和歌山ブラぶらウォッチング
龍之渡井 〜煉瓦造りのアーチが美しい〜 (かつらぎ町高田)
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小田井用水は、和歌山県北部に位置し、紀の川右岸の河岸段丘に広がる水田地帯を潤している。この小田井用水が出来るまでこの地域の灌漑は、北側にある和泉山脈の沢水やため池により小規模に行われていたが、常に水不足に悩まされていたという。 江戸時代、紀州藩は厳しい財政事情の打開策として米の増収をはかることとし、紀ノ川の水を利用した大規模な新田開発を計画した。そして宝永4年 (1707)、紀州藩主である徳川吉宗の命を受けた大畑才蔵(現橋本市学文路出身)により用水路が開削された。 この用水、紀の川に平行して北岸の等高線を巡るように開削されたため、途中でいくつもの河川と交差し、用水の為の橋(渡井(とい))が設けられることとなる。木製の渡井も時代の変遷につれ煉瓦・石造りに改修され、現“龍之渡井”は大正8年(1919)の完成。川辺に佇み、渡井を見上げれば、昔の人の偉業に頭が垂れる思いになる。 (取材:萬羽) |
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