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景気動向調査 No.128  特集

調査項目

【「2022年度における県内事業者の賃上げ」について】
  1.非正規雇用者の賃金単価の増減
  2.夏季賞与の支給状況
  3.夏季賞与の増減
  4.正規雇用者数の増減
  5.非正規雇用者数の増減
  6.総人件費の増減
  7.今後の賃上げ余力

【「価格転嫁の状況」について】
  8.販売価格への転嫁状況

【「不測の事象が多発する中での事業継続」について】
  9.BCPの策定状況

【「経営に関わる情報収集」について】
  10.経営に関する役立つ情報の入手先

調査結果

【「2022年度における県内事業者の賃上げ」について】
今後の賃上げ余力について「あまりない」、「全くない」が59.8%
商業では約2割が「全くない」と回答
【「価格転嫁の状況」について】
6月調査に比べて「十分転嫁できている」事業者が13.2%まで増加(7.2ポイント増)
「希望の3割以上は転嫁できている」との事業者は42.4%(6月調査では29.4%)
【「不測の事象が多発する中での事業継続」について】
BCPについて「策定済」の事業者は12.0%まで増加(4年前調査では6.7%)
【「経営に関わる情報収集」について】
役立つ情報の収集先では「インターネット」が42.4%で最多
「テレビ・新聞・雑誌」、「同業・異業種の経営者等」が後に続く

1.非正規雇用者の賃金単価の増減(3月末比)

「増加」事業者が44.4%を占め、2014年度以降では最多
製造業では「増加」が54.1%を占める

調査時点における非正規雇用者の賃金単価の増減(3月末比)を質問したところ、44.4%の事業者が「増加」と回答した。「増加」事業者の割合は、2014年度以降で最も高くなっている。業種別では、化学製品製造業、鉄鋼・金属製品製造業、機械・機械部品製造業、食料品製造業などの製造業で「増加」との回答が過半数を占めた。

■図表@-1 非正規雇用者の賃金単価の増減
図表@-1 非正規雇用者の賃金単価の増減

■図表@-2 非正規雇用者の賃金単価の増減(過去調査との比較)
図表@-2 非正規雇用者の賃金単価の増減(過去調査との比較)

(参考) 正規雇用者の給与額の増減(3月末比)

正規雇用者の「賃上げ」実施事業者は45.7%と約半数
ただし、コロナ禍前に比べて10ポイント程度低い

6月に実施した「景気動向調査」において、正規雇用者の給与額(賞与・残業代は含まない)を3月末比で比較した場合の増減を質問した。その結果、「3%以上の増」(10.5%)を含む「増加」(賃上げ実施)の事業者は45.7%と約半数を占めた。ただし、過去の調査結果と比較した場合、「賃上げ」実施事業者の割合は昨年から1.5ポイント低下しており、コロナ禍前(2019年度)の水準(55.3%)に比べて10ポイント程度低い。

■図表 正規雇用者の給与額の増減(3月末比)
※給与額には賞与・残業代は含まない

■図表 正規雇用者の給与額の増減(過去調査との比較)


2.夏季賞与の支給状況

「支給した」は73.6%
3年ぶりに増加に転じた

夏季賞与の支給状況について質問したところ、 73.6%が「支給した」と回答した。「支給した」とする回答は3年ぶりに増加に転じ、回答割合としても2014年度以降では2番目の高い水準にある。

■図表A-1 夏季賞与の支給状況

■図表A-2 夏季賞与の支給状況(過去調査との比較)

3.夏季賞与の増減

「増加」は37.1%
2年連続で「増加」が増えた

夏季賞与を支給した事業者に対して、昨年度と比較しての増減を質問したところ、「増加」した事業者は37.1%となった。昨年度に比べて1.6ポイント増加している(増加は2年連続)。

■図表B-1 夏季賞与の増減
図表B-1 夏季賞与の増減

■図表B-2 夏季賞与の増減(過去調査との比較)
図表B-2 夏季賞与の増減(過去調査との比較)

4.正規雇用者数の増減

「増加」、「減少」ともに約1割
前年調査から大きな変化はなし

調査時点における正規雇用者数の増減(3月末比)を質問したところ、「増加」事業者は13.9%、「減少」事業者は13.5%だった。前年調査と比較した場合、「増加」事業者は、製造業や商業で減少しており、コロナ禍前(2019年度)の水準に比べて、全体では約4ポイントほど回答割合が低い。

■図表C-1 正規雇用者数の増減
図表C-1 正規雇用者数の増減

■図表C-2 正規雇用者数の増減(過去調査との比較)
図表C-2 正規雇用者数の増減(過去調査との比較)
図表C-2 正規雇用者数の増減(過去調査との比較)

5.非正規雇用者数の増減

「増加」、「減少」ともに約1割
前年調査から大きな変化はなし

調査時点における正規雇用者数の増減(3月末比)を質問したところ、「増加」事業者は10.2%、「減少」事業者は10.5%だった。前年調査と比較した場合、「増加」事業者は、サービス業(特に旅館・ホテル業)で増える一方、製造業や建設業では減少した。また、「減少」事業者についても、サービス業(飲食業、医療・福祉)で回答割合が前年調査に比べて上昇している。

■図表D-1 非正規雇用者数の増減
図表D-1 非正規雇用者数の増減

■図表D-2 非正規雇用者数の増減(過去調査との比較)
図表D-2 非正規雇用者数の増減(過去調査との比較)
図表D-2 非正規雇用者数の増減(過去調査との比較)

6.総人件費の増減

「増加」は47.4%
昨年度に比べて7.5ポイント増えた

総人件費(福利厚生費含む)の増減(前年比)について質問したところ、「増加」したとする事業者は47.4%となった。昨年度に比べて「増加」との回答は7.5ポイント増えた。建設業、製造業を中心に「増加」との回答が増える一方、商業では増加の動きが弱い。

■図表E-1 総人件費の増減
図表E-1 総人件費の増減

■図表E-2 総人件費の増減(過去調査との比較)
図表E-2 総人件費の増減(過去調査との比較)
図表E-2 総人件費の増減(過去調査との比較)

7.今後の賃上げ余力

「あまりない」、「全くない」が約6割を占める
商業では約2割が「全くない」と回答

今後の賃上げ余力について質問したところ、「あまりない」(46.6%)と「全くない」(13.2%)との回答を合わせると59.8%を占めた。過去調査と比べて大きな変化は見られなかった。

○建設業では「あまりない」、「全くない」との回答がやや減少傾向にある

産業別に見た場合、「あまりない」、「全くない」との回答は、建設業で緩やかな減少傾向が見られる一方で、製造業では増加した。また、商業では「全くない」との回答が約2割を占めており、他産業に比べて多くなっている。

■図表F 今後の賃上げ余力
図表F 今後の賃上げ余力

8.販売価格への転嫁状況

「希望の3割以上は転嫁できている」との事業者は42.4%
6月調査の29.4%から13ポイント増

■図表【今回調査(9月実施)】販売価格への転嫁状況
図表【今回調査(9月実施)】販売価格への転嫁状況

■図表【前回調査(6月実施)】販売価格への転嫁状況
図表【前回調査(6月実施)】販売価格への転嫁状況

9.BCPの策定状況

「策定済」の事業者は12.0%
4年前の前回調査に比べて5.3ポイント増

BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の策定状況について質問すると、「策定済」は12.0%、「策定中」は7.0%、「策定を予定」は6.5%だった。2018年に実施した前回調査に比べて、「策定済」の事業者は5.3ポイント増加しており、また、「BCPをよく知らない」とする事業者の割合は60.6%まで低下している。

BCPとは、地震、風水害、鳥インフルエンザ等により、事業の継続にリスクが生じた際、重要業務が中断しないように事前に策定する行動計画のこと。防災対策だけではなく、被災後の事業の継続・早期復旧を目指す。

■図表H BCPの策定状況
図表H BCPの策定状況

10.経営に関わる役立つ情報の入手先

「インターネット」が42.4%で最多
「テレビ・新聞・雑誌」、「同業・異業種の経営者等」が後に続く

経営に関わる役立つ情報の入手先について質問したところ、「インターネット」との回答が42.4%で最も多く、「テレビ・新聞・雑誌」(38.4%)、「同業・異業種の経営者等」(30.2%)を上回った。

2013年に中小企業基盤整備機構が実施した「中小企業経営者の経営情報の収集・活用に関する実態調査」では、経営者が情報収集する場所としては、「新聞」が82.0%で最も多く、テレビ(62.0%)、雑誌(45.7%)、ホームページ(43.3%)が後に続いている。約10年の間に、インターネットを活用した情報収集が主流となり、また、「役立つ情報」が得られる場所としても定着していることがわかる。

■図表I 経営に役立つ情報の入手先
図表I 経営に役立つ情報の入手先

おわりに

○7〜9月期の景況BSIは前回から横ばい

7〜9月期の県内景況BSIは前回からほぼ横ばいで推移した。7月以降、新型コロナ感染が再び拡大し、8月には1日当たりの新規感染者数が過去最高を更新した。ただし、行動制限は発出されず、お盆の帰省客を含めて、8月中旬の人出状況は前年を上回った。業種によって業況に明暗は見られるものの、以前のような感染拡大期における業況の大幅悪化は見られなかった。「原材料価格高騰」への懸念は強いが、一部で販売価格への転嫁の動きに進捗が見られる。

○10〜12月期(見通し)の景況BSIは上昇を見込む

10〜12月期(見通し)の県内景況BSIは1.7ポイント上昇。サービス業を除く全ての産業で景況BSIが上昇する。世界的な金融引き締めの流れの中で、世界景気の下振れリスクが高まり、急激な円安進行を背景に、物価の上昇が続いているが、全国旅行支援などの需要喚起策への期待もあり、県内景況感は改善を見込む。

○県内事業者が求める情報 〜補助金、法令・規制変更に関する情報へのニーズが強い〜

今回の調査結果が示唆するように、県内企業は様々な情報提供先から、経営に必要な経済情報を取得している。具体的にどのような情報を収集しているのかを自由記述形式で質問したところ、「補助金の動向」、「法令・規制変更に関する情報」、「販路に関する情報」、「同業他社の動向」といった意見が多くみられた。また、昨今の物価上昇を受けて、仕入材・仕入商品の価格見通しなどへの関心も強まっている。世界情勢など地政学的リスクに関する情報への取得意向も高まっており、弊所としては、このような情報ニーズを踏まえながら、引き続き、情報発信に注力していきたい。

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