グラフで見る和歌山県経済指標(2023年2月)
内閣府の月例経済報告(2023年2月21日公表)において、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」との判断が維持された。個別項目については、国内企業物価を除き変更はなかった。
以下では、「全国の情勢」、「和歌山県の情勢」を主要経済指標(主に1月の値)に基づき報告する。
(1)需要動向に関して、「個人消費」、「住宅建設」、「設備投資」、「公共投資」、「輸出」のいずれについても、前月の判断が維持された。
(2)企業活動に関しては、「生産」、「業況判断」、「企業収益」、「倒産件数」のいずれについても、前月の判断が維持された。
(3)雇用情勢に関しては、「持ち直している」との判断が維持された。
(4)物価に関しては、「国内企業物価」、「消費者物価」ともに「上昇してい る」との判断が維持された。」
(5)世界経済に関しては、「一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いている」との判断が維持された。
(1)個人消費面では、百貨店・スーパー販売額(全店、1月)は、前年比3.8%増となり、4か月連続で前年を上回った。近鉄百貨店和歌山店の販売額(1月)は前年比5.8%増。
コロナ禍の感染状況が12月に入り悪化し、また、和歌山市内の消費者物価指数(総合)は、前年比4.3%上昇となっている。
新車登録台数(1月)は、前年比12.7%増となり、3か月ぶりに二桁の増加となった。ただし、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会はともに、部品不足、半導体不足に伴う新車の供給不足が続き、23年の販売状況は引き続き不透明感が残ると指摘している。
新設住宅着工戸数(1月)は、前年比22.0%減となり、4か月連続で前年を下回った。2022年累計での着工戸数は前年同期比3.6%増となっており、「貸家」及び「分譲住宅」で前年を上回る着工戸数となった。ただし、資材価格高騰の影響による建設コストの増加から、「持家」の着工戸数は減少傾向にある。
(2)企業活動面では、鉱工業生産指数(12月)は、前月比1.9ポイント上昇(上昇は2か月連続)。
公共工事請負金額(1月)は、前年比9.6%減となり、5か月連続で前年を下回った。大型工事の発注件数が減少しており、4〜1月累計での請負金額は前年同期比10.8%減となっている。県内では、2021年後半以降、公共工事請負金額の減少傾向が強まっており、地域別では、田辺地区(4〜1月累計で前年同期比38.3%減)、新宮地区(同38.0%減)、湯浅地区(同12.0%減)、岩出地区(同10.2%減)、和歌山市地区(同8.9%減)となっている。
(3)雇用面については、有効求人倍率(1月)は、前月から0.02ポイント上昇し1.16倍となった(上昇は3か月ぶり)。有効求人数の減少傾向が強まっている。県内では、12月以降、コロナ禍の感染状況が悪化しており、このことも原因の一つと考えられる。また、有効求人数の減少傾向は全国においても見られ、ニッセイ基礎研究所は、輸出の低迷を背景とした製造業の生産活動の低下、物価高による国内需要の下押しなどが労働市場に悪影響を及ぼし始めていると分析し、「雇用情勢の改善に陰りがみられる」としている。
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