコロナへの動きが進む中で、人出状況は改善しており、運輸業への好影響も期待される。
旅館・ホテル業 回答事業者数: 28社
景況BSIの推移【 前回 ▲17.4 → 今回 0.0 → 見通し ▲18.5 】
新型コロナ感染「第7波」に見舞われるも、旅行需要は増加
景況BSIは大きく上昇


7〜9月期の景況BSIは大幅上昇。白浜町・田辺市の複数の事業者が景況感を「良い」と回答している。新型コロナ感染「第7波」に見舞われるも、緊急事態宣言などの行動制限は発出されず、県内の7〜8月の観光客数はコロナ前の水準までほぼ回復しつつある。
10〜12月期(見通し)については、景況BSIは下降する見通し。ただし、観光需要喚起策「全国旅行支援」が開始されるなど、国内旅行客の増加が期待されるうえに、コロナ禍に伴う国内入国への水際対策も緩和されており、訪日外国人客の持ち直しも期待される。
飲食業 回答事業者数: 15社
景況BSIの推移【 前回 ▲26.7 → 今回 ▲33.3 → 見通し ▲20.0 】
新型コロナ感染「第7波」に見舞われるも、売上高・収益「増加」の事業者は増えた
ただし、事業コストは増加しており、景況BSIは低い水準にある


7〜9月期は、売上高・収益が「増加」したとする事業者が増えたものの、景況BSIは下降した。新型コロナ感染「第7波」に見舞われるも、緊急事態宣言などの行動制限は発出されず、人出状況は以前ほど悪化してはいないが、飲食業の業況については、引き続き厳しい状況にある。食材価格の高騰、電気料金・ガス料金の高騰など、事業コストも増加しており、収益性の悪化が懸念される。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは上昇を見込むが、その水準は依然として低い。
医療・福祉 回答事業者数: 43社
景況BSIの推移【 前回 0.0 → 今回 ▲2.3 → 見通し ▲2.6 】
新型コロナ感染「第7波」に見舞われる中、景況BSIは上昇
人手不足感が極めて高い水準にある


7〜9月期の景況BSIは下降するも、底堅い。1〜3月期はオミクロン株の感染拡大により、高齢者の福祉サービス利用減や濃厚接触等による従業員の欠勤が発生し、景況BSIは下降していたが、「第7波」においては、業況を悪化させてはいない。ただし、人手不足感は過去最高水準にまで高まっており、大きな経営上の問題点となっている。
10〜12月期(見通し)の景況BSIはほぼ横ばいで推移する。
生活関連サービス業 回答事業者数: 11社
(※葬祭業、クリーニング業、理美容業等)
景況BSIの推移【 前回 ▲25.0 → 今回 ▲45.5 → 見通し ▲11.1 】
景況BSIは大きく下降
原材料価格・燃料価格の高騰の影響が懸念される


7〜9月期の景況BSIは大きく下降し、業況は極めて厳しい状況にある。クリーニング業、理美容業で景況感を「悪い」とする事業者が目立つ。これらの業種では、原材料価格や燃料価格が高騰しており、収益性が圧迫されている。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは上昇する模様。ただし、急激な円安進行に伴い、燃料価格の高騰は続く模様で、政府の総合経済対策の実施が期待される。
教養・娯楽サービス業 回答事業者数: 11社
(※スポーツ関連サービス、旅行代理店業など)
景況BSIの推移【 前回 ▲15.4 → 今回 0.0 → 見通し ▲18.2 】
景況BSIは上昇するも
見通しでは再び下降


7〜9月期の景況BSIは15.4ポイント上昇。新型コロナ感染「第7波」に見舞われも、ウィズコロナへの動きが進んだこともあり、景況感を「悪い」とする事業者は一部に限定された。ただし、10〜12月期(見通し)の景況BSIは下降に転じ、売上高・収益が「減少」するとの事業者が増える模様で、業況は一進一退の状況にある。
その他のサービス業 回答事業者数: 90社
(※建物サービス、情報通信業、人材派遣業、建設サービス等)
景況BSIの推移【 前回 4.4 → 今回 0.0 → 見通し ▲5.8 】
景況BSIは比較的高い水準で推移

7〜9月期の景況BSIは下降するも、比較的高い水準で推移している。情報通信業、建設サービス業(測量・設計等)、産業廃棄物処理業などで景況感を「良い」とする事業者が複数見られた。
10〜12月期(見通し)の景況BSIは下降する模様だが、その水準は他業種に比べて高い。

2.地域別(和歌山市、紀北地域、紀中地域、紀南地域)

→地域区分については、こちら

県内自社景気の地域別比較(全産業)

地域別回収状況

発送先数 回答社数 回答率 回答社数(地域別)
和歌山市 紀北地域 紀中地域 紀南地域
建 設 業 200社 97社 48.5% 46社 11社 11社 29社
製 造 業 400社 189社 47.3% 66社 68社 35社 20社
商   業 600社 239社 39.8% 101社 40社 47社 51社
サービス業 800社 274社 34.3% 129社 55社 23社 67社
全 産 業 2000社 799社 40.0% 342社 174社 116社 167社

新型コロナ感染「第7波」に見舞われるも
紀北地域、紀南地域の景況BSIは上昇
和歌山市 景況BSIは4.3ポイント下降
7〜9月期の景況BSIは4.3ポイントの下降となった。製造業、サービス業で景況BSIが下降した。10〜12月期(見通し)の景況BSIは6.4ポイント上昇する。
紀北地域 景況BSIは3.1ポイント上昇
7〜9月期の景況BSIは3.1ポイント上昇。製造業、小売業、サービス業で景況BSIが上昇した。10〜12月期(見通し)の景況BSIは2.6ポイント上昇する模様で、引き続き製造業、小売業、サービス業で景況BSIが上昇する。
紀中地域 景況BSIは4.2ポイント下降
7〜9月期の景況BSIは4.2ポイントの下降となった。建設業、製造業、サービス業で景況BSIが下降した。10〜12月期(見通し)の景況BSIについても0.2ポイントの下降となる模様。
紀南地域 景況BSIは10.2ポイントの大幅上昇
7〜9月期の景況BSIは前回に引き続き2桁の大幅上昇となった。製造業を除く全ての産業で景況BSIが上昇した(特に建設業では30ポイントを超える上昇)。10〜12月期(見通し)の景況BSIは7.4ポイントの下降を見込む。
3.全国との比較

−日銀短観DIと比較した県内自社景況BSI−

短観DIは1ポイント上昇、県内景況BSIは横ばい
●全産業 〜短観DIが1ポイント上昇する中、県内景況BSIは横ばい〜

全体の短観DI(以下、短観DI)は、2期連続で上昇した(上昇幅は1ポイント)。新型コロナ感染が再拡大する中で、非製造業で短観DIが1ポイント上昇する一方で、製造業については、原材料価格の高騰などの影響もあり、1ポイントの下降となった。県内景況BSIは前回から横ばいで推移。

日銀短観と県内自社景気の比較(全産業)

●製造業 〜短観DIは1ポイント、県内景況BSIは5ポイントの下降〜

原材料価格の高騰の影響もあり、全体の短観DI(以下、短観DI)は1ポイント、県内景況BSIは5ポイントの下降となった。業種別では、短観DI、県内景況BSIともに、金属加工業種で景況感が改善する一方、機械・機械部品製造業では景況感が悪化した。

日銀短観と県内自社景気の比較(製造業)

●非製造業 〜短観DIは1ポイント、県内景況BSIは2ポイントの上昇〜

新型コロナ感染が再拡大する中、ウィズコロナへの動きも進み、旅館・ホテル業等の対個人サービス業を中心に景況感が改善し、短観DIは1ポイント、県内景況BSIは2ポイントの上昇となった。ただし、運輸業については、短観DIで改善が進む中、県内景況BSIは低迷している。

日銀短観と県内自社景気の比較(非製造業)

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